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 スペイン語翻訳者になろう vol.530


おはようございます。ピーチです。
今回の本題は、元ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ氏についてです。

目下、世の中は「鬼滅の刃」一色になっている模様ですが、実は
「ムヒカ~世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」も上映中です
(アルゼンチン等が製作した2018年の映画「世界でいちばん貧しい
大統領~愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」とは別ものですので、お間違え
なく)。

先日たまたまラジオをつけたところ、この映画の監督を務めたフジ
テレビのディレクターが、ムヒカさんとの思い出を語っていました。
「2012年の国連での演説に感銘を受けてぜひ会いたいと思い、合計5回
ウルグアイに訪ねて行ったこと」
「ムヒカ氏はいつも笑顔というわけではなく、厳しい表情をしている時も
あったけれど、行けば自ら椅子とクッションを出してくれて『さて今日
は何から話そうか』と言ってくれたこと」
「話がのってくると夫人が家にいないことを確かめて皆にウヰスキーを
振る舞うが、夫人が帰ってくると慌てて隠したこと(実は恐妻家?)」
「ダメモトで日本へ招待したら本当に来てくれたこと」
「日本では『どうしても広島にだけは行きたい。それは日本への敬意だ』
と言っていたこと」
などなど、様々なエピソードがありました(細部は忘れてしまった
ので、上記内容は部分的に間違いがあるかもしれません。その点は
ご容赦下さい)。
ムヒカさんと親交を深める中で、監督が一番印象的だったのは、「誰の
話でも、分け隔てなく熱心に耳を傾ける」ことだったそうです。いわゆる
「傾聴」ですね。簡単そうで、実はとても難しい、それだけに本当に
大切な行為です(日本の政治家の中に、これができそうな人が思い
当たらないのは非常に残念です)。

前置きが長くなりましたが、映画の公開と時を同じくして、ムヒカ氏の
「事実上の政界引退」の報が入りましたので、今回はこのテーマを扱い
ます。
まだもう少し活動して欲しいような気もしましたが、辞職の理由を見ると
「むべなるかな」であります。農場で花や植物を育てながら、ちょっと
怖い(?)夫人とともに、ゆっくり生活を楽しんでいただきたいな、と
思います。

すっかり前書きが長くなりましたが、本題に入ってまいりましょう。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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◇本日の課題
Durante su presidencia, Mujica dono' 90 % de su salario y se nego' a
vivir en la Residencia Presidencial y la usaba unicamente para actos
oficiales. "Yo no soy pobre. Pobres son los que precisan mucho para
vivir, esos son los verdaderos pobres, yo tengo lo suficiente",
afirmo' en mayo de 2013.
La pandemia de Covid-19 ha forzado a Mujica a retirarse de la vida
politica, ya que padece una enfermedad inmunologica cronica y tiene
85 an~os, lo que lo pone su salud en riesgo.
(El Universal, Mexico, 20 de octubre)


【語注】
Presidencia :大統領の職
dono<donar :寄付する
negarse a...:〜を拒否する
Residencia Presidencial:大統領公邸
precisan<precisar :必要とする
Covid-19 :新型コロナウイルス
retirarse de… :〜から引退する、手を引く
padece<padecer:〜を患う、〜に苦しむ
inmunologico :免疫学の
cronico :慢性的な


【直訳例】
大統領職の間、ムヒカは自分の給料の90%を寄付し、大統領公邸に住むことを
拒否し、それを公式行事のためだけに使用していた。「私は貧しくはない。貧
しい人たちとは、生きるのに多くを必要とする人たちで、それらが本当の貧者
である。私は十分なものを持っている」と、2013年5月に言明した。
新型コロナウイルスのパンデミックがムヒカを政治生活から引退させた。とい
うのは慢性的な免疫の病気を患い、85歳であるためで、そのことが彼の健康を
危険に置く。

※事実関係およびムヒカ氏自身が「政治を捨てるわけではないが、第一線から
は去る」と述べていることなどから、retirarse de la vida politica は
「政界からの引退」ではなく「上院議員の辞職」だと考えるべきでしょう。
ただし、ムヒカ氏の年齢や健康状態から考えると「事実上の引退」と捉える
向きも多いようです。


◇本日の課題(再掲)
Durante su presidencia, Mujica dono' 90 % de su salario y se nego' a
vivir en la Residencia Presidencial y la usaba unicamente para actos
oficiales. "Yo no soy pobre. Pobres son los que precisan mucho para
vivir, esos son los verdaderos pobres, yo tengo lo suficiente",
afirmo' en mayo de 2013.
La pandemia de Covid-19 ha forzado a Mujica a retirarse de la vida
politica, ya que padece una enfermedad inmunologica cronica y tiene
85 an~os, lo que lo pone su salud en riesgo.


【練り訳例1】
かつて大統領職にあった時、ムヒカ氏はその報酬の9割を寄付に充てていた。
大統領公邸で暮らすことも拒否し、公式行事以外で公邸を使用することはな
かった。2013年5月には、「私は貧しくはない。貧しい人とは、生きるために
多くを必要とする人々のことだ。彼らこそが本当の貧者と言える。私はすでに
十分なものを持っている」と語った。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を受けて、ムヒカ
氏は議員辞職を余儀なくされた。慢性的な免疫疾患を患っているうえ、85歳と
いう年齢もあって、健康面でリスクが高いためである。

【練り訳例2】
大統領在職中、ムヒカ氏は給与の90%を寄付に充て、大統領公邸は公式行事に
使用するだけで、そこに住むことを固辞しました。2013年5月には、「私は貧
しくはありません。真の貧者とは生きるのに多くを必要とする人たちのことで
す。私は十分満たされています」との見解を示しています。
ムヒカ氏が上院議員を辞職するのは、新型コロナウイルス感染症の蔓延が原因
です。コロナ禍の中で、85歳という高齢に加え慢性的免疫疾患があることで健
康の維持が難しいとして、ムヒカ氏は辞任を決めました。

※練りポイント
Pobres son los que precisan mucho para vivir, esos son los verdaderos
pobres の部分は情報が重複しているようにも見えますが、ムヒカ氏の発言を尊
重して、練り訳例1ではなるべく原文に沿った訳としました。気になる方は、
練り訳例2のように、思い切って一文にまとめてしまう策もあります。


◆編集後記◆
アースです。
(また天文寝たじゃなくて天文ネタなので、「またかよ」という方は
ここでお別れしましょう〜また来週〜!)
メルマガをお休みしていた間に、何とかムーンだのかんとかムーンだの、
月と土星がひっつくだの、火星がまた地球にめっちゃ近付くだの、いろいろ
な情報が流れていたようですが。
先週水曜(21日)には、「オリオン座流星群が極大だから皆さん流れ星を
見ましょ〜!」みたいな話がテレビで取り上げられていました。
確かにね。
飛べば明るいし、他のちまちました流星群に比べれば、ちょっとは多いかも
しれないけれど。ペルセウス座流星群ほどの規模はとても望めない。
よっっっっっっっっぽど空が暗くて、しかも夜中ずっと快晴で、
しかも眠気に耐えて夜明けまでがんばる根性がある人でない限り、なかなか
出会えるものではありませんのです。
しかもしかも。
それが「オリオン座流星群」なのか、それともその他大勢のぜんぜん関係
ない流星なのか(「散在流星」と言います)、見極めるのは、慣れた
人でないとなかなか難しい。っていうか、単に飛ぶ方向が違うだけで、
色とか明るさとかが違うわけでもない。
それなのに、あたかも「見なきゃ損ソン!」みたいに喧伝するマスコミに、
皆さん、だまされないでください。
だいたい。
野っ原のど真ん中で寝ころんで、全天を一気に観察できない限り、一晩に
二回は悲しい思いをすることになります。
なんでかって?
飛ばないかな〜飛ばないかな〜とふとあっちの方向を見た瞬間に、
こっちの方向で「おおお〜〜〜〜すげ〜〜〜〜!」という声が飛ぶ。
こっちの方向を見ていると、あっちの方向で「きれい〜〜〜〜〜」
という声が飛ぶ。
そんな風にして、いままで何度、火球級の流れ星を逃したことか。
うっうっ。
そういうわけで、我が家では全天360度が録画できるドライブレコーダー
の設置を検討中です(んなわけあるか!)。

 

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