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 スペイン語翻訳者になろう vol.476


おはようございます。ピーチです。
先週号で「次号の前書きは極短で行きます」と宣誓したので、
それを実行に移すことにします。

コウキヨンデネ!

言いたいのはこれだけです(それだけ重要な内容です)。
あ、本題もお忘れなきよう・・(日本171位、由々しき事態です)。


  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)


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┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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【女性閣僚(1)】

◇本日の課題
Espana es el pais con mas mujeres ministras, el 64,7%, mientras que
la media mundial es del 20,7 por ciento. El numero de mujeres jefas
de Estado y de Gobierno disminuyo' en 2018 mientras que las que
ocupan carteras han aumentado ligeramente en el mismo periodo, si
bien los hombres aun ocupan cuatro de cada cinco ministerios a nivel
mundial, segun los datos publicados por la Union Interparlamentaria
(IPU) y ONU Mujeres.


【語注】
media :平均
jefa :長、リーダー
disminuyo'>disminuir:減る、減少する
cartera:大臣の地位
si bien:(+直説法)〜ではあるが、たとえ〜でも
ocupar :(地位などに)就く、占める
ligeramente:やや、軽微に
ministerio :大臣職、閣僚
Union Interparlamentaria:列国議会同盟
ONU Mujeres:UNウイメン
※正式名称は「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関
(Entidad de la ONU para la Igualdad de Genero y el Empoderamiento
de la Mujer)」


【直訳】
スペインは、最も多い女性閣僚、64.7%を持つ国である一方、世界の平均は
20.7%である。列国議会同盟とUNウイメンによって公表されたデータによる
と、世界レベルでは、男性はいまだに大臣職5つにつき4つを占めているが、
国と政府の女性の長の数は、2018年に減少した一方、大臣の地位に就いてい
る女性は、同じ期間に少し増えた。


◇本日の課題(再掲)
Espana es el pais con mas mujeres ministras, el 64,7%, mientras que
la media mundial es del 20,7 por ciento. El numero de mujeres jefas
de Estado y de Gobierno disminuyo' en 2018 mientras que las que
ocupan carteras han aumentado ligeramente en el mismo periodo, si
bien los hombres aun ocupan cuatro de cada cinco ministerios a nivel
mundial, segun los datos publicados por la Union Interparlamentaria
(IPU) y ONU Mujeres.


【練り訳例1】
閣僚に占める女性の割合が世界で最も高い国はスペインで、64.7%に達する
が、世界平均は20.7%にとどまる。2018年、国や政府の首長に就任した女性の
数は減少した。一方、同じ期間に大臣職に就いた女性の数はやや増加したが、
世界的に見ると、閣僚5人のうち4人は未だに男性が占めている。列国議会同
盟とUNウイメンが以上のデータを公表した。

【練り訳例2】
女性閣僚の比率が世界で最も高い国はスペインで64.7%ですが、全世界の平均
は20.7%となっています。列国議会同盟とUNウイメンが公表した2018年のデー
タによれば、世界レベルでは、閣僚ポストの8割を依然として男性が占めてお
り、女性閣僚は微増したものの、国家や政府の長を務める女性の数は減少して
います。

 

◆編集後記◆
アースです。
今回は(今回も)非常に長く、もはや後記とは言い難い状況となっていますの
で、お時間のあるときにどうぞ。
         ☆         ☆
我々アース&ピーチは一応、翻訳者の末席に連なっているわけですが、そんな
末席にいる我々でも、翻訳に関して許せない一線があります。

随分前のこと、タイトルに惹かれて、ある分野の翻訳書○○を購入しました。
ノンフィクション系、とだけ言っておきます。落ち着いて読みたかったので、
昨年夏の旅行に持って行き、読み始めたところ。

ひどい。これは・・ひどい。現役翻訳者の目から見て、人様に見せられる、ま
して、おカネをいただいて良いレベルの翻訳(日本語)ではない。うう。それ
でも内容的には興味深いのでがんばって読みましたが、数十ページで耐えられ
なくなり、放り出してしまいました。

その後数ヶ月経って、今度は爆発的に売れているという翻訳書△△を購入。説
明を読む限り、非常に興味を惹かれる内容だったからです。メッセージアプリ
で、こんな本買ったよ、とピーチに話している最中。
 E「ぎゃーーーーーー!!!!!!!!」
 P「何がぎゃーーーーー? Gでもいた?」
 E「例の○○を訳した翻訳者Xが△△訳してる!!!」
そのときたまたまP家にも未読の△△があり、二人して恐る恐る目を通したと
ころの感想が、
「だめだこりゃ・・・なぜ訳書というだけでこんな日本語が許されるのか。
原文が完全に透けて見えるよね」
「本当に原文スケスケ。骨格丸見え。直訳だ。練ってない。読みづらい」
うんぬんかんぬん。酷評が続きました。

そして3日前の朝。ピーチから、いま爆発的に売れているらしい□□も、翻訳
者Xの訳であると、衝撃の報告がありました。PもEも非常に心惹かれる内容
だっただけに、身もだえ。

□□は、あまり聞いたことのないA出版社が出したものですが、○○と△△は
誰もが知っている大手出版社BとC。B出版社は○○を、A出版社は○○と
△△をろくに読みもせず、売れた本の翻訳者というだけで依頼したのだろう、
もしちゃんと読んだのなら、それはただのバカだ・・と再び酷評。

全部が全部とは言いませんが、部分的に見ると、我々のメルマガで【直訳】と
して掲載している訳文にうぶ毛が生えたくらいの日本語が、何度も何度も出て
くるのです。

Amazon や Kindle のレビューはあまり当てになりませんが、理由をしっかり
説明したうえで「翻訳がひどすぎる」と☆1つにしている人が一定数いますの
で、これは我々だけの感想ではないはず。一方で、☆5つにしている人もかな
りの数に上っていて、内容そのものが素晴らしかったとしても、なぜあのよう
に不自然な日本語が「訳書」というだけでまかり通るのか、我々は頭を抱えて
います。

特にノンフィクション系では、翻訳者の力量が足りないがゆえに、下手に意訳
されるより原文が透けて見える方が内容を把握しやすくてよい、という声があ
ります。そんな声を許している翻訳業界。実に情けない。情けなさすぎる。

翻訳者X氏の本当の翻訳力は分かりません。時間をかければ、しっかりした日
本語が書ける人なのかもしれない。単に、仕事が速いから採用されたのかもし
れない。いずれにせよ、あれでヨシとしている翻訳者X、編集部、出版社。全
方面に猛省を促したい。

そして翻訳を仕事にしようとしている皆さん。現在の翻訳業界は、本当に水準
の低下が著しい。世に出回っている翻訳の一部は、決して手本にしてはいけま
せん(手本というより「この程度で大丈夫なのか」と思ってはいけない)。

もちろん、報酬の低さがこうした事態を招いている、という見方もできます。
しっかり稼げる職業なら、より多くの人が参入し、翻訳業界全体のレベルが自
然と底上げされるはずだからです。以前のメルマガ後記で、わたしはこう言っ
たことがあります。
「レートの低下もここに極まれりといった状況の通訳・翻訳業界。プロもアマ
も、能力の安売りをせず、正当な労働には正当な報酬を求めるべきである」
と。

しかし一方で、「正当な労働」をしない限り、「正当な報酬を受けることはで
きない」という当然の事実を、翻訳業界、出版業界全体で改めて肝に銘じなけ
ればならない。強くそう思います。

 

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