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 スペイン語翻訳者になろう vol.425

  おはようございます。ピーチです。
  先週号を配信後、嬉しいことがありました。カズオ・イシグロ氏の愛読者
  という方(Aさん)からメールをいただいたのです。
  このメルマガを始めて11年目となりますが、ご意見やご感想を頂くことは
  本当に稀なんです。よってたまに読者の方から反応をいただくと「ああ、
  ほんとに読んでくださっているのだなあ」と実感し、しみじみと嬉しく
  なります。
  今回のAさんはちょくねりメソッドが「どこまで練っていいか、練るべきか」
  を考える上で参考になっている、との有難いご感想をよせてくださった
  ばかりか、前号でピーチが
  「『日の名残り』が一番好きで、土屋政雄氏の翻訳は名訳中の名訳」
  と述べたことに対し、全く同意見で、
  「あまりに共感したので思わずメールさせていただきました」
  と書いて下さいました。
  しかし、このAさん、ピーチのような一介のイシグロファンとは決定的に
  違うところがあるのです。なんとAさんは、イシグロ氏の出身校に留学
  されていたご経験をお持ち!その部分を拝読したとき、我知らず
  「うむむ〜」と唸っていました。
  あ、あ、あまりに羨ましすぎる〜。
  同時代に在学していたわけではなくても、かつてイシグロ氏が思索に耽り
  ながら歩んでいた(に違いない?)そのキャンパスをAさんも・・・!
  名の知られた大学ではない(のだそうです)だけに余計、その偶然の巡り
  あわせに、イシグロ氏とAさんの間に見えないけれど確固としたご縁がある
  ように感ぜられてわくわくしました。村上春樹や絲山秋子の愛読者だからと
  いって早稲田大学に足を踏み入れると嬉しい♪とはならない(para mi)
  のは、やはり距離的な問題(早稲田は英国に比べて余りに近すぎる)なんで
  しょうか。
  それともカズオ・イシグロ氏の圧倒的なカリスマ性ゆえのわくわくなんです
  かね。
  話がそれていきそうなので元に戻しますが、Aさん、ご感想メールを本当に
  ありがとうございました!凄くうれしかったです!(許可なくこの欄に引用
  しましたことをご容赦頂ければ幸いです。ペルドネメ!)
  さて、今号も本題はともかく、アースの「皆既日食旅行記(4)」が力の
  こもった内容です。何か感想や質問などがあればお寄せいただければ、
  アースの執筆モチベーションがさらに高まる・・のではないかとピーチは
  勝手に予測しています(全然違ってたら許せ、アース)。
  このメルマガはどんなご意見ご感想もビエンベニードの姿勢でお送りして
  おります(もちろん誤訳のご指摘等も!)ので、敷居は非常に低いです。
  いつでも気楽に感想などを送って下さいね。
  あら、前書きがあまりに冗長になりすぎました。
  気分を切り替えてと本題及び旅行記に移って参りましょう。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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【皆既日食(5)】

◇本日の課題
Segun revelo' un estudio de la Universidad de Reading, en Reino
Unido, como resultado del cambio de temperatura, el aire caliente
deja de elevarse desde el suelo y provoca un cambio en la
velocidad y la direccion del viento.

【語注】
revelo'<revelar:明かす、明らかにする、示す
Reino Unido:イギリス
elevarse   :上がる、のぼる
suelo      :地面

【直訳】
イギリスのレディング大学の研究が明らかにしたところによると、温度の変化
の結果として、熱い空気が地面から上昇するのをやめ、風の速度と方向の変化
を引き起こす。

※原文はかなり乱暴な説明となっていますので、練り訳では少し工夫が必要に
  なりそうです。正確には、cambio de temperatura は「気温の低下」を指
  し、結果として、地面の温度が上昇しない→地面の上の空気が暖まらない
  →その空気が上昇しない、と言いたいのでしょう。

◇本日の課題(再掲)
Segun revelo' un estudio de la Universidad de Reading, en Reino
Unido, como resultado del cambio de temperatura, el aire caliente
deja de elevarse desde el suelo y provoca un cambio en la
velocidad y la direccion del viento.

【練り訳例】
英レディング大の研究によると、気温が低下すると地面からの上昇気流が弱ま
り、風速と風向が変化する。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ アースの皆既日食旅行記(4)
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サンノゼ空港に到着。

ジョンとサラの迎えが遅れたため、しばらくターミナルのすみっこで
過ごしていたが、そのあいだ聞こえてきたのはほとんどスペイン語だった。
大半は観光客ではなく米国在住の人々のようで、スペインのスペイン語
とも中南米のスペイン語とも違う、独特の響きが興味深い(気まぐれに
スペイン語メルマガらしいことを言ってみる)。

感動の薄い再会部分は省略する。恐ろしく緩やかなペースながら
メールをやりとりしていたせいか、実は18年ぶりだというのに、
お互いちょっと(?)老けたなぁ程度で、ほとんど感動がない。
いいのやら悪いのやら。

市内での昼食後、すぐにポートランドに向けて出発するため、今度は
サンノゼ空港の出発ロビーへ。

日食の皆既帯に近いポートランドへのフライトということで、
空港のスタッフも含めて、

「あなたも日食?」
「たのしみよねぇ〜」
「いや、あんま興味ねーし」
「せっかくだからポートランド観光しないと!」
「あ〜渋滞すごそう」
「ポートランドからずっと車が数珠繋ぎになるって誰か言ってたよ」
「仕事さえなきゃーオレも行くのによお」
「甥がちょうどいい所に住んでて良かったわ!!」
「1000万人移動だってさ。マジか」

といったような会話があちこちで交わされていたように思う。

そうしたなか、アメリカ人の中でもフレンドリー度突出のジョンは、
すぐに周りの人とうちとけて話し出す。しかもすぐに「こちら、日本人の
日食トモダチのアース」と紹介してくれちゃうので、わたしもニコニコ
笑顔をふりまかざるを得ない。

1994年のチリ皆既日食の時に知り合って、その後もカリブで一緒に日食を
見たことがあり、今回が3回目だ・・と(ジョンがうれしそうに)説明
すると、「まあステキ!」などと返す人が多いのだが、顔には『物好きな
ひとたちね・・』とはっきり書いてある。

まあいいさ。今回の日食で、あなたがたも立派な日食中毒症になること
請け合いなのだ。

機内からは、カリフォルニアからオレゴンにかけて、あちこちで山火事の
煙があがっているのが見える。山火事自体、大変な問題だけれど、いまの
我々には、日食観察にどの程度の影響があるかが問題だ。

今回の観察地は、全米でも8月の「平均雲量」が特に少ない地域から
ジョンが選んでくれた。極端な話、空全体で、きれっぱしのような雲が
一つしかなくても、それが太陽の前にある限り、日食は見られない。
だから平均雨量が少ないことはもちろん、なるべく湿度の低い地域を探す。
また一日の平均湿度が低くても、一日の特定の時間に必ず霧が出るような
地域もあるので、そういった点のチェックも必要である。

そうして選びに選び抜いた地域で待ちかまえていても、やはり曇る時は
曇るし、降る時は降る。こればかりは文字通り、お天道さま任せだ。

だが、わたしは6戦6勝の強者である。つまり6回トライして、月が
太陽を完全に隠す「皆既」の瞬間が見られなかったことはない。

2002年のオーストラリアの時は、全天で見れば「晴れ」でも、雲が
いくつも浮かんでおり、皆既の10分前に太陽が隠れて、一時はやきもき
した。だが皆既直前、奇跡のように、ほとんど重なった太陽と月が登場。

このときは非常に低い雲だったので、数km離れた場所では同じ雲が
太陽&月を隠し、そのあたりにいた人は涙をのんだらしい。このときは、
海に太陽が沈もうとする場面での日食で、いままでで最高に美しかった。

2009年に中国〜奄美大島/トカラ列島〜小笠原を皆既帯が抜けた時は、
上海から日本列島に至る広い地域を分厚い雨雲が覆い、特にトカラ列島
では暴風雨となった。だが小笠原近海にいたわたしは、快晴の空の下、
ほぼ完全な凪の海の上で、日食を拝むことができた。(言っておくが、
手漕ぎボートで太平洋に乗り出したわけではなく、定期貨客船
「おがさわら丸」を使ったツアーに参加した。海の上で精密な観測・
撮影は不可能なので、メカな人々のための下見はなかった)

ジャンケン賭事くじ引き、すべて大変に弱いわたしだが、こと日食に
かけては百発百中。人生のすべての運をここで使っているのかもしれない。
それならそれでいい、とさえ思うのである。

◆編集後記◆
(日食旅行記連載中につきお休みとさせていただき。アース)

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