« 2017年9月27日 | トップページ | 2017年10月11日 »

2017年10月4日

 スペイン語翻訳者になろう vol.422

  おはようございます。ピーチです。
  はや10月。風を切るようなスピードで日々が飛び去っていきます。
  曜日の感覚もなくなり、あやうく今号を配信し忘れるところでした、
  あぶないあぶない。
  さて、今号から特別企画として「アースの皆既日食旅行記」を掲載します。
  アースの書く文章がもともと好きではありましたが、Eclipse Chaser を
  自認するだけあって、今回の記事はいつも以上に魅力に満ち溢れていると
  思います。
  続きを読むのが楽しみでならないと感じるのはわたしだけではない
  はずです。
  ではさっそく本題および期間限定特別連載に入って参りましょう。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【皆既日食(2)】

◇本日の課題
Estados Unidos es el unico pais del planeta que tendra' la
maravillosa oportunidad de observar un eclipse solar total este
lunes. Durante aproximadamente 1 hora y 33 minutos, la sombra de
la Luna cruzara' el territorio de costa a costa por una angosta
franja de 113 kilometros.

【語注】

eclipse solar total:皆既日食
angosto:狭い
franja :帯状のもの

【直訳】
米国はこの月曜日に皆既日食を観察する素晴らしい機会を得るであろう、その
惑星で唯一の国である。約1時間33分の間、月の影が113キロメートルの狭い帯
状のところを通り、海岸から海岸まで国土を横切るだろう。

◇本日の課題(再掲)
Estados Unidos es el unico pais del planeta que tendra' la
maravillosa oportunidad de observar un eclipse solar total este
lunes. Durante aproximadamente 1 hora y 33 minutos, la sombra de
la Luna cruzara' el territorio de costa a costa por una angosta
franja de 113 kilometros.

【練り訳例】
月曜日、米国は地球上で唯一、皆既日食の観察という素晴らしいチャンスに恵
まれる国となる。月の影は、ほぼ1時間33分をかけて、米国の西海岸から東海
岸までを貫く細い皆既帯(幅113km)の上を移動する。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ アースの皆既日食旅行記(1)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

皆既日食とは、月が完全に太陽を隠す現象である。太陽が完全に隠れて
いる時間は、長くても7分。短ければ一瞬。それを見るためだけに、
地球の裏側までも足を伸ばすオバカな人たちがいる。何を隠そう(隠して
ないが)、わたしもその一人だ。

そういう病気にかかった人を Eclipse Chaser と呼ぶ。
スペイン語で何というか? 知らにゃい。

部分日食なら見たことあるよ〜あれっておもしろいよね〜と軽めの
コメントをくださる方々が多いが、わたしと同様、日食病を患い、
今回の日食にも同行してくれたジョン&サラ夫妻は、鼻息も荒く
こう言う。

「99.99%まで欠ける部分日食でも、皆既日食(100%)とは
 ぜんっぜん比べ物にならない。まったくベツモノ!!!」

わたしもこのコメントには完全同意する。今回の旅行中、アメリカ人
でも特にフレンドリーなジョンは、会う人ほぼ全員にこの話をしていた。
まるで皆既日食普及委員を自認しているかのようだ。いや、何を隠そう
(隠してないけど)わたしもそうである。

なぜみなさんに知っていただきたいか。好奇心だけは旺盛だが、滅多な
ことでは感動しないこのわたしを感動させるほど美しいから。世界で、
いや文字通り宇宙で一番きれいなものだから。

2035年には日本列島を横断する形で皆既日食が起きるけれど、
それまでに世界のどこかで何度も見る機会はある。読者のみなさん
のうち、一人でも二人でも、世界最大のイベントを直接その目で
見て、人生観が変わるほどの体験をしていただければ幸いである。

      ★     ★     ★

皆既日食についてはわりと誤解が多いので、旅行記を始める前に、
簡単に説明しておく。まず、「月が太陽を完全に隠す現象」が
皆既日食、「部分的に隠す現象」が部分日食である。

皆既日食に関してよくある疑問としては、

「日本では見えないの?」
「毎年、同じ時期にあるの?」
「(欠ける割合以外に)部分日食と何が違うの?」

の3つが挙げられる。

場所。地球上のどこでも起こり得る。今回のように北米大陸で起きる
こともあれば、太平洋上でしか見られないこともある(人間の住んで
いるところで起きるとは限らない)。

時期。そこそこ定期的には起こる。だが「だいたい数年おき」くらいの
感じだし、一年の中の時期も一日の中の時間もバラバラである。

この2つだけで、重度の日食病に罹り、Eclipse Chaser となってしまった
暁には、どれほどの苦労を背負わねばならないか、想像できるのではないか
と思う。

しかし3つめ。部分日食との圧倒的な違い。これだけで、その苦労は
報われて余りある。これについてはおいおい語ろうと思う。

天文が趣味だと言うと、9割方「ろまんちっくですねぇ〜」と言われるが、
天文というのは極めて正確かつ現実的な世界だ。実際、我が家にある
「日食リスト2050」には、2017年から2050年までに起こるすべての
日食の場所と時間が載っている。

明日の天気予報は外れても、30年先に起こる日食の時間が分単位で
分かるのだ。直前までには、場所はほとんどメートル単位、時間は
秒単位の予測が出る(理論的には何年先の日食でも予想は可能だそう。
「正確な予想」に限っても、1000年分くらいは可能だとか)。

皆既を迎える瞬間は、どこの観測地でもカウントダウンが始まることが
多いが、いままで数秒と外れたことはない。月なんてとてつもなく
でかいモノが、太陽なんてとてつもなくバカでかいものを隠す瞬間を
秒単位で予測する、しかもそれが限りなく100%に近い確率で実際に
起こるって、いったいどこが浪漫チックなんだ。と思うのである。

といいつつ、皆既日食自体はほんとうに素晴らしく感動的な現象だ。

ああ。自分の貧困な語彙がうらめしい。このように貧困な語彙でも
ええよ、という方は、来週以降も引き続き読んでいただければ
幸いである。

※なおジョン&サラ夫妻とは、1994年、チリの皆既日食の際に
知り合った。その後、1998年(カリブ海のオランダ領アルバ島)の
日食も同行。皆既日食を共に見るのは、今回が3回目である。

◆編集後記◆
(日食旅行記連載中につきお休みとさせていただき。アース)

|
|

« 2017年9月27日 | トップページ | 2017年10月11日 »