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2012年7月25日

 スペイン語翻訳者になろう vol.255

 おはようございます。アースです。
 うーむ、夏本番。
 こんぴーたがあっちっちになる季節がやってまいりました。
 基本は文字ばかりのWordやパワポ、たまにPDFを見たり、ネットで
 検索したりするだけの翻訳業ですから、グラフィックや映像をやって
 いる人と違い、PCの能力のごく一部分しか使ってないとは思うのですが、
 それでもこの時期はかなりの熱を持ちます。
 そのせいだかなんだか、最近は少々ご機嫌斜め。
 完全フリーズ!ということはないのですが、動きが遅くなったり、
 部分的にかたまったり。そういうときに限って納期30分前だったりして、
 心臓によくありません。
 仕事部屋にクーラーはないし、PC抱えて冷蔵庫に入るしかないか。
 え、PCより先におなかが冷える?

 なーんてバカな前記はこのくらいにして、
 珍しく(失礼!)しっとり落ち着いた後記に
 お進みください。
 じゃなくてまずメイン部分!!

 いよいよロンドンオリンピックの開催が近づいて来ましたね!
 本メルマガも今週からしばらく、オリンピック関連の文章をお送り
 します。左目にテレビ、右目にメルマガで、お楽しみください。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※今週からしばらく、「オリンピック関連の文章をひたすら訳す」ことを目標
  に、いつもの語注、直訳、解説等を入れず、原文と練り訳のみでお送りしま
  す。最初から2つを見比べるもよし、ご自分で訳してから参考に練り訳を見
  るもよし。あまり細部にこだわらずに取り組んでみてください。

今回は lainformacion.com というネット新聞です。スペイン代表のユニ
フォームに関する話から、1、4、6段落を取り上げます。
http://tinyurl.com/d27kvz6
(写真もあります)

◇第1段落
"Sabemos que en Espana existe una gran polemica sobre estos uniformes.
Pero desde que se ha empezado a hablar de ello en la prensa, han
aumentado las ventas", dijo Henry Hatton, dependiente de la tienda,
que afirmo' que la equipacion espanola es la mas vendida del local.

【練り訳例1】
「このユニフォーム、スペインで喧々諤々の議論なんだってね。でもそれが新
聞に載るようになってから、売上は増えてるよ」と語ったのは、ショップ店員
のヘンリー・ハットンだ。彼によると、スペイン代表のユニフォームが店の売
上げナンバー1だという。

【練り訳例2】
「スペインでは相当な物議を醸しているそうだね。それがマスコミで報道され
るようになってから、却って売上は増えているよ」。そう語るのは、その店の
店員ヘンリー・ハットンだ。彼によれば、スペイン代表のユニフォームが同店
の売れ筋ナンバーワンだという。

◇第4段落
Una de las piezas mas criticadas del uniforme, el polo rojo con
cuello amarillo y un original estampado de color negro que vale 60
libras, es curiosamente el producto que mas se esta' vendiendo en la
tienda. "Al fin y al cabo, se trata de ofrecer una imagen de marca.
En este caso, el rojo, el amarillo y el negro son facilmente
identificables con Espana. En la ceremonia inaugural, la gente lo
vera' y ya sabra' que' pais es", afirma Henry.

【練り訳例1】
ユニフォームでも特に不評なのが、60ポンドの赤いポロシャツだ。襟は黄色で
シャツ部分に独特の黒い柄が入っているのだが、おかしなことにこれが店で一
番売れている商品。「要するにブランドイメージってことだね。これで言う
と、赤、黄色、黒で、すぐにスペインだと分かるわけ。開会式でこのシャツを
見れば、どの国かすぐ見分けられるんじゃないかな」とヘンリーは言う。

【練り訳例2】
ユニフォームのなかでも特に不評なものの一つが、黄色い襟に、珍妙な黒いプ
リント柄の入った赤いポロシャツ(60ポンド)だが、不思議なことにこれが同
店で一番の売り上げを誇っているという。「結局はブランドイメージがあるか
どうかということだね。このシャツで言えば、赤と黄色と黒の組み合わせでス
ペイン代表だとすぐに分かるというわけ。開会式でシャツを見れば国名が分か
るというのが大事なんだよ」とヘンリーは語っている。

◇第6段落
Sin embargo, visitantes espanoles que entraron al local para observar
los uniformes mostraron el mismo rechazo que muchos de los
deportistas olimpicos ya han expresado via Twitter.

【練り訳例】
だがユニフォームを見ようと店にやって来たスペイン人の客らは、オリンピッ
ク代表選手の多くがツイッターで見せたのと同様の拒否反応を示した。

◆編集後記◆
ピーチです。
最近、ある私小説を映画化した作品をみました。
世間ではバブル絶頂の時期に、社会の最底辺で
みじめな生活を送る主人公の、日雇いで働き、
安い飯を食い、風俗に行き、古本屋で立ち読みし・・と
いう日々を淡々と描いたもので、下手な役者がやったら
限りなく退屈な映像となることまちがいなかったと思う
のですが、素晴らしく芸達者な役者が主人公にキャス
ティングされたおかげで、多分今年の邦画トップ5に
入るのではないかと思われるほど、地味ながら滋味
深い作品に仕上がっていました。
わたしがこの作品で1番興味を惹かれたのは、どこ
にも希望をみいだせそうもない日々を生きる主人公
がなぜか失わない「生きる力」です。
厳しい肉体労働でぼろぼろになっても、家賃を滞納
してたたき出されても、初めてできた友達に愛想を
つかされてまたひとりきりになっても、このひとは
めげないのです。
わたしは原作は読んでいないのですが、少なくとも
映画の中の彼は一度たりとも「死」を考えたりは
しなかっただろうと思います。
どんな悲惨な境遇のなかでくそまみれになろうとも、
彼はただただ生きようとするのです。束の間の
悦楽や快楽をよすがに・・。
映画で描かれていたのは彼が19歳のときの話ですが、
約20年後彼は作家となっており、大きな賞ももらいます。
その結果だけを見ればサクセスストーリーかもしれませんが、
彼は自分の人生に起きた不幸や災厄を今も少しも忘れては
いません。それどころか、今後も私小説だけを書き続けること
によってそれらを昇華しようとさえしているかに見えます。
書き続けること、それが今の彼の生きる力になっているのでしょう。
一方、わたし自身はもう長いこと「生きる原動力」のようなもの
を感じたことがない気がします。映画の中の彼のような、野生
動物さながらの獰猛な生への執着とはまったく無縁な人生です。
それはおそらく彼のように極限まで追い詰められた経験がない
(ある意味幸福な生活を送ってきた)証拠なのかもしれませんが、
あれこれと考えずとにかく「生きる」ことに必死でいられる人生に
憧憬を感じてしまうこともまた事実なのです。


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