スペイン語翻訳者になろう vol.232
おはようございます。アースです。
暖かい日々が続いていましたが、またさむっ!な空気が
日本列島にやってきましたね。
我が家の周りももうまっしろけのけどころか、そろそろ屋根の
雪下ろしが必要かと思われるほどの量になってきました。
わたしがこの(どの?)雪国に来てからかなり経ち、いまや
「雪」という予報を聞いても「雪かきめんどい」と感じるだけ
ですけれども、朝、家の外に出ると、いまだに
「あ、スキー場の匂い」
とつい思ってしまいます。
昔の曲を何度聴いても、その当時の感覚がふわっと戻ってくるもの
ですが(でもそうでない方もいるらしいですね)、匂いもまた
強烈なフラッシュバックを呼び起こしてくれるもののようです。
となると、本メルマガの記憶はいま煮ているカレーの匂いと
ともにいつかよみがえることになるのでしょうか・・・
さて、本日もきつい内容の課題に取り組みましょう。気をしっかり
もって、vamos a empezar。
※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)
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┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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【桐野夏生の文学世界(3)】※全9回です。
◇本日の課題
"Los hombres estaban aterrados de que una mujer matara a su marido",
afirma la escritora. "Era una idea muy provocadora y los hombres
japoneses se sintieron amenazados. Tampoco imaginaban que una mujer
pudiera escribir una novela tan agresiva. Para mucha gente lo mas
chocante de Out fue que hubiera sido escrita por una mujer casada
y con hijos".
【語注】
aterrados<atterar:脅えさせる、怖がらせる
matara<matar :殺す
provocadora :挑発的な
amenazados<amenazar:脅す、脅威を与える
agresiva :攻撃的な
chocante :驚くべき、奇抜な
【直訳】
「男達は、1人の女性がその夫を殺すということに脅えていた」とその女性作
家は言う。「非常に挑発的な考えであり、日本の男たちは脅威に感じた。日本
の男たちはまた、1人の女性がこのように攻撃的な小説を書けることを想像し
ていなかった。多くの人にとって、『アウト』の非常に驚くべきところは、既
婚で子どものいる女性によって書かれたということだった。
◇本日の課題(再掲)
"Los hombres estaban aterrados de que una mujer matara a su marido",
afirma la escritora. "Era una idea muy provocadora y los hombres
japoneses se sintieron amenazados. Tampoco imaginaban que una mujer
pudiera escribir una novela tan agresiva. Para mucha gente lo mas
chocante de Out fue que hubiera sido escrita por una mujer casada
y con hijos".
【練り訳例1】
「妻が夫を殺すというところに男の人たちは驚いたんですよ」と桐野氏は言
う。「いかにも挑発的に思えたのでしょう。日本の男性たちは脅威を感じたわ
けです。それに、女性作家にこんな攻撃的な小説が書けるなんて想像もしてい
なかったのではないかと思います。『アウト』で一番衝撃的だったのは、既婚
の、しかも子どもまでいる女性が書いたという事実、という人が多くいまし
た」。
【練り訳例2】
桐野氏は同書について以下のように語っている。「妻が夫を殺す、という発想
に日本の男性たちはぞっとしたんですよ。相当に刺激的ですからね。恐ろしく
なったのでしょう。一女性がそこまで残虐な小説を書けるとは思っていなかっ
たのではないですか。さらに、多くの人にとってこの本の最も衝撃的だった点
は『子持ちの既婚女性によって書かれた』という事実だったようです」。
【練り訳例3】
「妻が夫を殺すんですから、男性は慄きますよ」と桐野夏生は語る。「そのよ
うな挑発的な着想自体、日本の男性にとっては脅威的だったわけです。しか
も、そんな恐ろしい小説を書いたのが女性作家だとは思いもよらないことだっ
たのでしょう。『夫も子供もいる女性にこんな小説が書けるとは思わなかっ
た。それがこの本で一番びっくりした点だ』という声がずいぶん沢山寄せられ
ました」
◆編集後記◆
ピーチです。
不器用なうえにぼんやり屋、しかもそそっかしいと3拍子揃っている
ので、日頃から大小取り混ぜありとあらゆる失敗をしています。
そんな「失敗の見本市」のような自分を励ますこんな名言を見つけました。
Our business in life is not to succeed, but to continue to fail
in good spirits
そうですよねえ・・!
成功が人生でなすべき仕事だとしたら、わたしのような成功体験の少ない
人間にとっては、人生は辛すぎる場所となってしまいます。
「機嫌よく(めげずに)失敗し続けること」こそが生きること、
ですよねえ。。。
この名言を残したのがあの「宝島」の作者、スティーブンソンであるという
ところも fenomenal です。
同氏は多くの名言を残しており、たとえば、
「ありのままの自分でいることと、なれる自分になることは人生の
ただ一つの目標だ」
なんていうものもあります。
世にあまたある啓発本には「ありのままの自分を受け入れよ」という説と、
「なりたい自分になるべく努力せよ」という説があり、「一体どっち
なんじゃい?」と思うことも少なからずあったのですが、スティーブンソン氏
によれば「どっちも」なのですね。そう言われてしまえば、たしかにそうかも
(どちらか一方に絞る必要はないのかも)とも思えてきます。
ありのままの自分を受容しつつも、なれる自分に向かって日々失敗を
重ねながらたゆまずに進む・・そこから収穫される果実が人生の醍醐味
なのかもしれません。
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