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2010年7月14日

 スペイン語翻訳者になろう vol.171

 おはようございます。アースです。
 これまで4回にわたって「早く翻訳者になろうよ〜」という話題で
 お送りしていますが、いかがでしょうか。
 きょうはちょっと番外編ぽいですが、じつはわたしたちがいちばん声を
 大にして言いたいことかも・・。翻訳者に必要な力というテーマでは
 雑誌などでいろいろ取り上げられていますけれど、きょうの話に
 ズバリ切り込むのは本メルマガが初めて!!(にちがいない)
 なーんて大げさですが、これはほんとにほんとの話なので、本物の
 プロになる前にちょこっとだけイメージしておいてくださいね。

 それでは始めましょう!

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃  そろそろ翻訳者になりませんか?
┃      〜スペイン語であってスペイン語でない編
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

前回までに、翻訳者には本来の翻訳力はもちろんのこと、一定量の原文を
一定期間内に仕上げる能力も必要だよ、というお話をしました。

きょうはもうひとつの重要な能力についてです。

アースとピーチは、ごくまれにですがひとつの案件に共同で取り組む
ことがあります。そんなある日の会話をこっそり聞いてみましょう。

【会話A】
「ここまではわたしが担当するね。あとはお願いできます?」
「うん、大丈夫と思う。そうそう、この○○って単語、たぶん△△の意味
 だと思うんだけど、できればそちらでもちょっと当たってみてくれますか」
「りょうかい。□□のニュアンスもあるかなぁ。とにかく調査してみるね。
 あ、全体の統一はそちらでお願いできますか」
「はいはい」

【会話B】
「これってスペルミス?」
「何をどう間違えればこういうつづりになるかね」
「例によって造語かも」
「えっ。たとえば□と△をつなげたとか?どひょ〜ん!ありえる!!」
「だいたい、どう見ても動詞がないんですけど・・」
「カンマの位置もおかしいよね」
「これっていったい何語でしょうか」
「宇宙語」
「冠詞を正確に使っていただきたいものですわ」
「そーいうレベル?」
「何が言いたいのかぜんぜんわからん」
「単に自慢したいんじゃないの」
「段落の途中から話があさっての方向に行っちゃってるよね」
「すごい。スーパーミラクルスペイン語〜♪」
「さて、どう料理する?」

【会話A】は、こんな感じでするする行けばいいだろうなぁ〜という
遥かなる理想郷です。もちろんそういうケースもないではないですが、
現実に近いのは【会話B】(ちょっとおおげさですが)。

アースとピーチの能力が低いせいで、原文を読み込めないのでは
ありません。たぶん。

名詞・形容詞の男女や動詞の単複の間違い、スペルミスや筆者の勝手な
造語など、単語レベルのものはまだかわいい。頭をどうひねってみても
解釈のしようがない、文法的に間違っているとしか思えない、話の筋が
まったく通っていない等々、翻訳者泣かせの文章はいくらでもあります。

「原文が悪い」というと語弊がありますが、少なくとも「わたしたちが
学んだスペイン語とは大きく異なるスペイン語」というケースが
ままあるのです。

「キューバのスペイン語とスペインのスペイン語の違い」とか、そういう
レベルではありません(それもかなり違いますけれど)。正直言えば
悪文としかいいようのないものもあります。

ついでに言いますと、「スペイン語圏の人が書いたスペイン語ではない」
原稿もあります。「インドの人が書いたスペイン語」「ブラジルの人が
書いたスペイン語」、なんでもありです。それぞれに独特の雰囲気があり、
独特の間違いがあります。母語の文法やニュアンスそのままに押し通して
あることが多く、これまた一筋縄では行きません。

また、どれほどきれいなスペイン語で書かれていようと、たとえばプレゼン
資料などですと、それを材料にしてスピーカーが説明をするという前提で
作られていますので、内容は細切れなうえに主観が入っていることが多く、
解読にたいへん時間がかかります。

翻訳講座の課題などで出される原文は、言ってみれば「清く正しく美しい
スペイン語」。小説や報道文など、きちんと書く訓練を受けた人たちが
書いた文章が多く、「文法的におかしい」ことはほとんどありません。

そもそも「文法的におかしいもの」や「論理的におかしいもの」が
課題として出されることはほぼないといっていいでしょう。まずは
正しい文章を正しく訳せる力をつけなければお話にならないからです。

もしあなたが、翻訳講座などの課題文、または報道文や文学、本メルマガの
課題等しか訳したことがないのであれば、それは「純粋培養」であると
思ってください。そんなあなたが初めて「悪文」を目にしたとしたら、
おそらくは茫然自失。まさに「どこから手をつけていいかわからない」
状態になると思います。

でも翻訳者たるもの、いかなる原文であっても訳さねばなりません。
2人で推測し合える、文句を言い合えるならまだしも、ほとんどの
場合は1人。2階から飛び降りたくなります。

間違った単語から正しいつづりを推測し、造語を解読し、どうにかこうにか
論理をつなげ、「意味の通った日本語」にするしかありません。それが
無理なら、せめてコメントをつけて納品せねばなりません(意味の通らない
原文なんだから、意味の通らない日本語でいいじゃんと思ったりもしますが、
なぜかそれは許されない・・)。

この「悪文を読み解く能力」、かなり重要です。とくにスペイン語
翻訳では重要なように思います。それを論理的な日本語に仕上げる
(とりつくろう?)力も欠かせません。

ただし!

まだ翻訳の基礎力に不安を持っている方は、悪文と戦うのはもう少し後に
してください。文法的に正しい文章をきっちり読み解く力をつけないまま
悪文を見ると、悪文と認識できずに混乱してしまう可能性があります。

本メルマガの課題はいちおうきれいなスペイン語を載せるようにして
いますので、どうぞ練習問題として使ってくださいね(アースもピーチも
あまりに悪文に慣れ過ぎて、ときどきミスを見過ごしてますが・・)。

そこそこ翻訳ができるようになってきたかなと思う方は、ふつうの人
(たとえばそのへんのサラリーマンのおじさん)の書いた文章などを
ネットで探して読んでみるといいかもしれません。いわゆる正しくない
スペイン語に出会えること間違いなしです。

まあ、考えてみれば、日本人だってめちゃくちゃな日本語をネットでは
垂れ流していますから・・人のことは言えませんね(それはわたしたち?
う〜ん、そうかも・・)。

※今回はスペイン語→日本語のお話をしましたが、逆もまた真なりです。
 わけのわかんない日本語をスペイン語に訳さねばならない仕事もちゃんと
 ありますのでご安心下さい(?)。

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◆編集後記◆
なぜか夏を生きている実感がわかないピーチです(ドンダケアツクナレバ
ワクノジャ?)
さて、来週号から6回にわたって「アンコールシリーズ」と題し、これまでの
山のようなメルマガのなかから、こびとさんに選んでもらった記事をお届け
します。
お送りするものは、こびとさんの趣味趣向に拠りますので、お気に
召さなかった場合のクレームは我々ではなくこびとさんまで御願いします
(単なるつまらない冗談です。「"スペイン語" "翻訳者" "こびとさん"」で
検索しても答えは得られないはずですので、悪しからず)
読者の皆さんも、海水浴やらラジオ体操やら絵日記やら朝顔の観察やらで
お忙しい時期 だろうと思います(どういう読者層?)ので、夏のあいだに
スペイン語を忘れない手段・・くらいのユルイお気持ちで役立てて
いただければ嬉しいです。
では皆様、御元気で佳い夏を〜・゜☆.。.:* (^ー^)ノ~~

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