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2010年2月24日

 スペイン語翻訳者になろう vol.154

 おはようございます。ピーチです。
 諸般の事情により(これ、便利な言葉だなァ〜)、今号の配信時間が
 少し繰り下がってしまいました。
 お待ちくださっていた方々、申し訳ありませんでした。そして、
 「さてはあの2人、毎週の配信に音をあげてついに遁走したか」
 と思われた方々、ザンネンでした!
 わたしたちは逃げておりませぬ。まだ、ね(ふふ)。

 さて、今回は通常のお勉強を「いっかいやすみ」として、あるテーマ
 についての私たちの雑記をお送りします。
 そのテーマとは、先週号の編集後記で紹介した、
 特許翻訳者・水野麻子さんの新刊

  『語学力ゼロで8ヵ国語翻訳できるナゾ
       ---どんなビジネスもこの方法ならうまくいく』
                 (講談社+α新書/880円)

 です。(この本、大変好評で、発売後たちまち重版となったそうです)
 本の概要についてはこちらをご覧ください↓

 http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=272636X&x=B

 では早速始めましょう。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃  新刊紹介〜『語学力ゼロで8ヵ国語翻訳できるナゾ』のここがすごい!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改めましてピーチです。

数年前、まだわたしが「なんちゃって翻訳者」だった頃のことです(今では
「自称翻訳者」に昇格しました・・がどっちもどっちのような気も・・)。
某翻訳連盟の研究会で、まさに眠気もふっとぶような画期的な講演を聞き
ました。タイトルは「ことばとセルフイメージ形成が翻訳品質の決め手」。

そもそも、その研究会に参加しようと思ったのは、この演題に惹かれたから
だったのですが、はたしてその講演は、翻訳に関して自分がそれまで
盲目的に「常識」と捉えていた様々な偏見や先入観を、エイシャー!!と、
空手さながらに次々と気持ちよく叩き割ってくれたのです。

その講演の前と後では、翻訳者としての私は別人となりました・・タブン。
(「なんちゃって」から「自称」へ、という意味ではなく、心の持ち方が、
ですよ。そしてもちろん、肝心の翻訳の品質も確実に向上した気がします)。

そのときの講師がこの本の著者、水野麻子さん。
知る人ぞ知る特許翻訳界のエースです。

その後、水野さんと個人的にお付き合いするなかで、私は、自分が
いかに沢山の 「限界」を設けてしまっていたか、また、誰かが無責任に
つくった根拠のない「常識」に いかにたやすく振り回されていたか、
に何度となく気づかせてもらいました。

そして、そのような「縛り」から解放されることこそが、翻訳者として
「ひとかわもふたかわもむける」ために欠かせないことであり、本気で
翻訳者になろうと思っている人にとっては、翻訳学校等でスキルを学ぶ
こと以上に必要なことだと分かったのです。

今回の水野さんの御本には、そんな「無意味な縛りから解放され、
求められる翻訳者になるためのエッセンス」がふんだんに盛り込まれて
います。

さて、同書のキーワードとして私が選んだのが
 「細分化」「語学力」「専門知識」
の3つです。

これらのキーワードをもとに、本書の要点を抽出すると、

●「細分化」すれば「品質もスピードも上がる」
 (で、速度が上がれば品質も上がるんですってよ、奥様!・・と、
  ふざけているようですが、これ、ホントです)

●「語学力」と「いい仕事をするための外国語力」とは別物
 (わたしも全面的に同意見です。非常に重要な点だと思うのですが、
  語学関係者の中にもこれに気づいていない方が多いような気がします。
  具体的にどのような外国語力が必要なのかは、同書に丁寧に書かれて
  いますので要チェック!)

●「専門知識」がないと技術翻訳ができない、というのは事実に非ず。
 (「なんですと!?」とモニターに飛びつきそうになった方もいらっ
  しゃるのではないでしょうか。この点もぜひ本文を参照してみて
  ください)

本の内容についてもっと詳しく紹介しようかと思いましたが、あまり長く
なっては興醒めでしょうし、「100紹介は1読書に如かず」で、実際に
同書を読んでいただくのが一番だろうと考え直しました。なんといっても、
水野さんの文章は簡潔にして読みやすく、サービス精神旺盛なご本人の
お人柄さながらにお役立ち情報満載!ですから、「読まなきゃソンソン」
です。

実務翻訳者志望の方はもちろん、いつか翻訳者になれたらなあ、と漠然と
考えている方やすでに翻訳のお仕事をされている方にも、是非お勧めしたい
一冊です(これだけの内容がわずか880円とは・・さすが、新書!)。

ではこの辺で、アース氏にバトンタッチしましょう。
アースさん、宜しくお願いします。

            ★  ★  ★

は〜い、アースです。

なかなか時間がとれず(仕事のせいか、オリンピックのせいか!?)、
まだしっかりとは目を通していないのですが、それだけでも感じるのが
 「そう。そうなの。そうなんです!!!」
わたしなどがこんなことを言うのもオコガマシイですが、これ、本心です。

具体的な翻訳プロセスや調査方法については、特許というやや特殊な
世界の例を使っておられるところも多く(水野先生は特許翻訳者なのです
から当たり前ですが)、わたしやピーチのような翻訳者にそのまま当て
はめるべきではないかもと思える箇所もあります。

が、一方で首肯しまくり!!というところも多数。

目につく項目を拾っただけでも、ピーチと一部重なっていますけれども、
 「高い語学力という幻想」
 「覚える必要はない」
から始まって、
 「〜だからできないと言っていてはいつまでもできない」
 「仕事を細分化する」
 「スピードを上げる」、
 おまけに「家事にも応用できる」
等々・・・。

上記のそれぞれについての感想だけでメルマガが何本か書けそうですが、
きょうはとくに、ご本の後半に書かれている「発想の転換」「役割分担」の
あたりを読んで感じたことを少しお話します。

ウン年前に会社員をしていたとき、わたしはときに月間残業130時間と
いうような、いまから考えても恐ろしい激・忙し部署にいました。非常に
大掛かりなプロジェクトの端っこで、ほんの小さな、しかし極めて重要な
ものを作る部署の一員でしたので、納期は絶対の絶対の絶対。

万が一にも遅れると、半端でない数の人に迷惑がかかるという状態で、
心にかかる重圧も並大抵ではありません。

しかしそれでも仕事はこなさなければなりません。わたしの場合、そういう
究極の状態で考え出した・・というか、あとで考えればこういう「心の
持ち様」でやっていたな、というのがあります。いま、日々の仕事で
役に立っている方法の一部は、そういった精神状態の中で必要に迫られて
ひねり出したものです。

今回の水野先生のご本には、そんなわたしがそれそれ!とうなずきたくなる
箇所が多数でてきます。

平たく言えば、「高速」「大量」「正確」「高品質」を実現する方法
です(順不同)。

「どうしてそこを分ける?」「なぜそれとそれを一緒にやる?」と
つっこみたくなるような仕事の細分化・統合法、まったく畑違いの分野の
作業プロセスやスキルを応用する方法、集中力を切らしても一定の質・
スピードで仕事を上げる方法(そういう精神状態への持っていき方)等々、
常識外れといってもいいようなやり方が、いまの翻訳の仕事(とおまけに
家事)にどれだけ役に立っているか分かりません。

上記は水野先生が例示しておられるものとは少し違いますが、考え方の
根底にあるものは同じなのではないかと思います。個々の仕事の進め方は、
仕事の内容が違えば当然変えるべきものですので、問題はやはり
「発想方法」なんです。

それから、当時はなかった(!)PCを使ったスピードアップ。

これまで大勢の翻訳者志望者さんを見てきましたが、とくに機械に関しては
「やらず嫌い」、つまり先生のおっしゃる「〜だからできないと言っていては
いつまでもできない」に当てはまる人が多くいるように思います。

とくに学習段階では、短時間で処理する必要がないからか、スピード
アップの必要性を感じていない方も多いようです。しかし周辺作業に
延々と時間をかけるくらいなら(かける時間があるのなら)、一分一秒
でもいいので本筋の翻訳の質の向上に費やすべきだとわたしは常々
考えています。

先生のご本にも「マクロ」の話が載っていますが、おそらく「食わず嫌い」
の筆頭がこれなのではないかと思います。PCプログラムを書くなんて!!
としり込みする気持ちもわからないではありませんが、ワードなどには
「自動記録機能」もありますので、まずは簡単なマクロからでも使ってみる
といいと思います。

わたしが通常行なう翻訳は、水野先生のやっていらっしゃる特許とは
異なり、内容的にはほとんど繰り返し要素のないものばかりですが、
それでもレイアウトの変更や用語統一など、ルーティンワークでは
マクロに負うところ大。

先生もお書きのように、機械はバカ正直なので、間違いはありえませんし、
なにより手でやっていたら時間は果てしなくかかるわヌケはでるわで、
いいことがありません。

みなさんも一度、マクロをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
(このメルマガでも、いつかスペイン語翻訳者に役立つマクロの
初歩の初歩について書ければいいなと思っております)

と、だんだん本の紹介ではなくなってきました。細部について語り始めると
このようにキリがないのでこのへんにしておきますが、水野先生のこのご本、
他にも「速度を上げると品質も向上する」「脱・マウス宣言」などの論点も
非常に興味深く、得るところ大の方も多いのではないかと思います。

そんなこんなで皆さんにとってもとても参考になるこの一冊、
ぜひ一読して、まずは「頭の中の常識」をぶっこわしてみることを
お勧めします!!

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