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2010年2月17日

 スペイン語翻訳者になろう vol.153

 おはようございます。アースです。
 いよいよオリンピックが始まりましたね!
 スキージャンプやスケートフィギュアなど日本で大人気の種目ももちろん
 目が離せませんが、ふだんなかなか中継してくれない「スキークロス」とか
 「スノーボードクロス」を見るのがとても楽しみ。
 誰が考えたのか知りませんが、あの「くちゃくちゃ加減」がおもしろくて
 たまりません。技術なんか関係なし、運99%という感じもしますが、
 実際のところ、そんなことはないのでしょうね(あたりまえ!)。
 今回のバンクーバー五輪、寝不足厳禁を信条とする翻訳者としては
 なかなかリアルタイムで楽しむことはできそうにありませんが、
 なるべくテレビに張り付きたいと思いま〜す。

 さて、本メルマガはオリンピックとはまったく関係なく、
 ケーキの話です。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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今回は、先週学んだ  ciclo economico(景気循環)に関する短文を
訳してみましょう。

◇本日の課題
La expansion en la eurozona es la primera en seis trimestres y pone
fin a la peor recesion europea desde la Segunda Guerra Mundial.
Aunque los bancos de la eurozona no estuvieron en el epicentro de la
crisis financiera mundial, la region sufrio' al caer en picado la
demanda de bienes duraderos como automoviles y electrodomesticos.
※単純な構造ですので、いつもの構造図は省略します。

【語注】
eurozona :ユーロ圏
trimestres:四半期
recesion :景気後退
epicentro :震央
sufrio'<sufrir :苦しむ
caer en picado  :急降下する
bienes duraderos :耐久財
electrodomesticos:家電製品

【直訳】
ユーロ圏の拡大は6四半期で初めてのことであり、第二次世界大戦以来で最悪
のヨーロッパの景気後退に終止符を打つ。ユーロ圏の銀行は世界的な金融危機
の震央にいなかったにもかかわらず、その地域は自動車や家電製品などの耐久
財の需要が急降下して苦しんだ。

※ expansion は expansion economica(景気拡大)のことです。

※ la region sufrio' al caer en picado la demanda...:文中の不定詞の主
 語が主動詞の主語(ここでは la region)と違う場合には、それを後置する
 ことがあります。この文章の場合も、caer の主語は la region ではなく、
 後ろに置かれた la demanda になっています。(demanda は sufrir の目的
 語ではありません)

【練り訳案1】
ユーロ圏の景気が拡大するのは6四半期ぶりのことで、これにより第二次世界
大戦以降で最悪となった欧州の景気後退に終止符が打たれた。ユーロ圏の銀行
は世界的な金融危機の渦中にあったわけではないが、それでもユーロ圏では自
動車や家電などの耐久財需要が激減した。

※ sufrio' al caer en picado la demanda の sufrir が案外訳しにくいです
 ね。直訳のように「〜して苦しんだ」などとしてもいいのですが、経済の報
 道文としてはいささか不自然な感じがします。そこでここでは「激減」とい
 う言葉に「苦しみ」というニュアンスがあるものと考えて、「需要が激減し
 た」とまとめてみました。

 またここに出てくる sufrir は自動詞ではありますが、他動詞の sufrir に
 は「(良くないことを)経験する」の意味がありますので、al caer en
 picado が目的語と同じようなニュアンスで使われている(つまり、sufrio'
 la caida en picado...と言い換えられる)と考えてみるのもよいかもしれ
 ません。

【練り訳案2】
ユーロ圏では6四半期ぶりに景気が拡大し、戦後最大規模の景気後退に歯止め
がかかった。ユーロ圏の銀行は世界的な金融危機の波をまともにかぶらなかっ
たものの、欧州諸国では自動車や家電等の耐久財に対する需要が急激に冷え込
んでいた。

※ la region は当然ながら la eurozona(ユーロ圏)を受けています。案2
 ではこれを「欧州諸国」と訳しましたが、厳密に言うと「ユーロ導入国=欧
 州諸国」ではありませんので、文脈上誤解が生じるかなと思われるときは
 少々しつこくても「ユーロ圏」を使ったほうがいいでしょう。

 さらに言えば「ユーロ導入国」と「欧州連合加盟国」も完全一致はしませ
 ん。EU加盟国でもユーロを導入していない国、EU加盟国でなくてもユー
 ロを導入している国の両方があります。スペイン語で単に paises
 europeos と言っていても中身は様々ですので、そのあたりは注意する必要
 があります。

◆編集後記◆
ピーチです。
このメルマガでも何度か御紹介したことのある、
尊敬する友人にして、「不況知らずの超売れっ子特許翻訳者」(いま勝手に
命名しちゃいました・・)の水野麻子さんの新しい御本が、明日18日(木)
に発売となります(書店に並ぶのは数日ずれるらしいですが)。
タイトルは、

  『語学力ゼロで8ヵ国語翻訳できるナゾ
       ---どんなビジネスもこの方法ならうまくいく』
                    (講談社+α新書)

です(このタイトルを見ただけで読んでみたくなりますね!)

詳しくは以下をご覧ください。
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=272636X&x=B

この本には水野さんの翻訳品質・速度維持の根底にある考え方やテクニックが
まとめられており、彼女がフリーランスになった直後から今日に至るまで
培ってきたノウハウの集大成ともいえる一冊、となっているそうです。
言語を問わず翻訳の道を志す方、翻訳者としてさらなるステップアップを
はかりたい方、そして単に同書に興味をもたれた方、ぜひ最寄りの書店で
チェックしてみてくださいね。
なお、本メルマガの次号で、我々の感想コメントを掲載予定です。そちらも
併せてお楽しみに。

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