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2009年9月16日

 スペイン語翻訳者になろう vol.132

 おはようございます。ピーチです。
 わたしの住んでいるあたりでは、「夏が秋に今まさに襷(たすき)を
 渡さんとしている」ようなここ数日です。
 普段は「ぼ〜っとしていて、気づいたら季節が変わってた」という
 ことが多い自分ですので、ここまで如実に季節の移ろいを実感できる
 のは、ちょっと贅沢で優雅な気分がします(よろよろと力なく飛んで
 いる蚊を見ると、幾ばくかの切なさも過ぎるのですが)。

 今週の記事は、翻訳者志望者さんはもちろん、すでに翻訳者としてお仕事を
 されている方にも非常に参考になる内容だと思います。
 アース嬢のセミナーのお知らせもありますので、よろしければ最後まで
 お目通しくださいね。

 ==<もくじ>===========================
   1) ITスキルを高めよう
   2) 調査セミナーのご案内(再掲)
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┃1│  ITスキルを高めよう
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最近、次のような依頼が増えているなあと感じます。

 「原稿はパワポです。基本的に翻訳文は原文に上書きする形で入れて
  ください。ただし原文が画像になっている部分はテキストボックス
  で上から貼り付ける形で対処をお願いします。あ、文字色や背景色
  はモチロン原文通りに・・。表組みとか、レイアウトが崩れたとこ
  ろはまぁ適当にそれなりに美しく」

この文章を読んで、

 1)こんなの簡単だよ(めんどうだけど)。
 2)作業内容はわかるけど、うまくできるかなあ or やったことないなあ。
 3)「パワポ」はわかるけど、それ以降は何を言ってるのかわからん。
 4)「パワポ」ってなに?ポパイの友だち?

皆さんは以上のうちどの感想を持たれたでしょうか。4)の方は少ない
かもしれませんが、2)や3)の方は結構いらっしゃるのではないで
しょうか。

まず、「パワポ」は Microsoft 社の PowerPoint(パワーポイント)という
プレゼンテーション・ソフトの略称です。PPTと表記されることもあり
ます。同社の Office シリーズを購入するとその中に含まれています。

企業人の皆さんにはおなじみのソフト(のはず)で、これを使えば、かつて
スライドでガッチャンガッチャン、OHPで静電気と戦いながらやっていた
プレゼンを、PC+プロジェクタで簡単にできるようになりました。

アース&ピーチのセミナーで使っているのも類似のソフト(正確には
Macintosh の Keynote というソフトなのですが、機能は同じです)で、
これなしでセミナーができるとはとても思えない・・というほどの
優れものです。

長い間勤め人をやっていないので正確なところはわかりませんけれど、
企業内の文書に占める「パワポ」の割合はどんどん増えているのでは
ないかと思います。中には、これってPDF文書で十分じゃないの?
というようなものまであります(無意味に絵がくるくる回ったり、字が
躍ったり・・かえって見にくいんですけど)。

こんな状況ですから、パワポそのままの翻訳依頼が増えるのも当然です。

翻訳原稿が紙からデータに変わったときは、「Microsoft の Word に
そのまま上書きしてください」という依頼が急激に増え、そのときも
「表組みくらいはできるようにならないとまずいなぁ〜」と叫んでいた
ものですが、いまや Word や Excel をある程度使いこなせるのは当たり前。

特定の会社のソフトを当然のように指定されるのも釈然としないものが
ありますが、それを言うならコンピュータやネットだって、それがなければ
仕事はないよと言われているも同然なので・・仕方ないですね。

ともあれ。

最近ではパワポのファイルをそのまま渡され、レイアウトを崩さない
ように美しく仕上げるところまで求められることが多くなりました。実際、
先日の依頼では「レイアウトは原文と同じにたのみます。それ程大変
じゃないはずです」とあっさり言われました。あっそ。

「それって翻訳者の仕事じゃないんじゃないの?」とおっしゃる向きも
あるでしょう。しかし現実に、このようなDTPオペレータやデザイナー
まがいの?工程を含む依頼は増えています。翻訳会社の立場で考えると、
一人でなんでもやってくれれば、その後の処理が楽になるのは当たり前
ですものね。

私はそんなことをしたくて翻訳者になる(なった)んじゃな〜い!
という人がいるかもしれません。しかし現実は現実。依頼があるたびに
「レイアウトは誰か別の人に頼んでください」と言って断っていたら、
じきに仕事自体が来なくなるでしょう。

それを避けるためには? はい、「スキルを高める」、これしか
ありません。ネット上にはワード文書やパワポ文書があふれています
から、そのどれでもいいのでダウンロードして、レイアウトを崩さない
よう翻訳してみてはいかがでしょうか。

初めてのソフトで初めてのことしようとすると、びっくりするくらい
時間がかかることがあります(罫線一本を消すだけで何分も何十分も・・
とかですね)。それを翻訳と同時進行させ、納期に間に合わせるのは
絶対に無理! したがって、ほんの少しでも良いので、前もって経験して
おくことが重要です。

今回はパワポ(とワード)に限定して話を進めてきましたが、もちろん
スキルアップの必要性はこの2つのソフトに止まりません。こういった
ITスキルは本来、翻訳の実力とは関係のないものですが、持っていれば
仕事の効率がアップするのみならず、翻訳の質の向上にも必ず役立ちます。

以前、「アンテナを高く上げよう(vol.126)」でお話ししたように、
とっかかりさえつかめば、その後の知識の獲得には「加速度」がつきます
から、ITに苦手意識のある方もまずは何にでもトライするようにして
みましょう。(いずれ仕事が来たときに泣く泣く断る・・なんてことの
ないように)

※レイアウトに関しては、その分の料金を払ってくれる会社、翻訳料に含めて
 いる会社いろいろですので、どのような条件なら受け入れるかは翻訳者個人
 の判断になります。

※ Google の検索結果のうち、冒頭に [PDF]  [doc]  [PPT] などと拡張子が
 ついているものがあります。最後の [PPT] がパワーポイントのファイルだ
 よという印ですので、ダウンロードしてみるとよいでしょう(doc はもちろ
 んワードです)。

 ただしワードやパワポのファイルからはウイルス感染の危険性もありますの
 で、怪しそうなサイトからはダウンロードしない、またウイルス対策ソフト
 を完備するなどの対策だけはきっちりしておきましょう。

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2│  調査セミナーのご案内(再掲)
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アースです。

来月3日、以下のセミナーにて、わたくしアースが講師を
務めることとなりましたので、ご案内します。このメルマガの読者の
皆さんにもぜひご出席いただければと思います。申込み締切は
<9月24日>です!

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  「特許翻訳に役立つ!インターネットの活用ノウハウ
               〜翻訳の品質向上を目指して」

    開催日時: 2009年10月3日(土) 13:30〜16:45
    場所  : (株)知財翻訳研究所 分室
           (東京都新宿区新宿1-1-8 御苑高木ビル6F)
    参加費 : 8,400円(税込)
    申込締切: 2009年9月24日(木)
          ※課題は英語の文章を使用します。

        (主催:株式会社知財翻訳研究所 知財アカデミー)

 お申し込みはこちらから
 →http://www.chizai.jp/academy/seminar/TranslationResearch_J.html

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セミナー名を見ればわかりますとおり、課題は基本的に(英語の)特許文書を
使いますが、わたし自身、特許翻訳者ではありませんので、あくまでも講義の
眼目は「ネット調査」になります。

それでも

   「課題が特許なら、専門性の高い用語の調査の話ばかりに
    なるのでは?」

と思われるかもしれませんね。でも専門用語の話ならば、わたしではなく特許
専門のベテラン翻訳者さんが講師をするのが el mejor。

しかしわたくしアースが講師を務めるからには、

 ・専門用語の対訳探しだけが調査ではない
 ・「ネット調査を通じた翻訳の品質向上」の可能性は無限大(に近い)

この2つを、ひとりでも多くの翻訳者さん(のたまごさん)にわかっていただ
くことをセミナーの目標とします。

上記2点については、このメルマガでも折に触れお話ししていることではあり
ますが、文字での説明にはどうしても限界があり、何をどのようにどこまで調
査するのか、セミナーでPCとネットを使って実際にお見せできればと考えて
います。

ただし、ネット調査にも落とし穴はあります。その点についてもきちんとお話
をするつもりです。

   「それはいいんだけど、英語でしょ?」

はい、たしかにこれはスペイン語のメルマガなのに、なぜこんなところで募集
をかけるのか?

それは、「日本語に関する調査(翻訳後の言語に関する調査)」が翻訳におけ
る調査のなかで非常に大事な部分を占めていると思うからです。つまり、原文
が英語であろうがスペイン語であろうが、日本語に訳すという作業をする限
り、日本語の調査は必須、ということです。

これを読んで

    「日本人がなんで日本語の調査をするのさ?」

と思ったあなたはぜひご出席ください!

調査にも興味があるけど特許にもちょっと触れてみたい・・という方ももちろ
ん大歓迎です。

以下に、同セミナーを企画してくださった知財翻訳研究所の柴田さんからの
メッセージをお送りします。柴田さんはご自身が翻訳者として特許翻訳に
携わったあと、現在は主にチェッカーとして活躍しておられます。

以下のメッセージでは、講師としてわたしを選んでいただいた理由、そして
2008年3月にアース&ピーチで開催した調査セミナーの感想なども書いて
くださいましたので、ぜひお読みください。

お申し込みはこちらから
http://www.chizai.jp/academy/seminar/TranslationResearch_J.html

■知財翻訳研究所・柴田さんからのメッセージーーーーーーーーーーーー

今回の知財翻訳研究所・知財アカデミーのセミナーを企画しました
柴田知恵と申します。はじめまして。通常は知財翻訳研究所で英文和訳の
チェッカーをしています。

まずは、この企画を思いついた経緯をご説明します。

たまたまインターネットで目にしたのが「ちょくねりメソッド」。
まずは直訳し、次に読みやすい日本語にするという翻訳の考え方に
とても共感し、このメールマガジンを購読することにしました。

直接お話をお伺いしたいなと思っていたところ、「スペイン語翻訳者の
ためのネット調査術」というセミナーが開催されるとのこと。調査術
だからスペイン語がわからなくてもついていけるかもと思い、参加する
ことにしました。

セミナーの内容は、期待していた以上のものでした。

インターネットにはあふれんばかりの情報が詰まっていますが、信頼性の
低い情報が多く、翻訳の際にはきちんと裏付けを取って下さいという、
私が常日頃、外部の翻訳者さん(英和)たちに伝えたい思いを論理的に
かつ明快に説明して下さっていて、とても感激しました。

また、課題を通して、私自身、訳文が日本語として不自然であることに
気づいていないということも実感することができました。

今ではインターネットで調査するのは当たり前ですが、安易な訳語の
選択という落とし穴にはまってしまう危険性も同時に高まっています。

特に英和翻訳の場合、ネット上に数多くの英和辞書が公開されています。
そんな恵まれた環境にある英和翻訳者にこそ、ネット調査の危うさを
しっかりと伝えたいと考え、思い切ってアースさんにセミナーをお願い
したというわけです。

スペイン語がちんぷんかんぷんな私でもとても勉強になった「スペイン
語翻訳者のためのネット調査術」。その講師であるアースさんが弊社
セミナーの講師をつとめて下さいます。

英和翻訳者を対象としていますが、もちろんスペイン語翻訳者さんでも
十分ためになるセミナーですと自信を持っておすすめします。

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皆さんとお目にかかれることを楽しみにしています!!!

お申し込みはこちらから
http://www.chizai.jp/academy/seminar/TranslationResearch_J.html

◆編集後記◆
アースです。
東京ではないのですが、恐竜関係の催し(?)を見に行きました
(広く、そして果てしなく浅いわたしの趣味のひとつが恐竜です・・)。
スペイン語とはぜんぜん関係なさそうな世界ですが、学名には
スペイン語の親とも言えるラテン語が使われますので、見ていると
なかなかおもしろいです。
たとえば有名な「ティラノサウルス(Tyrannosaurus)」の
「ティラノ」はスペイン語でも tirano(暴君、専制君主)、
「サウルス」は saurio(トカゲ類)です。「暴君のトカゲ」という
意味ということですね。
この言葉通り、足が速くてどう猛だったという学者さんもいるし、
けっこうのろくて死肉ばかりあさっていたという学者さんもいて、
想像力をあっちこちに刺激されます。恐竜界はまだ日々研究がぐいぐい
進んでいる世界なので、毎年のように新しい学説が発表されて、本当に
おもしろいです。
あ、スペイン語との関係を語っていたのでした。そういうわけで
学名を丹念に見ていくと、意味するところが案外わかるので、
おもしろいですよ。(とってつけたみたいなまとめ方?)

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