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2009年8月5日

 スペイン語翻訳者になろう(アンコールシリーズ 第3回)

  7月22日から5週にわたり、本メルマガのバックナンバーから
  記事を厳選してお届けしています。既読の方も新たな気持ちで
  読んでくださいね。
                  アース&ピーチ

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┃  紙の辞書を引こう その1
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電子ツール全盛の時代に、いまさら何を?と思われるでしょうか。
しかしここで声を大にしていいます。

 「できることなら紙の辞書を使え!」

と。

紙の辞書は重いしかさばるし、足の上に落とすと痛いし、手あかで汚れるし
かびるし、表紙が取れるし、中身は破れるし……でいいことがありません。

どこのメーカーであれ、西和・和西辞典の入った電子辞書が出たときに
飛びついて買った方は多いでしょう。軽くて小さいのに加え、電子辞書では、
ジャンプができる、成句検索や例文検索ができる、複数辞書の横断検索が
できる…などなど、紙では考えられなかった様々なことができるように
なりました。

しかしなにより、電子辞書の良さは「引くスピードが速い」この一言に
尽きますよね。

紙の辞書では、ページをめくるうちにスペルを忘れ、また原文を見ては探し、
やっと探し当てたころにはその単語がどういう文脈で出てきていたかを忘れ、
また原文に戻り、また辞書に戻ってふさわしい語義を探し…という作業を
延々と続けることになります。

でも電子辞書では、原文を見ながらキーボードの上で指をヒラヒラさせる
だけで、あっという間に目的の語にたどり着くことができます。

いまのところ、電子化されているのは白水社の『現代スペイン語辞典』と
『和西辞典』だけのようです。あ、そうそう、私たちの作った『スペイン語
経済ビジネス用語辞典』も忘れないようにしましょう。ウフ。

・・・したがって、その他の小学館や研究社などの辞典は、昔と同じように
紙をペラペラとめくって調べることになります。

電子辞書に慣れた者にとっては、これが途方もなくめんどうくさい。それは
確かです。この便利さを置いてまで紙の辞書を使えと言うからには、
よくよくの理由があるはず。はい、あるんです。
きょうはそのひとつめについて。

●複数の辞書を引く気になる
紙の辞書しかない状態ならば、ひとつ引くもふたつ引くも大して変わらず、
けっこうな割合で複数の辞書を引く気になります。西西や西英も含めると、
たったひとつの単語やイディオムを調べるのに、5冊以上引く、という
ことさえあります。

でも電子辞書に慣れると…「これ」というのに出会えなくても、
紙の辞書を引くのが億劫で、つい「まあいいや」とそこで止まって
しまうことがあります。

これ、非常によろしくない状態なのです。

このメルマガの vol.22 と vol.23 の「西和辞典は万能選手にあらず」で
言いましたように、西和辞典に載っているのは「原義そのもの(その語の
エッセンス)」というよりは、「訳の候補」です。

それも各社それぞれに工夫した分け方をし、工夫した語義や例文を載せて
いますから、一社の辞書を引くよりは、複数の辞書を引いたほうが、
「ピンと来る」語義に出会える可能性が高いのです。

それに、たくさんの「訳の候補」を見るということは、周辺部からその語の
「エッセンス」にどんどん近づいていく、ということ(ここで「スペイン語と
日本語の単語は、一対一で対応しているのでは決してない」という話を
思い出してください)。

日本語そのものではないけれど、なんとなくその語から立ち上る雰囲気と
いいますか、その語のニュアンスを感じることができる瞬間があります。
そこですかさず西西辞典を引いたりすると、さらに合点が行くわけです。
「おおっなるほど!」

このプロセス自体は、ある文章を翻訳するに際して、必ずしも必要なものとは
言えないかもしれません。ここまでやる時間のないときもあるでしょう。

でも特に学習者の皆さんは、なるべくならやっていただきたい。

ある日本語を見て、その類語が花火のスターマインのごとく頭の中にバカスカ
打ち上がる人はいいですけれど、だいたいは苦しむ人が多いですよね。
それなのにひとつの辞書だけ(つまり少ない訳の候補)で済ませてしまうと、
「貧しい」翻訳文になってしまうかもしれません。貧しいだけならまだしも、
文意が通らなくなる可能性さえあるのです。

なにより、「その語のエッセンス」を感じるというこのプロセスは、外国語の
学習過程では非常に大事だと私は考えています。

次回は紙の辞書を使う理由、その2です。

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