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2009年8月2日

 スペイン語翻訳者になろう(アンコールシリーズ 第2回)

  7月22日から5週にわたり、本メルマガのバックナンバーから
  記事を厳選してお届けしています。既読の方も新たな気持ちで
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                  アース&ピーチ

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【何を調べるの? その2】

前回は、「調査対象」の簡単な例として、辞書に載っていない人名の
読み方を挙げました。それ以外に調査が必要な言葉も、基本的には
西和辞典に載っていないものです。

例えば、地名、書籍名、社名・組織名、映画名。「同時多発テロ」の
ような歴史的事件名。あるいは、言語辞典には載っていない様々な分野の
様々な専門用語。

最新のドキュメントを扱っていれば、「将来は西和辞典に載りそうだが、
いまはまだ載っていない新語」に出会う可能性もあります。
(これを見つけるとうれしいんですよね〜)

こういった「ひとつのスペイン語に対するひとつの日本語」を探すケース
以外にも、調査には様々な種類があります。

例えば一国の政治体制や、行政区分などを調べることがあります。
翻訳するのにそんなことが必要なのかと思われるでしょうか。

presidente del Estado といったら、なんでしょう。まず間違いのない
訳としては「国家元首」ですが、presidente del Estado, Hu Jintao と
あったら、やはり「胡錦涛国家主席」と訳すべきですよね。

もし presidente del estado espanol だったら?そう、「スペイン首相」
です。(あまりこう言われることはないようですが)

これが中国とスペインだからすぐにわかりましたが、あまりなじみのない国の
場合には、その国が議院内閣制なのか、大統領制なのか、あるいは日本語での
定訳などを調べてからでなければ、きちんと訳すことができません。

単に Congreso と言った場合も、グアテマラなら一院制ですが、米国なら
ご存知の通り上下両院の両方を指します。

ほんの少し見ただけで、これだけ調べるべきことがでてきました。
しかもこれらは、基本中の基本です。

翻訳する文章の種類にもよりますが、実際に私たちが仕事をするうえで、
かかった時間の半分以上が調査のためだったということも少なくありません。
頭から湯気が出そうになり(たぶん出た)、画面に向かって毒づくことも
今までに数知れず…。

でも、実は調査というのはかなり楽しいです。私の場合、はっと気がつくと
自分の興味のままに調査が進んでいたということも(それって調査?)。

体はこの部屋にいますが、頭の中はネットに入り込んで、あるときは
スペイン国会に、あるときはメキシコ湾の深海底に、あるときは
アルゼンチンのガソリンスタンドに、あるときはコロンビアの小さな会社の
オフィスに……いつも心は世界旅行。

なあんてフラフラばかりもしていられない。来週は調査に使うツールについて、
少しお話しようと思います。

※来週からのアンコールシリーズは、「紙の辞書」の重要性について
 3週にわたってお送りする予定です。お楽しみに!
                     アース&ピーチ

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 スペイン語翻訳者になろう(アンコールシリーズ 第1回)

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【何を調べるの? その1】

先回このコーナーでは、「翻訳するのに調査は必須」ということを
お話しました。ではいったい、何をそんなに調べる必要がある
のでしょうか。

まずはわかりやすい例を紹介しますので、トライしてみてください。

El presidente chino, Hu Jintao, se entrevisto' en marzo de
2003 en Beijing con el primer ministro paquistani'
Zafarullah Khan Jamali.

もーっ、半分はスペイン語じゃないじゃん!と腹が立ってしまうほど
ですが、この文章には presidente chino と paquistani' という大ヒントが
隠れていますから、解決はそれほど難しくありません。

そう、Hu Jintao は中国の胡錦涛国家主席、Zafarullah Khan Jamali は
パキスタンのザファルッラー・カーン・ジャマリ首相ですね。(ただし
2003年当時。パキスタン首相はすでに交替しています)

ついでに言うと、Beijing は「北京」です。

たったこれだけの文章でも、まったく何も見ずにすらすらと訳せた人は
ほとんどいないのではないでしょうか?新聞を見るなり、ネットで検索する
なり、とにかく何らかの資料にあたったはずです。

これこそが「調査」です。

なーんだ、それならいつもやってるよ!と思われたかもしれません。
そう、これが調査の基本です。

今回の場合、
  Hu Jintao   Beijing   Zafarullah Khan Jamali
の3つは、西和辞典に載っていない言葉でした。だから仕事であっても
原文のまま納品すればいいかというと…それはもちろん許されません。

ごくまれに、原文の固有名詞はそのまま残しても良いという条件で翻訳が
できることもありますが、ほとんどの場合は漢字にせよ、カタカナにせよ、
とにかく日本語にする必要があります。

つまり、なんとかして翻訳者の側で解決せねばならないということです。
それが「調査」であり、実は翻訳プロセスのうちのかなりの部分を
占めています。

一方で、例えば日本ではその存在さえ知られていない小さな会社の
中国人社長などになると、依頼元からの情報がない限り、どうひっくり
かえっても調べようがありません。

そういうものを無理に調べようとするのは、時間の無駄。調べがつくか
つかないか、そのあたりを見分ける「嗅覚」も必要になりそうです。

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