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2009年7月15日

 スペイン語翻訳者になろう vol.128

 おはようございます。ピーチです。
 夏ですねえ〜。年々暑さに強くなっている(ようである)私、
 「なぜ皆、あんなに『暑い、暑い』いうのだろう?」
 と、頭上に疑問符を5つほど踊らせております。
 とはいえ夏休みシーズンですし、本メルマガも「夏バテ対策省エネモード」
 に入ることにしました。
 来週号から5回にわたって「アンコールシリーズ」と題し、これまでの
 メルマガから厳選した(?)5記事をお届けします。
 読者の皆さんも、行楽や家族サービスやお盆等でお忙しい時期だと思います
 ので、お時間があればお付き合いください。

 さて、今回は前号でスタートした新シリーズ「経済ワードをスペイン語で
 学ぼう」のちょくねり篇です。
 また、編集後記ではアース氏からとても大切なお知らせがあります。
 最後の一行まで、ゆうるりとお目通し下さいね。

 では早速入っていきましょう。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 経済ワードをスペイン語で学ぼう【ちょくねり篇】
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回は、先週学んだ inflacion というワードの入った短文を
訳してみましょう。

◇本日の課題
La inflacion se desacelero' en abril, pero la variacion de los
precios se mantiene en un nivel elevado, golpeando mas fuerte
a Venezuela y Argentina.
※単純な構造ですので、いつもの構造図は省略します。

【語注】
se desacelero'<desacelerarse:減速する
variacion:変動、変化
precios :(複数形で)物価
golpeando<golpear:打つ、たたく

【直訳】
インフレ率は4月に減速したが、物価の変動は、ベネズエラとアルゼンチンを
より強くたたきながら、高い水準に維持されている。

【練り訳案1】
インフレ率は4月には低下したものの、依然として高い水準にあり、なかでも
ベネズエラとアルゼンチンに強い打撃を与えている。

※ variacion de los precios が直前の inflacion を言い換えたものである
 ことに気付くかどうかがか、この文章を手際よく料理できるか否かの分かれ
 道です。たとえ気がついたとしても、原文そのままに「インフレ率」「物価
 の変動」と訳すと、両者は違うことを言っているのでは?と読み手に感じさ
 せてしまう可能性があります。したがって se desacelero' も se mantiene
 も主語は同じ inflacion であると考え、訳出の際には主語は一度出すだけ
 にしておくのが良さそうです。

※ la inflacion se desacelero' は直訳では「インフレ率が減速」となって
 いますね。スペイン語の意味合いとしては、例えば1月に9%、2月に
 8%、3月に5%などと数字が減っていくことを指していますので、練り訳
 でも「減速」としても良さそうです。しかしネットで信頼のできそうなサイ
 トを調査してみると、日本語では、「インフレ率が減速」という表現はそれ
 ほど使われておらず、このような文脈で圧倒的に多いのは「低下」という言
 葉であることが分かります。このように日本語表現にあたっても、ネット調
 査をするなり、日頃から新聞を注意して読むなりして、「ある程度専門知識
 がある人が読んでも違和感を感じない文章」の作成を心がけることをお勧め
 します。

 また案2では文意をくんで、原文にはありませんが「前月より」という言葉
 を入れてみました。

【練り訳案2】
4月にインフレ率は前月より低下したが、いまだ高水準で推移している。とり
わけベネズエラとアルゼンチンでその傾向が強い。

上記2案以外にも訳し方(表現方法)はいくらでもあると思いますので、
ご自分でも挑戦してみてください。

◆編集後記◆
アースです。
史上最高に短かった先週の編集後記を埋め合わせるため(?)、
きょうは「調査セミナー」のお知らせをさせてください。

今年10月3日、以下のセミナーにて、わたくしアースが講師を
務めることとなりました。

☆「特許翻訳に役立つ!インターネットの活用ノウハウ
                〜翻訳の品質向上を目指して」

         (主催:株式会社知財翻訳研究所 知財アカデミー)

お申し込みはこちらから
http://www.chizai.jp/academy/seminar/TranslationResearch_J.html
(申込締切は9月24日(木)です)

「特許翻訳に役立つ」と謳ってはいますけれども、わたし自身、特許
翻訳者ではありませんので、あくまでも講義の眼目は「ネット調査」です。

それでも「特許」というと、すごく専門的で理系の文章が多くて・・と
高いハードルを感じてしまう人が多いかもしれませんね。確かに専門性
ということで言えば、その他の翻訳との差は大きいでしょう。

しかし翻訳者にとっての高いハードルは、むしろ「専門用語以外」の調査
なのではないかと思います。専門用語は、適切なサイトを知って、そこを
適切に使うことのできるスキルがあれば、見つかることが多いからです。

しかし「それ以外」の調査では、このメルマガでも何度かお話ししてきました
ように、まずは「調査すべきことに気がつくか否か」という点から問題に
なります。さらには適切な検索ワードを選択したり、大量にある検索結果から
適切なワードを拾い上げるテクニックなども必要になります。

今回のセミナーでは、「専門用語の対訳探し」だけでなく、そういった部分
についても重点的にお話をするつもりでおります。したがって特許翻訳
関係者さんに限らず、ネット調査全般に興味がおありの方は、ぜひ参加して
いただきたく思います。

http://www.chizai.jp/academy/seminar/TranslationResearch_J.html

こちらにわたしからのメッセージが載っていますので、よろしければ
ご覧くださいね。

ただし今回は、英語翻訳をメインにしておられる知財翻訳研究所さんの
主催ですので、対象言語は「英語」になります。でも、翻訳における調査の
重要性を語るときに、言語の違いはあまり問題になりません。英語翻訳など
考えたこともないという方にも必ず役立つ内容にするつもりです。

事前課題のサンプルが上記のページにありますので、ぜひご覧ください。
(このうち、特に和英の課題は英語との接点がほとんどない方には難しく
感じられるかもしれませんが、和英課題は「希望者のみ」ということに
します。講義のメインは「日本語訳」です)

いずれにしてもまだ3ヶ月も先の話ですので、まずはお知らせまで。
興味を持たれた方は、いまのうちから10月3日のスケジュールを空けて
おいてくださいね(もちろんお申し込みも大歓迎〜。申込み締切は
<9月24日(木)>です)。

史上最高に長い編集後記、これにて終了です!


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