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2009年6月3日

 スペイン語翻訳者になろう vol.122

 おはようございます、アースです。
 きのう、近所の人から長さ30センチほどもある「朴葉(ほうば)」を
 もらいました。岐阜県などでは「朴葉味噌」というのが有名らしい
 ですが、その朴葉です。朴の木(ほおのき)の葉っぱ。
 これもらってどうするん?と思ったら、「ほうばめし」というのを
 作るとおいしいよ、と。
 きなこ(+砂糖+塩)を朴葉に乗せて、その上にご飯、その上に
 またきなこ。一度包んで、もう一枚の葉でさらに包む。ちょっと
 置いたらできあがりです。
 開いてみたところが、ただの「きなこごはん」。でも口に入れると、
 朴葉の香りがほんのりとただよってきて、なんとも上品な味に
 仕上がっていました。
 朴の木(ほおのき)は日本全国に自生しているらしいので、皆さんの
 お宅の近くにもあるかも。Wiki によると殺菌作用があるみたいなので、
 ちょっと変わったお弁当にいいかもしれませんよ。

 さて、先週、限定10冊ということでお知らせした製本版教材の
 追加お申込み受付は完了致しました!!ご購入いただいた方、
 ありがとうございました。
 注文が間に合わなかった方、ごめんなさい!内容の同じPDF版を
 ご購入いただくか、あるいはいつになるかわかりませんが、次回の
 製本版販売を気長〜にお待ちくださいませ。

 それでは本題に入りましょう。きょうは「新型インフルエンザ」に関する
 文章を使ったちょくねりです。
 後半ではラテンアメリカ・ドキュメンタリー上映会のご紹介も
 ありますので、どうぞご覧くださいね。

 ==<もくじ>===========================
   1) 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
   2) ラテンアメリカ・ドキュメンタリー上映会のご案内
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃1│ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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◇本日の課題
El gigante farmaceutico Sanofi Aventis anuncio' hoy su disposicion
a trabajar en la busqueda de una vacuna contra el virus de la gripe
porcina detectado en Mexico para evitar el desarrollo de una
pandemia.
※単純な構造ですので、いつもの構造図は省略します。

【語注】
gigante   :巨人
farmaceutico:製薬の
disposicion :(+a+不定詞)〜する意向
busqueda  :探索、追求
vacuna   :ワクチン
gripe porcina:豚インフルエンザ
detectado<detectar:検出する
pandemia  :パンデミック

【直訳】
製薬の巨人サノフィ・アベンティスはきょう、パンデミックの進展を避けるた
めに、メキシコで検出された豚インフルエンザのウイルスに対するワクチンの
探索において活動するという同社の意向を発表した。


【練り訳案1】
製薬大手のサノフィ・アベンティス社はきょう、パンデミックを防ぐため、メ
キシコで検出された豚インフルエンザ・ウイルスに対応するワクチンを開発す
る用意があると発表した。

※ su disposicion a trabajar en la busqueda de una vacuna のあたりが難
 しいですね。直訳はとりあえず原文を正確に引き写すことを目指すので、
 「ワクチンの探索において活動するという同社の意向」などと冗長な表現に
 なっていますが、trabajar en la busqueda de una vacuna の部分は要する
 に「ワクチンを開発する(開発に努力する)」ということです。

※ desarrollo が案外厄介です。「(パンデミックの)進展」などと
 desarrollo のもともとの意味でとると、日本語としてはいまひとつ。一歩
 踏み込んで「(パンデミックの)拡大」や「(パンデミックの)発生」など
 とするのも、原義から外れる感じがしますし、日本語でもそのような表現は
 ほとんどされていません。そもそも「パンデミック」というのは「限られた
 期間に、ある感染症が世界的に大流行すること」だそうですので、「(感染
 症の)発生、進展、拡大」のいずれの段階も含んでいると考えれば、el
 desarrollode una pandemia のかたまりを、「パンデミック」とまとめて訳
 してしまうのも1つの方法です。

【練り訳案2】
大手製薬メーカーのサノフィ・アベンティスが本日発表したところによると、
同社はメキシコで見つかった新型インフルエンザ・ウイルスのワクチン開発を
行い、パンデミックの防止に尽力する意向とのことである。

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┃2│ ラテンアメリカ・ドキュメンタリー上映会のご案内
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さる5月25日、アース&ピーチさん主催「スペイン語翻訳上級者向けワーク
ショップ」に関西より参加させていただきました武田と申します。

今月16日(火)、明治学院大学の国際平和研究所主催で行われるラテン
アメリカのドキュメンタリー上映会についてご紹介します。どなたでも
ご参加いただけますので、お気軽にお越しください。

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  PRIME Cinema Cafe 第4回 映像で知るラテンアメリカ

      「おんなの言葉」
      「消えた家族たち‐コロンビアの記憶」

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上映される上記2作品は、今年行われた

  「第4回女たちの映像祭・大阪2009」(主催「波を作る女たち」)

に出品された作品です。

ラテンアメリカの「今」を政治暴力の被害者、特にフェミニストの視点から
描いています。どちらも30分以内の短い作品ですが、大きなメディアでは
うかがい知ることのできない現状が垣間見えます。

サンディニスタ政権の頃からニカラグアの動向を見つめてきたレコムの
新川志保子さん、今回上映されるコロンビア作品の字幕を担当された
明治大学教員仮屋浩子さんの解説がつきます。

  日時 :6月16日(火)18:30-20:30(字幕・解説あり)

  会場 :明治学院大学 白金校舎白金校舎 3号館 3203教室

  → http://www.meijigakuin.ac.jp/access/shirokane/
   (JR 品川駅・目黒駅よりバスで約10分、
    東京メトロ 白金高輪駅・白金台駅・高輪台駅より各徒歩約7分)

  解説 :新川志保子さん(日本ラテンアメリカ協力ネットワーク)
      仮屋浩子さん(明治大学教員)

  参加費:無料、事前申込み不要 

  主催 :明治学院大学国際平和研究所

【作品紹介】

     『おんなの言葉』(原題:Palabra de Mujer)
  ソレダー・ベラ監督 2007年スペイン(日本語字幕あり) 25分

中米ニカラグアで、サンディニスタ民族解放戦線が政権をとった後、進歩的
なはずの新政府は、人工妊娠中絶を禁止した。女性の人権や解放より教会や
右派政党の立場を支持したのだ。これに対し、女たちは独自のラジオ局を立
ち上げ、女性の自立と権利を求めて声をあげはじめた。
                 (解説:「波をつくる女たち」提供)

  『消えた家族たち‐コロンビアの記憶』(原題:A la Memoria)
  カレン・ロア監督 2007年コロンビア(日本語字幕あり) 27分30秒

1984年に解放闘争が終わったかに見えたが左派政党UP(愛国統一党)が誕生し
た。その後20年間で5000人にものぼるUP党員や支援者が政府側に殺された。
演劇をとおしてその虐殺の生存者と遺族の精神の回復に取り組む活動を描き、
政府の罪を告発するドキュメンタリー。

                 (解説:「波をつくる女たち」提供)

        ☆        ☆        ☆

今回の明治学院大学での上映会に先立ち、大阪と京都でも春先に同様の上映
会が開催されました。これを企画したのはわたくし武田と関西在住の友人た
ちです。きっかけは日本ラテンアメリカ協力ネットワーク(通称レコム)と
いうNGOのメンバーで行っているスペイン語の翻訳ワークショップでした。

レコムやこの翻訳ワークショップについてはまた別の機会にご紹介させてい
ただきますが、ラテンアメリカの社会問題に興味をもつ者同士が定期的に集
まって勉強したり(飲んだり?)、メーリングリストなどで情報やアイデア
交換をする中で生まれた企画です。

関西ではメキシコの児童買春問題を追ったドキュメンタリー作品『エデンの
園の悪魔たち』とあわせて3本立ての上映会でした。大阪では西成にあるコ
ミュニティカフェCOCOROOM、京都ではラテンアメリカのジェンダー
問題を研究されている松久玲子先生のご支援により同志社大学今出川校地が
会場となりました。

宣伝不足もあり、関西での上映会の参加者は決して多くはなかったのですが、
参加してくださったラテンアメリカ地域研究者や市民メディアの専門家の
方々から議論を誘発するような興味深いコメントが出され、密度の濃い集ま
りとなりました。また、上映会への参加をきっかけにわれわれの翻訳ワーク
ショップに参加してくださった方もおり、上映会をつうじてこうした新たな
つながりができたことも収穫のひとつでした。

関西のメンバーで東京での上映会企画まではさすがに手が出ないところだっ
たのですが、われわれの動きを受けて「東京でも上映会をやりたい」とレコ
ムの新川志保子さん(当日の上映会では彼女が解説者のひとりとなります。
翻訳ワークショップの発起人でもあります)が尽力され、今回の上映会実施
の運びとなりました。

もうひとりのコメンテーター仮屋浩子さんは、ラテンアメリカ研究と演劇研
究がご専門とのことです。今回の上映作品のひとつは政治暴力のサバイバー
や遺族によるトラウマからの回復のための演劇ワークショップに焦点を当て
たもので、この作品の字幕作成も手掛けられた仮屋さんからはきっと研究者
ならではの斬新なコメントが伺えるのではないかと思います。

参加費無料、事前申し込みも不要ですので、興味をもたれた方はぜひ奮って
ご参加ください。


◆編集後記◆
ピーチです。
初心にかえろうと思い(?)、ラジオのスペイン語講座を聞いていたら、
 Me cobra?
という表現が出てきました。その解説で、講師のF先生が
「コブラ?毒ヘビのこと?それにメがついているから
 メスの毒ヘビ?・・と思われたでしょうか?」
というようなことをおっしゃっていて、思わず笑いました。
(F先生のユーモアセンス、最高です)
それで思い出しましたが、わたしが初めてスペイン語に出会ったとき、
 Habla espanol.
という文章についてスペイン人の hermana が、
「油みたいですねぇ。でも油のことじゃないんですよ」
とコメントされたのを聞いて、単純なわたしは、
「アブラだって!スペイン語ってなんて面白いの」
と感じ、もっと勉強したい(瞳キラキラ・・)と思うようになったのです。
言葉を習得したいと望むきっかけとは、そんなささやかな
ところからやってくることもあるのじゃのう、と思います。
さて、前記スペイン語講座のあと、流れてきたのは中国語講座。
何気なく聞いていると、中国人と思しき講師(陽気な御仁)が、
中国語の短文を読みあげて、その日本語訳の選択肢を3つほど挙げ、
正解を選ばせる、という簡単なテストを行なっていました。
わたくし中国語は全く分かりませんし、読み上げられた中国語文は日本語から
類推できるもの(たとえば「チャウハオ」は炒飯とか)ではなかったのに、
なぜかすんなり正解を選べてしまいました。
というのはですね、その先生、選択肢を読むとき、正解の文章を明らかに
高い声音で強調して発音していたんです・・。
それじゃあ、誰だってわかりますって、先生。
テストの意味があるんでしょうか、先生。
そんなあなたが好きです、先生。
やはり言葉は気楽に、楽しんで学ばなくちゃ!ですね。
(おあとがよろしいようで)

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