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2009年5月20日

 スペイン語翻訳者になろう vol.120

 おはようございます、アースです。
 先日、自分としては初めての分野の翻訳4枚を頼まれ、冷や汗を
 だ〜だ〜流しながらやっとの思いで仕上げました。
 わたしは短期決戦が好きなので、「1枚を可及的速やかに」とか「数枚を
 1、2時間で」などという依頼は大歓迎なのですが、さすがにまったく
 初めての分野で4枚だけぺら〜んというのはきつかったです(情報量が
 少なすぎるので、かえって多い方がいいのです)。
 自分にとって不案内な分野の場合は、調査をするにも限界があり
 ますし、いつまでも抱え込んでいては翻訳会社に迷惑をかけるばかり
 なので、適当なところで納品しましたが・・。このあたりの見極めは、
 いつまで経っても難しいです。
 最近は「いつもの分野」ばかりやっていたので、久々のこの感じ、
 気が引き締まりました。

 さて、きょうも先週にひきつづき、「キーワード」をお届けします。
 きょうのワードも一筋縄ではいきませぬよ。

 また「スペイン語翻訳解説書」製本版の申込みは<本日が締切>です!!
 明日からはPDF版しかご購入いただけなくなりますので、紙の本を
 手に取りたい方はいますぐお申し込みを!(本メルマガ後半をごらん
 ください)

 それでは始めましょう。

 ==<もくじ>===========================
   1) きょうのキーワード 【problematico】
   2) 実例を見てみよう
   3) 「スペイン語翻訳解説書」製本版発売のご案内(再録)
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃1│ きょうのキーワード 【problematico】
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回は、形容詞 problematico を取り上げます。

西和辞典をひくと「問題のある、問題の多い、疑わしい、厄介な」等の
訳語が上がっています。いずれも、おなじみの名詞形 problema から
労せずして想像がつく訳語ですので「楽勝!」と思われた方も多いのでは
ないでしょうか?

しかし、例えば

El problematico futuro de las librerias independientes sera el tema
del debate.

という例文を挙げられたらいかがですか?

「独立系書店の問題ある未来が・・」と訳しかけて、「問題とは何だ?」と
分からなくなり、口元まで出かかった「らくしょ〜」のセリフを、慌てて
ごくりと飲み込んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

problematico が訳しづらくなるのは、動詞の補語となっている場合よりも、
上記例文のように名詞に直接かかる形容詞として用いられているケース。
それは、後者の場合には、名詞にまつわるさまざまな背景情報(ともいうべき
もの)がたった1語の形容詞 problematico に背負わされているためでは
ないか、と思われます。

一言に「問題のある」と言っても、「どんな種類の問題」であるのかは千差
万別ですよね。そのあたりの「problematico 加減(?)」を日本語に
反映させる必要があるならば・・結構手ごわいと思いませんか?

上記の例文

El problematico futuro de las librerias independientes sera el tema
del debate.

に即して解説すれば、「独立系書店の問題ある将来が討議のテーマとなる
だろう」でも通じないことはありません。しかし、独立系書店にどういう
問題があると言っているのか、前後の文章などから読み取ってそれを
何らかの形で訳文に反映させることができれば、読み手にとっては
ぐっと理解しやすい文章になるのではないでしょうか。

たとえば、独立系書店の経営基盤が脆弱であることを問題視した記事である
ならば、「独立系書店の今後の経営不安が討論のテーマだ」や「フラン
チャイズ傘下にない独立系の書店の脆弱な将来像について議論がなされる
だろう」などの訳が適当な場合もあるでしょう。

ただし言うまでもないことですが、文章によっては、辞書の語義そのままに
「問題ある」などと訳してもまるで支障がないケースもあり、毎回上記の
ように「問題」の中身を反映させなければならないわけではありません
(逆から言えば、反映させた方がいいのは、そうしないと訳文が不明瞭になる
場合です)。そのあたりはよく見極めるようにしてください。

では、次のコーナーで、実際の用例を見ていきましょう。

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┃2│実例を見てみよう
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇Se explico' la problematica clausula del articulo 45 de la
 Constitucion.
 問題の憲法45条について説明がなされた。

◇El profesor hizo incapie en el problematico tema del consumo de
 energia.
 教授はエネルギー消費という厄介なテーマを強調した。

◇Christian Brando, el problematico e hijo mayor del famoso actor
 Marlon Brando, ha muerto a los 49 anos.
 マーロン・ブランドの長男でトラブルメーカーだったクリスチャン・ブラン
 ドが49歳で亡くなった。

※ここでは problematico の前か後に hombre や hijo などの名詞が省略され
 ていると考えられます。それにしてもこの problematico の訳し方には困り
 ますね。実際この人は、妹の恋人を射殺したり、DVで有罪判決を受けた
 り、アルコール及び麻薬の矯正施設への入所を命じられたりと、相当波乱に
 富んだ人生を歩まれたようです。そのあたりを斟酌して、ぴったり来そうな
 表現を考えてみてください。そして自信作を思いついたら、ぜひお知らせく
 ださい!

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3│ 「スペイン語翻訳解説書」製本版発売のご案内(再録)
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

わたしたちは昨年5月、日本初?の本格的なスペイン語翻訳解説書
『スペイン語実務翻訳講座〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力を
つけよう』をPDFファイルでのダウンロード方式で発売いたしました。

おかげさまで同書はご購入者からご好評をいただき、発売後1年が
経とうとしている今も御注文をいただき続けております。他方、

 「PDFでなく、本の形でまとまったものはないのですか?」
 「自分で印刷するのがちょっと面倒で・・製本してもらえれば
  購入したいのですが」

といったお問い合わせやご希望もいくつか頂いておりました。
そこで今回はそうした声にお応えしようと、期間限定で簡易製本版を
作成することにいたしました。

   『スペイン語実務翻訳講座
      〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力をつけよう』
          ーー 簡易製本版 ーー

       ・A4サイズ・130ページ
       ・定価6000円(税・製本代・送料込)
       ・予約受付 <5月20日(水)まで>
       ・5月下旬以降に順次発送開始

上記にありますとおり、<5月20日まで>の期間限定でご予約を
お受けし、5月下旬以降に発送を開始いたします!

以前、本メルマガで本教材の内容についてお知らせいたしましたが、
改めて詳細について知りたいという方は、こちら

http://espanol-traduccion.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/23/index.html
(本メルマガの第73号です)

をお読みくださいね。また

http://pie.vc/textbook/index.html

からは内容のサンプルがご覧いただけます。また御利用者のご感想も
こちらで紹介しておりますので、ご参考にしてみてください(この
アドレスでPDF版の申込み受付も引き続き行っております)。

最後に、執筆者である私たち2人からのメッセージです。

【アース】
ずばり、「こんな教材いままでなかった!」・・と思います。たぶん。
そもそも翻訳教材というものが(英語を含めて)世の中にはほとんどない
ですし、しかもここまで懇切丁寧に説明してくれているものって、ない!
です。

自分たちで作ったからこそわかるのですが、なぜ今まで世の中に存在
しなかったかというと、「作るのが途方もなくたいへんだから」というのも
理由のひとつなんじゃないかなあと。わたしたちも、おそらくイチから
考えて書いたのであれば途中でほっぽりだしたでしょう。

けれどこの教材では、実際に行った講座で受講生の皆さんががんばってくれた
その血と汗と涙(?)の結晶を材料に解説を書きましたので、わたしたちは無論
大いに助かりましたし、なにより学習者の皆さんにとっての視点を適切に
反映できたのではないかと思います。つまり
「私はこれがわからないのに、別のとこの説明ばっかじゃん!!」とか、
「そこを飛ばして説明しないでおくれ〜!」
・・という状態に陥る可能性がかなり回避できているような気がします。
このように「かゆいところに手が届く」翻訳解説書、ぜひご購入を
検討くださいね。

【ピーチ】
じつは、わたし、この教材の製本版(試作品)を今ここに持っております。
ページをパラリラしながら、改めて
「う〜ん、いい本だなあ」
と、我が子の出来の良さに目を細めるバカ親の気分満喫中〜♪
・・などという阿呆トークはさっさと箒で掃き清めまして、もしどこかの
誰かから
「同書の素晴らしい点を2つだけ挙げよ」
と命じられれば、わたしはたぶんこう答えると思います。

1)「すごく重要な点なんだけど、教える側にとっては説明しづらいし〜、
 できれば避けたいのぅ」という部分に敢えて真っ向から立ち向かい、
 可能な限り懇切丁寧な説明を試みている点(気分は、水車に突進する
 ドン・キホーテ?)。

2)日本語をとことん吟味し尽くしている点。
 たとえば、dividir という割と単純な動詞ひとつとっても、「分類する」
 「区分する」「区別する」「分ける」「分断する」「分裂させる」等の
 訳語候補を上げ、日本語の微妙な違いに着目しながら、文脈や文法から
 みて一番適当な訳語を徹底的に検証しています。

 実際の仕事は「納期:短、分量:多」が殆どで、一語一語をじっくり
 検証する暇などありませんが、学習段階ではできるだけ時間をかけて
 日本語を考え抜くことで、精度が高く読みやすい訳文を作るための
 基礎体力がつき、それが実践(仕事)にもろに生きてくるのです(これ、
 日々痛感しておりますので事実ですよ)。

 この教材をお読みいただければ、「日本語表現を考え抜くことが
 訳文の完成度にどれだけ影響するか」を改めて実感していただけると
 思います。

 PDF版は今後も販売を続けますのでPDFでお求めいただくのも
 結構ですが、「やっぱり、本の形態が好き!」という方(結構いるの
 では?)はぜひこの機会をご利用ください。

 ■■予約方法■■

 以下のフォームにご記入のうえ、メール本文にコピー&ペーストして
 espanol_traduccion@yahoogroups.jp までお送りください(迷惑メール防止の
 ため、@を全角にしています。送信の際には半角にして送信ください) 。
 折り返し、振込先などの詳細を記したメールをお送りいたします。

--[▼申込みフォーム]----------------------------------------------

 『スペイン語実務翻訳講座〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力を
 つけよう』に申し込みます。

 ご氏名:
 ふりがな:
 送付先郵便番号:
 送付先ご住所:
 お電話番号:
 メールアドレス:
 ご注文冊数:

----------------------------------------------[申込みフォーム▲]--

◆編集後記◆
ピーチです。
セミナーが今週末に迫っています。当然私たちの準備も佳境に入って
いますが、やればやるほど新たな発見があって(この期に及んでそんなもの
あっていいのか?)、 依然気を抜けない状況です・・とはいうものの、
われわれのキャラゆえか、切迫感や焦燥感はないのですが。
それはそうと、先週目を患い、病院で治療を受けた際、まず点眼液の
ようなもので麻酔をされました。
「これ、効くの?」と思いつつも、注射針を目に刺されるのは怖いので
「液でよかった」と思ったのですが、その麻酔、どこまで効いていたのか
(あるいは、いなかったのか)、その後の処置はかなり痛かったです
(゜゜・(>д<;)・゜゜・。 と、絵文字好きでない自分が思わず絵文字に
頼ってしまうくらい)。
アース姫は、注射針で目に麻酔をされて非常に怖かったことがあるそう
なのですが、「怖くても処置は痛くない」のがいいのか、「処置は痛いけど
怖くない」方がマシなのか、怖がり痛がりのわたしとしてはひじょ〜に
悩みます。(もちろん、点眼タイプの麻酔がばっちり効く場合も多々ある
のでしょうけれどね)

最後になりましたが、教材の製本版、本日20日(水)23:59まで
受け付けております。
ご希望の方はお忘れなくお申し込みくださいませ。
では、セミナー参加者の皆様、週末にお目にかかりましょう!
メルマガ読者のみなさまとは、また来週(=´ー`)ノ〜
(まだ居座る絵文字の亡霊)

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