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2009年5月13日

 スペイン語翻訳者になろう vol.119

 おはようございます、ピーチです。
 現在私たちは、来週末に迫ったセミナーの準備を大車輪で
 行なっております。
 その過程でフル活用しているのが、このメルマガでもおなじみの
 「ちょくねりメソッド」。 プロの看板を掲げている私たちでも、
 誤解釈や誤訳をする可能性は十二分にありますから、万全を期そうと
 思えば、「ちょくねりメソッド」の第一ステップの「直訳」が
 欠かせなくなります。
 この場合、「頭の中で直訳してみる」だけでは不十分で、「文字に
 置き変えて視覚的に確認する」ことがポイント!(そうでなければ、
 「直訳をもとにして練り訳を作る」ことなど不可能ですしね)。
 「ちょっと自信がないな」と思ったら直訳のひと手間をかけてみることで、
 最終的な訳文の精度が200%上がる・・と言っても過言ではないと思います。
 とくに実務翻訳者(を目指す方)にとっては、どこかの段階で
 このメソッドを体得しておけば、将来大きな財産になること間違い
 なしです。
 その「ちょくねりメソッド」をフル活用した翻訳解説書のお申込みを
 現在受付中です。
 ≪PDF版≫と≪製本版≫がありますが、≪製本版≫の方は今回きりの
 期間限定版ですので、ご希望の方はこの機会をお見逃しなく!
 ≪製本版≫のお申し込み締切は今月20日です。詳しくはこのメルマガの
 中ほどをご覧ください。

 さて、今号はひさびさの「キーワード」です。
 polemico という、どちらかというとマイナーな単語を取り上げて
 みました。
 例文ではまたしてもパリス・ヒルトン嬢が登場で
 「ピーチとアース、一体どんだけパリス好き?」
 と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは por casualidad
 であって我々には同嬢に対する好悪の感情は特段ありません
 (・・・弁解する必要もないことですが)

では、早速入ってまいりましょう。

 ==<もくじ>===========================
   1) きょうのキーワード 【polemico】
   2) 実例を見てみよう
   3) 「スペイン語翻訳解説書」製本版発売のご案内(再録)
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃1│ きょうのキーワード 【polemico】
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今回は、形容詞 polemico を取り上げます。

西和辞典をひくと「論争を引き起こす、議論好きの、争点の、問題の」
といった訳語が並んでおり、用例としては、polemico articulo(物議を
かもしそうな記事)、tema polemico(論争点)などが挙げられています。

しかし、この形容詞、文脈によっていろいろな訳し方ができるため、
辞書に載っている語義をそのままあてはめていたのではうまくいかない
ことも結構あるのです。よって、翻訳経験の浅い方には少々手ごわく映る
かもしれませんね。

でも慣れてしまえば大丈夫。慣れるには、辞書を熟読するだけでは不十分
ですので、とにかく数多くの実例に目を通す・・これが一番の早道だと
思います。

ちなみに、私たちの経験では、この語は「論争を引き起こす」や
「問題の」の意味で使われることが圧倒的に多く、「議論好きの」という
実例にはほとんどお目にかからないような気がします(私たちが実務
翻訳者であるためそうなるのかもしれませんが)。

そのあたりの感覚も、沢山の実例に当たることでつかめてくるはず
ですので、労を惜しまず、手を動かしてみましょう。

次の「実例を見てみよう」のコーナーで実例をいくつか挙げてみますが、
ご自分でも検索を利用して様々な用例を探してみてください。また、
polemico と非常に似た意味と用法を持つ controvertido という
形容詞もセットで覚えておくといいと思いますので、controvertido の
用例も一つ挙げておきます(なお、これらの形容詞の動詞形は
polemizar と controvertir で、ともに「論争する」の意味です)。

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┃2│実例を見てみよう
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇El tema del salario siempre es polemico.
給料の話題はいつでも論争の的となる。

◇La polemica Paris Hilton lanzo' su nueva linea de extensiones para
 el cabello.
・何かと話題のパリス・ヒルトンが、ヘア・エクステの新シリーズを発売し
 た。
・お騒がせセレブのパリス・ヒルトンが、ヘア・エクステンションの新ライ
 ンを立ち上げた。

※2つめの訳例について。原文には「セレブ」にあたる語はありませんが、パ
 リス・ヒルトン嬢を形容する表現として世間では「お騒がせセレブ」が定着
 しているようですので、補足してしまっても問題はないものと考えて入れま
 した。もちろん「お騒がせパリス・ヒルトンが〜」でも結構です。

◇Miss Mina Antipersona es el polemico concurso que premia con una
 protesis.
・「ミス対人地雷」は賞品として義足が授与される、話題騒然のミスコンだ。
・問題の「ミス対人地雷コンテスト」では、義足が賞品となっている。
・賞品として義足が授与される「ミス対人地雷」は賛否両論あるミスコンだ。
・「ミス対人地雷」は賞品として義足がもらえるミスコンで、物議を醸してい
 る。

※これら4つの訳例はそれぞれニュアンスも受ける印象も異なりますので、
 「いったいどれが正しいのだ?」と思われるかもしれませんね。要は、この
 文章がでてくる記事全体を読み、論旨の流れや、記事の書き手がこのミスコ
 ンをどう評価しているか、社会でこのミスコンがどう受け止められているか
 等の周辺情報を把握することで、文脈にしっくりなじむ訳し方が変わってく
 るということです。従って、上記の4つの訳例は、「文脈によっていかよう
 にも表現できる無数の訳文のほんの一部」と受け止めてください(それはこ
 の次のメリッサの例文についても同様です)。

◇La actriz espanola protagoniza la version cinematografica de la
 controvertida novela autobiografica de Melissa.
・そのスペイン人女優は、物議を醸しているメリッサの自伝的小説の映画版で
 主役を演じる。
・そのスペイン人女優は、メリッサが書いた話題沸騰の自伝小説を映画化した
 作品に主演している。

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3│ 「スペイン語翻訳解説書」製本版発売のご案内(再録)
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

わたしたちは昨年5月、日本初?の本格的なスペイン語翻訳解説書
『スペイン語実務翻訳講座〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力を
つけよう』をPDFファイルでのダウンロード方式で発売いたしました。

おかげさまで同書はご購入者からご好評をいただき、発売後1年が
経とうとしている今も御注文をいただき続けております。他方、

 「PDFでなく、本の形でまとまったものはないのですか?」
 「自分で印刷するのがちょっと面倒で・・製本してもらえれば
  購入したいのですが」

といったお問い合わせやご希望もいくつか頂いておりました。
そこで今回はそうした声にお応えしようと、期間限定で簡易製本版を
作成することにいたしました。

   『スペイン語実務翻訳講座
      〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力をつけよう』
          ーー 簡易製本版 ーー

       ・A4サイズ・130ページ
       ・定価6000円(税・製本代・送料込)
       ・予約受付 <5月20日(水)まで>
       ・5月下旬以降に順次発送開始

上記にありますとおり、<5月20日まで>の期間限定でご予約を
お受けし、5月下旬以降に発送を開始いたします!

以前、本メルマガで本教材の内容についてお知らせいたしましたが、
改めて詳細について知りたいという方は、こちら

http://espanol-traduccion.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/23/index.html
(本メルマガの第73号です)

をお読みくださいね。また

http://pie.vc/textbook/index.html

からは内容のサンプルがご覧いただけます。また御利用者のご感想も
こちらで紹介しておりますので、ご参考にしてみてください(この
アドレスでPDF版の申込み受付も引き続き行っております)。

最後に、執筆者である私たち2人からのメッセージです。

【アース】
ずばり、「こんな教材いままでなかった!」・・と思います。たぶん。
そもそも翻訳教材というものが(英語を含めて)世の中にはほとんどない
ですし、しかもここまで懇切丁寧に説明してくれているものって、ない!
です。

自分たちで作ったからこそわかるのですが、なぜ今まで世の中に存在
しなかったかというと、「作るのが途方もなくたいへんだから」というのも
理由のひとつなんじゃないかなあと。わたしたちも、おそらくイチから
考えて書いたのであれば途中でほっぽりだしたでしょう。

けれどこの教材では、実際に行った講座で受講生の皆さんががんばってくれた
その血と汗と涙(?)の結晶を材料に解説を書きましたので、わたしたちは無論
大いに助かりましたし、なにより学習者の皆さんにとっての視点を適切に
反映できたのではないかと思います。つまり
「私はこれがわからないのに、別のとこの説明ばっかじゃん!!」とか、
「そこを飛ばして説明しないでおくれ〜!」
・・という状態に陥る可能性がかなり回避できているような気がします。
このように「かゆいところに手が届く」翻訳解説書、ぜひご購入を
検討くださいね。

【ピーチ】
じつは、わたし、この教材の製本版(試作品)を今ここに持っております。
ページをパラリラしながら、改めて
「う〜ん、いい本だなあ」
と、我が子の出来の良さに目を細めるバカ親の気分満喫中〜♪
・・などという阿呆トークはさっさと箒で掃き清めまして、もしどこかの
誰かから
「同書の素晴らしい点を2つだけ挙げよ」
と命じられれば、わたしはたぶんこう答えると思います。

1)「すごく重要な点なんだけど、教える側にとっては説明しづらいし〜、
 できれば避けたいのぅ」という部分に敢えて真っ向から立ち向かい、
 可能な限り懇切丁寧な説明を試みている点(気分は、水車に突進する
 ドン・キホーテ?)。

2)日本語をとことん吟味し尽くしている点。
 たとえば、dividir という割と単純な動詞ひとつとっても、「分類する」
 「区分する」「区別する」「分ける」「分断する」「分裂させる」等の
 訳語候補を上げ、日本語の微妙な違いに着目しながら、文脈や文法から
 みて一番適当な訳語を徹底的に検証しています。

 実際の仕事は「納期:短、分量:多」が殆どで、一語一語をじっくり
 検証する暇などありませんが、学習段階ではできるだけ時間をかけて
 日本語を考え抜くことで、精度が高く読みやすい訳文を作るための
 基礎体力がつき、それが実践(仕事)にもろに生きてくるのです(これ、
 日々痛感しておりますので事実ですよ)。

 この教材をお読みいただければ、「日本語表現を考え抜くことが
 訳文の完成度にどれだけ影響するか」を改めて実感していただけると
 思います。

 PDF版は今後も販売を続けますのでPDFでお求めいただくのも
 結構ですが、「やっぱり、本の形態が好き!」という方(結構いるの
 では?)はぜひこの機会をご利用ください。

 ■■予約方法■■

 以下のフォームにご記入のうえ、メール本文にコピー&ペーストして
 espanol_traduccion@yahoogroups.jp までお送りください(迷惑メール防止の
 ため、@を全角にしています。送信の際には半角にして送信ください) 。
 折り返し、振込先などの詳細を記したメールをお送りいたします。

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 『スペイン語実務翻訳講座〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力を
 つけよう』に申し込みます。

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◆編集後記◆
ド田舎在住者アースです。
なんと、気がつけば、今年はまだ一回も県外に出ていない!
考えてみるとわたしはものすごい引きこもり生活を送っている
のですが、もともと独立独歩の性格なせいか、あまり支障が
ありません。
それでもいちおう都会育ちですもので、ときどき無性に町の
雑踏に足を踏み入れたくなります。だから来週末のセミナーでの
上京がとても楽しみ。
セミナーで受講生の皆さんに会うのもとても楽しみです!
さ〜がんばって準備せねば。
まずは美声を磨くところから・・(うそ)。

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