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2009年4月29日

 スペイン語翻訳者になろう vol.118

 おはようございます、アースです。
 極端に寒くなったり暑くなったりの変なお天気が続いていますが、
 みなさま風邪などお召しではないでしょうか?
 わたしはこのアホさ加減が奏功してか?風邪は何年もひいたことが
 ないのですが、気管支の具合がいまいち・・早く気温が安定して
 ほしいものです。

 さて、本日のメルマガも盛りだくさんで参ります。
 2ヶ月にわたってお送りしてきました「おくりびと」はついに最終回。
 すべてあわせても普通の新聞記事の半分にしかならない量を、よくも
 まあここまで丁寧にやったものよ・・と我ながら(我々ながら?)
 思います。GWのあいだにでもぜひ通して見直してみてくださいね。

 そして5月のセミナーは、明日30日の23時59分59秒で申し込み
 受付を終了します!ご興味のある方はきょう明日中にご検討くださいね。
 初心者向けのセミナーでは、「おくりびと」のさらに上をゆく丁寧さで
 講義をお届けすることになるかと思います。また上級のほうは残席僅少と
 なっておりますので、ご希望の方は今すぐどうぞ!詳細は本号の中ほどを
 ご覧ください。

 最後は先日の臨時号でもお知らせいたしました「スペイン語翻訳
 解説書」の製本版発売のご案内です。

 それでは、れっつらご〜。

 ==<もくじ>===========================
   1) 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
        〜翻訳初心者さんのためのちょくねり練習講座〜
   2) 「スペイン語翻訳セミナー」のご案内
   3) 「スペイン語翻訳解説書」製本版発売のご案内
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃1│ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
┃ │  〜翻訳初心者さんのためのちょくねり練習講座〜
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回の課題文は、前の7号(第111〜117号)に続く文章です。それらを
ざっと見直してから、今号に取り組むことをお勧めします。

【「おくりびと」(8)】

◇本日の課題
A diferencia de sus homologos en muchos paises, los empleados de
funerarias o 'noukanshi' realizan la preparacion del cadaver en
presencia de la desconsolada familia.

※単純な構造ですので、いつもの構造図は省略します。

【語注】
A diferencia de...:〜とは異なって
empleados     :従業員
funerarias    :葬儀社
cadaver      :遺体
en presencia de...:〜のいる前で
desconsolado(a)  :悲嘆に暮れた、絶望した

※ homologos は「同じ地位の人、同業の人」で、Presidente de Espana
 (スペイン首相)の homologo といえば他の国の大統領や首相を指し、
 例えば
    El Presidente Zapatero se reunio' con
               su homologo mexicano, Calderon.

 のように使います。このスペイン語を直訳すれば「サパテロ首相は彼と同じ
 地位にあるメキシコ人のカルデロンと会談した」のようになりますが、もち
 ろんこれでは日本語としてはおかしいので、「サパテロ首相はメキシコのカ
 ルデロン大統領と会談した」などと言い換える必要があります。

 今回の文章の場合、homologos は「納棺師と同業の人」になりますが、少な
 くとも欧米では「納棺を専門に行う職業」はないだろうと思いますので、直
 訳では「納棺師と同じ仕事をしている人」などとしておき、あとは練り訳の
 段階でよりふさわしい言い回しをすればよいでしょう。

※ empleados de funerarias o 'noukanshi':この o は「または」ではな
 く、「つまり」、「言い換えれば」の意味です。小学館の西和中辞典には
 Corrieron diez millas, o unos dieciseis kilometros.(彼らは10マイ
 ル、すなわち約16キロ走った)という用例が載っています。

◇本日の課題(再録)
A diferencia de sus homologos en muchos paises, los empleados de
funerarias o 'noukanshi' realizan la preparacion del cadaver en
presencia de la desconsolada familia.

【直訳】
多くの国における彼らの同業者とは異なり、葬儀社の従業員、すなわち「納
棺師」は、悲嘆に暮れる家族のいる前で遺体の準備を行う。

※直訳では A diferencia de...から原文通りの語順で訳しましたが、

 A diferencia de sus homologos en muchos paises,
    <<los empleados de funerarias o 'noukanshi>> realizan...

 のうち、sus はその後の <<  >> で囲った部分を指しますので、練り訳で
 は <<  >> の部分を A diferencia de sus homologos より先に訳した方
 がはるかに分かりやすい文章となります。

【練り訳案1】
葬儀社の従業員である「納棺師」は、多くの国の同業者とは違って、悲嘆に暮
れる家族の前で遺体を棺に納めるための準備を行う。

※練り訳にあたってのポイント※
1) sus homologos は直訳すると「(納棺師の)同業者」つまり「納棺師」
 を指していることになりますが、直訳解説でも言ったように、諸外国には日
 本の「納棺師」にあたる職業はおそらくないものと思われますので、練り訳
 案1の「納棺師は、多くの国の同業者とは違って」という訳にやや違和感を
 感じる人がいるかもしれませんね。その場合の代案として、案2のように
 「同業者」という言葉を使わずに済ませる方法もあります。ただその場合
 は、他国と日本との対比であることがはっきりするように、原文にはありま
 せんが「日本の」という言葉を入れるといいと思います。

2)原文では los empleados de funerarias o 'noukanshi' と o(すなわ
 ち)という言葉を使って2つの言葉をつないでいるので、「葬儀社の従業
 員」が全員「納棺師」であるようにも読めてしまいますね。この記事を書い
 た人は日本における事情を知らないため、このようなスペイン語となったの
 かもしれませんが、私たち日本人としてはそのあたりに誤解が生じないよう
 に訳す必要があります。練り訳ではいろいろと工夫していますので、参考に
 してください。

【練り訳案2】
他の多くの国の場合と異なり、日本では葬儀社のスタッフとして働く「納棺
師」が、悲しみに打ちひしがれた遺族の面前で遺体を棺に納める準備をする。

なお前回と同様、【超練り訳案】を2つ最後に載せておきます。原文とこれら
の訳文を一語ずつ対照させて見ると、「原文から離れ過ぎているのでは・・」
という感想を持つ人もいらっしゃるかもしれません。でも、一歩下がって全体
を見渡してみてください(木を見ず森を見る感じ)。「原文が全体として伝え
たかったこと」と「訳文」とが、ちゃんと重なっているように感じられません
か?・・とはいえ、「翻訳」においてはいつでもこのような技巧的な訳し方を
しなければならないというわけではありません。「文章の流れや訳文の雰囲
気、読者層、訳文が掲載される媒体などによってはここまで練る必要が生じる
こともある」ということです。つまり、どういう訳文が求められているか、と
いう「相手のニーズ」を正確にキャッチし、それに的確に応えた訳文を作り上
げることがポイントになるのです。そのポイントをおさえた訳文こそが、まさ
に「西文和訳」ではない「翻訳」といえるのではないでしょうか。

【超練り訳案1】
外国ではあまりみられない日本特有の習慣として、「納棺師」として働く葬儀
社スタッフが、悲愁に満ちた遺族の前で納棺の儀式を執り行うというものがあ
る。

【超練り訳案2】
葬儀社職員の身分を持つ「納棺師」は、悲しみに沈む遺族を前に「故人の旅立
ち」の準備を行なう。この儀式は諸外国の葬儀社が行うことのないものであ
る。

※実際の映画の中で主人公が「それでは只今より 故人様の安らかな旅立ちを
 願いまして納棺の儀、取りおこなわせて頂きます」といいながら儀式を始め
 ていたそうですので、その台詞を踏襲する形で「故人の旅立ち」という言葉
 を使ってみました。

★「翻訳初心者さんのためのちょくねり練習講座」は今回でとりあえず終了と
 なりますが、原文を一語一語日本語に引き写しただけの【直訳】から、全体
 として原文の言わんとするところを伝え、しかもネイティブの日本人が読ん
 で違和感を感じない【練り訳】に至るまでのプロセスを大体理解していただ
 けたのではないかと思います。

 本メルマガに載せた「練り訳案」はいずれも可能性のごく一部。翻訳者が10
 人いれば、10種類どころか100種類の訳文ができ上がることだってあるはず
 です。皆さんもぜひ挑戦してみてくださいね。

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┃2│ 「スペイン語翻訳セミナー」のご案内
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

先日からお知らせしております5月末の翻訳セミナーの申込み締切は
<30日の23時59分59秒>となっております。参加ご希望の方は
お早めにどうぞ!!

  ◎5月23日(土)
   「翻訳初心者のためのちょくねり翻訳講座」
    (13:00 〜 16:30)

  ◎5月24日(日) <残席僅少>
   「スペイン語翻訳上級講座〜西文和訳から“翻訳”へ」
    (10:00 〜 12:30)

 詳細・お申し込みはこちら→http://www.pie.vc/course/index.html

  【申込締切】
   2講座とも4月30日ですが、定員に達し次第、締め切りと
   させていただきます。

  【開催場所】
   東京都中央区です。具体的な場所は、参加者に直接ご連絡
   いたします。

※内容について詳しく知りたいという方は、11日にお送りした臨時号
 (http://tinyurl.com/cmannb)をご覧ください。

※24日(日)午後の上級者向けワークショップに関しましては、定員に
 達しましたので 募集を締め切らせていただきました。

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┃3│ 「スペイン語翻訳解説書」製本版発売のご案内
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アース&ピーチ著のスペイン語翻訳解説書『スペイン語実務翻訳講座
〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力をつけよう』の製本版発売に
ついてご案内いたします。

   『スペイン語実務翻訳講座
      〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力をつけよう』
          ーー 簡易製本版 ーー

       ・A4サイズ・130ページ
       ・定価6000円(税・製本代・送料込)
       ・予約受付 <5月20日(水)まで>
       ・5月下旬以降に順次発送開始

上記にありますとおり、<5月20日まで>の期間限定で予約をお受けし、
5月下旬以降に発送を開始いたします。

以前、本メルマガで本教材の内容についてお知らせいたしましたが、
改めて詳細について知りたいという方は、こちら

http://espanol-traduccion.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/23/index.html
(本メルマガの第73号です)

をお読みくださいね。また

http://pie.vc/textbook/index.html

からは内容のサンプルがご覧いただけます。また御利用者のご感想も
こちらで紹介しておりますので、ご参考にしてみてください(この
アドレスでPDF版の申込み受付も引き続き行っております)。

 ■■予約方法■■

 以下のフォームにご記入のうえ、メール本文にコピー&ペーストして
 espanol_traduccion@yahoogroups.jp までお送りください(迷惑メール防止の
 ため、@を全角にしています。送信の際には半角にして送信ください) 。
 折り返し、振込先などの詳細を記したメールをお送りいたします。

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 『スペイン語実務翻訳講座〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力を
 つけよう』に申し込みます。

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◆編集後記◆
ピーチです。
長らくお送りしてきたセミナー告知も今回で最後となります。
最近はそうでもないのですが、以前わたしはかなりさまざまなセミナーに
参加していました。
今思い返すと、そのなかで記憶に残っているもの、出てよかったな、と
思えるものというのは、例外なく、セミナーで出会った人たち(講師や
他の受講生)と良い時間を過ごせたものでした。
(正直言えば、そういった講座の中には、セミナーの内容自体は全く
思い出せないものもあります)
そして私が現在深く付き合っている友人たちの相当数が、実はセミナーで
知り合った人たちであることにたった今気づき、びっくりしております。
5月の私たちのセミナーでも、参加者の皆様が良い出会いをされ、
数年後振り返った時に
「あのセミナーに出てよかった」
と思っていただけるといいなと思います。
・・あ、もちろん、セミナーの内容についても忘れてしまわれないことを
祈りますけれどね。

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