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2009年4月22日

 スペイン語翻訳者になろう vol.117

 おはようございます。ピーチです。
 東京は新宿西口駅前生まれの私でも、
 「都会で生きるのはしんどいのう。。。」
 と思うことがままあります。
 先日は、電車が急ブレーキをかけた際、望まずして近くの男性の
 ほうへ倒れかかったところ、さっと身を引かれてしまい、危うく
 不様にひっくり返るところでした。

 「もし吾輩がミョウレイのビジョだったらあの御仁は身を引かなかった
  のだろうか?」
 「まさかこの街には、倒れかかってくるものからはいつなんどきも潔く
  身を引かねば不幸になる、などという都市伝説があるのではあるまいな」

 等々の発想と妄想が我が脳裏を流星の如く流れ、10秒ほどで消えて
 行きました。

 そんな東京砂漠にも、肥えた大地を持ち込めば桃の実も生る・・・
 ということで、
 「アース&ピーチの5月セミナー@東京」のお話です
 (ご、ごーいん・・)。

 御蔭様で同セミナーにはきょうまで多数のお申込みを頂いております。
 24日(日)午後の上級者向けワークショップに関しましては、定員に
 達しましたので 募集を締め切らせていただきました。

 ただ、23日(土)午後の初心者講座と24日(日)午前の上級者講座に
 つきましては、まだ御席に若干の余裕がありますので、引き続き
 参加者を募集しております。

 募集中の2講座においてメインで話すのはアースで、ピーチは
 要所要所で合の手を入れる係(?)という役割分担になるかと思い
 ます(・・これ、どういう講座なんでしょ)。
 アースの滑舌のよい明快な語り口と見事なプロジェクターさばき(?)は
 必聴・必見です!
 どうぞ楽しみにしていらしてくださいね。
 アースとピーチのセミナーなので「2人で漫才のような掛け合い講義を
 するのでは?」と予想されていた方、演芸会ではなく授業ですので
 それはちょっと無理です(ご期待に添えませずごめんなさい)。
 しかしWSのほうはその傾向が少なからず出てくるのでは・・と思い
 ますので、参加される方はご期待・・まではしなくていいですが
 ゆるく楽しみにしていて下さい。

 なお、お申し込みの締め切りは今月末日ですが、すでに「事前提出
 課題」の配布が始まっておりますので、できるだけ時間をかけて課題に
 取り組みたいと思われる方はなるべく早めのお申込みをお勧め致します。
 (ただし、〆切ぎりぎりに 申し込んでいただいても、課題の提出締切が
 5月11日ですので、GWに時間が取れる方にとっては問題ないものと
 思います)

 このセミナー、ちょくねりメソッドをじかに学ぶ好チャンスです!
 極力誤訳をうまない翻訳技術を習得すれば、各種検定試験にも
 役立つことは請け合いです(この技術は他言語でも役に立つと思います)。

 また日頃なかなかお目にかかれない、他のスペイン語学習者とも
 知り合えます。実際、わたしたちのセミナーの過去の参加者の中には、
 すっかり仲良くなってセミナー後も継続して連絡を取り合っている
 方たちや、一緒に勉強をされている方たちまでいらっしゃいます。

 それでは、いまこのメルマガをお読みくださっているみなさまと
 御目文字叶いますことを、アースともども心より楽しみにしております。
 (セミナーの概要は、編集後記の直前に入っていますので、ご参照
  ください)

 異様に長い前書きになってしまったので、今回のメルマガは
 この辺で〜〜!

 ・・・とならないのがこのメルマガの怖いところ。
 もとい、えらいところ!

 これから始まるのですよ、今号は!
 まだまだ続く「おくりびと」。今回はその7回目です。
 早速入ってまいりましょう。

 (現時点ですでに「読むのに疲れた」という方、これ以下は2時間位
 あいだをあけてお読みいただいてはいかがでしょう?←余計な御世話)

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
┃   〜翻訳初心者さんのためのちょくねり練習講座〜
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回の課題文は、前の6号(第111〜116号)に続く文章です。それらを
ざっと見直してから、今号に取り組むことをお勧めします。

【「おくりびと」(7)】

◇本日の課題
"Estaba inseguro y preocupado sobre si lograria estrenar
la pelicula y si la gente la aceptaria", declaro' el director, que,
como muchos realizadores japoneses, empezo' su carrera con una
serie de peliculas para adultos.

【構造図】
"Estaba (1) inseguro y
      (2) preocupado
           sobre (3) si lograria estrenar la pelicula y
               (4) si la gente la aceptaria",
declaro' el director,
          que, como muchos realizadores japoneses,
            empezo' su carrera
               con una serie de peliculas para adultos.
※ (1)と(2)、(3)と(4)が並列です。

【語注】
inseguro  :確信がない
preocupado :(〜を)心配している
lograria<lograr:+不定詞で「〜することができる」
estrenar  :封切る、初上映する
realizadores:監督
carrera   :キャリア、経歴
una serie de:一連の〜、〜のシリーズ

※ si lograria estrenar la pelicula y si la gente la aceptaria の si
 は「〜かどうか」の意味です。文法的に言うと、仮定(もし〜ならば)の用
 法であれば si...の節は副詞節ですが、疑問(〜かどうか)の意味で使われ
 るときは名詞節となります。したがって直訳段階では「〜かどうかというこ
 と」と名詞節らしく訳しておくとわかりやすいでしょう。

 2つの動詞が過去未来形になっているのは、過去(まだ映画が封切られてお
 らず、「確信がなくて、心配していた」時点)から見て「映画を封切るこ
 と」と「人々が映画を受け入れること」が未来の出来事に当たるからです。

※ declaro'<declarar:受験英語でたたき込んだせいか、どうしても「宣言
 する」という訳語が頭に浮かびますね。スペイン語でももちろんその意味は
 あるのですが、このように報道文で誰かの話の内容を伝えているときには、
 単に「語った」か、せいぜい「明言した」程度のニュアンスのことが多いよ
 うです。今回の場合は「確信がない、心配だ」という曖昧な内容になってい
 ますので、「語った」などにするといいでしょう。

※ que の先行詞は当然ながら el director です(つまり empezo' の主語は
 el director)。como muchos realizadores japoneses は「挿入句」として
 入っているので、一瞬どこにかかるのか迷ってしまうかもしれませんが、
 empezo' su carrera con una serie de peliculas para adultos 全体にか
 かっています。empezo' su carrera con una serie de peliculas para
 adultos como muchos realizadores japoneses のように文末に持ってくる
 とわかりやすいでしょうか。

◇本日の課題(再録)
"Estaba inseguro y preocupado sobre si lograria estrenar
la pelicula y si la gente la aceptaria", declaro' el director, que,
como muchos realizadores japoneses, empezo' su carrera con una
serie de peliculas para adultos.

【直訳】
「映画を封切ることができるのかということ、また人々が映画を受け入れるの
かということについて、確信がなく、心配だった」と、監督は語った。彼は多
くの日本人監督と同様に、一連の成人映画で自身のキャリアを開始した。

【練り訳案1】
「映画を封切ることができるのか、そして観客から受け入れてもらえるのか、
確信が持てなかったし、不安でした」と滝田監督は語った。同監督は、多くの
日本人監督と同様、成人映画シリーズでキャリアをスタートさせた。

※練り訳にあたってのポイント※
今回は訳し方のテクニックの面でお伝えしたいことはとくにありませんが、訳
す順序や訳語を様々に変えて表現することが可能です。皆さんも工夫してみて
くださいね。

【練り訳案2】
「映画の封切りまでこぎつけられるのか、それに観客に受けるのか不安で、心
配でもありました」と滝田監督は語った。多くの日本人監督と同様、滝田氏の
監督としてのキャリアもアダルト映画シリーズの制作から始まっている。

【練り訳案3】
「この映画を公開できるのだろうか、お客さんに受け入れてもらえるのだろう
かと、不安でしたし、心配もしましたよ」と滝田監督は語った。日本では映画
監督としてのキャリアをアダルト映画で始める者も少なくないが、滝田監督も
そのひとりである。

なお以下に掲載した【超練り訳案】は非常に練りの進んだ訳例です。「これは
誤訳の域に入っているのでは・・」と思う方がいらっしゃるかもしれません
が、「文章の流れや訳文の雰囲気、読者層、訳文が掲載される媒体などによっ
てはここまで練ることもある」ことの一例として紹介しますので参考にしてみ
てください。

【超練り訳案】
「映画の公開の可能性や作品が受ける評価について、どうなるだろうかと不安
でした」と滝田監督は語る。彼は監督として駆け出しのころ、成人映画製作を
手掛けていた。日本人監督の中には彼と似た経歴を持つ人も多い。

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【5月セミナーの概要】

  ◎5月23日(土)午後
   「翻訳初心者のためのちょくねり翻訳講座」
    (13:00 〜 16:30)

  ◎5月24日(日)午前
   「スペイン語翻訳上級講座〜西文和訳から“翻訳”へ」
    (10:00 〜 12:30)

 詳細・お申し込みはこちら→http://www.pie.vc/course/index.html

  【申込締切】
   2講座とも4月30日ですが、定員に達し次第、締め切りと
   させていただきます。

  【開催場所】
   東京都内です。具体的な場所は、参加者に直接ご連絡いたし
   ます。

※内容について詳しく知りたいという方は、11日にお送りした臨時号
 (http://tinyurl.com/cmannb)をご覧ください。

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◆編集後記◆
アースです。
わたしの滑舌がいいかどうかははなはだ疑問ですが、5月のアース&
ピーチ演芸会じゃなくてセミナー、初めての方も、もう何度目だっけ?
という方も、ぜひぜひご出席くださいね。
ところでセミナー騒ぎ(?)ですっかり忘れておりましたが、なんと
このメルマガ、今週号で丸2年が経過いたしました。これもそれも
みなさまのご愛読のおかげです。ありがとうございます!!!
正直、2人ともここまで長くやるとは思ってもいませんでした。
というより、長い短いに関わらず「どれくらいの期間やる」という
心積もりがまったくなく、気がついたら2年経っていた・・という
のが本音です。こんないいかげんな(?)わたしたちですが、これからも
どうぞよろしくお願いいたします!
それにしてもまあほとんど休みもせず、よくやるわ〜ワレワレ。

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