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2009年4月1日

 スペイン語翻訳者になろう vol.115

 おはようございます、ピーチです。
 英会話学校やカルチャースクール等の宣伝文に
 「春の訪れとともに何か新しいことをしたくなりませんか?」
 という趣旨の言葉が踊る季節となりました(毎年必ず目にするんです
 けれど・・あれってすでに時候の挨拶?)
 その流れに乗じようというわけではありませんが、私たちも5月に
 翻訳セミナーを開催することと致しました(開催地は東京です)。
 アースとピーチ2人そろってのセミナーは実に1年半ぶりです。

 詳細は次号の本メルマガ上でお知らせ致しますが、「参加して
 みようかなあ」とお考えの方は、5月23日(土)、24日(日)を
 今から空けておいてくださいね。

 なお今回は、これまでたびたび実施してきた「上級者向け」以外に、
 初の「翻訳初心者向け」も開催の予定です。
 奇しくもいま、本メルマガでも「翻訳初心者さんのためのちょくねり
 練習講座」をお送りしているところですが、このシリーズを読んで
 翻訳に対する関心をお持ちになった方にも是非参加していただきたい
 なあと思っています。

 5月23日(土)が翻訳初心者向け、24日(日)が上級者向けの予定です。
 「あれ?翻訳中級者は?蚊帳の外?」と思われた方。大丈夫です、
 そんな意地悪は致しません。
 中級の方にも、「初心者向け」と「上級者向け」のどちらがご自分に
 より適しているか見定めていただくための例題をホームページに
 掲載する予定ですのでご安心ください。
 では、来週の告知を楽しみにしていて下さいね〜。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
┃   〜翻訳初心者さんのためのちょくねり練習講座〜
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回の課題文は、前の4号(第111〜114号)に続く文章です。それらを
ざっと見直してから、今号に取り組むことをお勧めします。

【「おくりびと」(5)】

◇本日の課題
Respondiendo a un misterioso anuncio de trabajo para "ayudar en
viajes", acaba en un puesto de aprendiz en una funeraria.
※主語は前文の el personaje de Motoki です。

【構造】
この文章は「現在分詞構文(現在分詞から始まる副詞句が文章全体を修飾す
る)」になっています。分詞構文には
 ・時間(〜したときに)
 ・理由(〜なので)
 ・付帯状況(〜しながら)
など様々な意味がありますので、文脈によって判断しなければなりません。今
回の場合は接続詞 y(そして)と同じような意味を表す、ごく一般的な用法で
す。つまり、Responde a un misterioso anuncio... y acaba en un puesto
de aprendiz...に近いと考えていいでしょう。

【語注】
Respondiendo<responder:+a で「〜にこたえる、応じる」
anuncio de trabajo:求人広告
acaba  :+en で「〜で終わる、(最後は)〜になる」
puesto  :職、地位
aprendiz :見習い
funeraria:葬儀社

◇本日の課題(再録)
Respondiendo a un misterioso anuncio de trabajo para "ayudar en
viajes", acaba en un puesto de aprendiz en una funeraria.

【直訳】
「旅のお手伝い」のための不思議な求人広告に応じて、本木が演じる人物は結
局ある葬儀社の見習いの地位になる。

※原文では主語が省略されていますが、文意を正確につかむために直訳段階で
 は入れておくようにしましょう。ここでは「本木の登場人物(el personaje
 de Motoki)」が主語の直訳ですが、先週号の「おくりびと(4)」で「本
 木が演じる人物」などの訳をあてましたので、それを使いました。

※ "ayudar en viajes"は、映画のなかで使われているものと思われる表現で
 したので、実際にどういう言葉が使われているか調査したところ、「旅のお
 手伝い」であることがわかりました。このように日本語で決まった言い方が
 ある(ことが推測できる)場合、勝手な訳語をつけるのではなく(ここの例
 で言えば「旅行の手助け」などとするのではなく)、必ず調査をして正しい
 日本語をあてはめるようにしましょう。

【練り訳案1】
「旅のお手伝い」という不思議な求人広告に応募した本木扮する主人公は、結
局、ある葬儀社の見習いの職に就くことになる。

※練り訳にあたってのポイント※
1) Respondiendo a...が訳しにくいですね。responder は「応じる」「対応
 する」などの意味ですから、直訳は「求人広告に応じて」などになります
 が、日本語としては少し変ですよね。それに、映画のストーリーを説明する
 この文章で「応じる」は少々堅い感じもします。そこで練り訳では「広告に
 応じる」→「求人(広告)に応募」と発想を転換しました。また実際の映画
 では、「求人広告をみて面接に行った」ということのようですので、案4で
 はそのようにしてみました。

2) acaba en un puesto de aprendiz は「(結果として)見習いをすること
 になる」ということですが、実際の映画では、「旅行関係の仕事だと思って
 応募したのに、なぜか葬儀関係の職に就くことになってしまった」というこ
 とのようですので、思い切って「なんと〜してしまう」などとしてもいいと
 思います(案3参照)。実はわたしたちは2人とも「おくりびと」を観てお
 りませんので、筋の解釈などに間違いがあるかもしれません。その場合はど
 うぞこっそりご指摘くださいね。

【練り訳案2】
「旅のお手伝い」という奇妙な求人に応募した主人公は、葬儀社の見習いをす
ることになる。

【練り訳案3】
本木演じる主人公が「旅のお手伝い」という謎めいた求人広告に応募したとこ
ろ、なんと、ある葬儀社に見習いとして入ることになってしまった。

【練り訳案4】
「旅のお手伝い」という得体のしれない求人広告を見て面接に行った主人公
は、ある葬儀社で見習い社員として働くこととなる。

◆編集後記◆
アースです。
ピーチが前書きで言いましたとおり、久々のセミナーを企画中です。
わたしにとってもちょうど1年ぶりで、しかも今回は初の初心者さん
向けの講座もあって、とても楽しみです。
自分が初心者のころは・・いかん、むかしすぎて思い出せない。
そうそう、いまと違ってインターネットがなかったので、そもそも
「原文」を手に入れるのがたいへんだった時代でした。
都市部に住んでいたとはいえ、頼れる洋書店は丸善一軒しかなくて、
しかもスペイン語の本なんて棚一列分くらいしか置いてなかったように
記憶しています。仕方ないので国際郵便で El Pais Internacional を
取り寄せて、すみっこのごく短い記事を読んだだけで満足していた
ころもあったっけ。あ〜あれは高い買い物だった。
5月のセミナーに出ていただければ、そういう思い出話が聞ける
かもしれませんので、ぜひご参加くださいね(そんなことより
翻訳の勉強がしたい?はい、ごもっとも・・)。


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