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2009年2月

 スペイン語翻訳者になろう vol.110

 アースです。
 きょうは「インフルエンザシリーズ第4段」。
 このちょくねりを作るために、ずいぶんウイルスというものについて
 勉強しました(8割方は趣味ですが)。探れば探るほど奥深い。
 そして原文に当たるたび、迷いが生じます。
 筆者が言っているのはこのことか?あのことか?
 でもたぶん、わたしは(面白がって)考えすぎ。
 ピーチというブレーキがなければ、いつまでもこね繰り回して
 いることでしょう。

 さて、先週もお知らせしましたとおり、3月は気分も新たに
   「翻訳初心者向けちょくねり講座」
 をお届けする予定です。翻訳に慣れていない方はもちろん、
 基礎を固めたい上級の方も楽しみにしていてくださいね。

 きょうはまだまだウイルス相手です。マスクをはめたらレッツゴー。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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【インフルエンザ(4)】

◇本日の課題
Sin embargo, cada determinado tiempo surge un virus tipo A del todo
nuevo, lo que se llama cambio antigenico. En tal caso nadie es inmune
contra el, y resulta devastador.
Una epidemia es un brote de enfermedad que afecta a un gran numero
de personas. Una pandemia es una epidemia que se vuelve mundial.
En el siglo XX hubo tres pandemias de gripe: en 1918, 1957 y 1968.
La de 1918 fue con mucho la peor: causo' 50 millones de muertes.

※単純な構造ですので、いつもの構造図は省略します。

【語注】
surge<surgir:出現する
antigenico:抗原の
inmune  :+contraで「〜に対し」
devastador:荒廃させる、破壊的な
epidemia :エピデミック、コミュニティ規模の感染症の流行
brote   :出現
pandemia :パンデミック、世界規模の感染症の流行
gripe   :インフルエンザ
con mucho :はるかに、ずっと

【直訳】
しかしながら、一定の期間ごとに、まったく新しいA型のウイルスが出現し、
このことは抗原性の変異と呼ばれる。そのような場合、誰もそのウイルスに対
して免疫がなく、破壊的な結果となる。
エピデミックは非常に多くの人々に影響を及ぼす病気の出現のことだ。パンデ
ミックは世界的になるエピデミックのことだ。20世紀には、1918年、1957年、
1968年の3回のインフルエンザのパンデミックがあった。1918年のパンデミッ
クは圧倒的に最悪で、5000万人の死者を出した。

【練り訳案1】
だが一定の期間ごとにまったく新しいA型ウイルスが発生する。抗原性変異と
呼ばれるこうしたケースの場合、新型ウイルスに対する免疫を持っている人は
いないため、結果として壊滅的な被害をもたらすことになる。
エピデミックとは、ある病気が発生して非常に多くの人が罹患することであ
る。パンデミックはエピデミックが世界規模になったものをいう。20世紀には
1918年、1957年、1968年の3回にわたってインフルエンザのパンデミックが発
生し、史上最悪だった1918年のケースでは5000万人の死者を出した。

※ Una epidemia で始まっている文章について。本来エピデミックとは「出現
 した病気が人々の間に広がって行くこと=病気の流行」を指しますので、実
 は原文は正確とは言えません。練り訳案1では、前から訳して行くことに
 よって事実に即した訳となるようにしました。案2は原文のままです。なお
 仕事でこのような原文の間違い(または疑わしい点)に気づいたら、責任の
 所在を明確にするためにも、訳者からのコメントとして残しましょう。

※案1・案2ともに、原文の文章の切れ目をまるで無視しているようにみえる
 かもしれませんね。もちろん原文のままにできればそれが最も良いのです
 が、日本語の流れやリズムを考慮して変えたほうが良さそうなら、思い切っ
 て変えるのも手です。

【練り訳案2】
とはいえ、一定期間が経過すると全く新種のA型ウイルスが登場する。これが
抗原性変異と呼ばれる現象で、免疫を持つ者が皆無であるため、その被害は甚
大だ。
エピデミックとは、非常に多数の人間を被害者として巻き込む病気の発生を指
す。そして、エピデミックが世界規模で蔓延するに至ったものがパンデミック
だ。20世紀に人類は3度のパンデミックを経験した。1918年、1957年、1968年
に起こったそれらのうち、群を抜いて悲惨な結果をもたらしたのが1918年のも
ので、死者数はじつに5000万人に及んだ。

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◆編集後記◆
ピーチです。
来週からもう3月ですね。
3月といえばピーチの節句、雛祭り。
雛祭りといえば、雛あられに白酒にちらし寿司に蛤椀に・・(花<団子)。
雛あられって美味しいと思ったことがないんですが、あれが大好物
という人、いるんでしょうかね。
また、白酒と甘酒って同じようなものかと思っていたのですが、まったく
違うんですってね。
白酒は完全なアルコール飲料で、家庭での製造は許されないもの
だそうです(これって常識?)。もし
「うちの自家製白酒、美味しいのよ」
などと自慢する人がいたら(いるのか?)、
「それは密造行為だよ。黙っててあげるから内緒で少しよこしなさい」
と取引を持ちかけてみてはどうでしょうか。

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 スペイン語翻訳者になろう vol.109

 ピーチです。おはようさん。
 今回は「インフルエンザ特集」の第3回目です。
 この特集、なんだか回を追うごとに、内容(原文というより解説や
 訳例)が高度化してきている・・・ような気がするのは、単なる
 気のせいでしょうか?

 お〜い、皆さぁ〜ん!無事ついてきてくださってますかぁ?
 もしかしたら、
  「なんだか小難しいから、登録解除しようかな」
 などと衝撃の決断(!!)をしつつある方もいらっしゃるかもしれぬと
 ちょっと恐れ気味のわれわれであります。
 だから・・というわけではないのですが、お知らせです。
 来る3月、本メルマガでは、難易度をぐっとマイルドにした

   「翻訳初心者向けちょくねり講座」

 をお送りする予定です。
   「翻訳に興味があるけれど、今のメルマガのレベルは高すぎる」
 と嘆息気味の方や
   「それほど難しくない文でもなぜか誤訳が直らない」
 とお悩みの方、
   「西文和訳力を高めて西検に合格したい!」
 という意気込みをお持ちの方など、
 幅広い層の皆様にお読みいただけるものにしたいと思っています。
 (もちろん、上級者の方にとっても基本の見直しのための好機として
  いただけると思いますので引き続きのご愛読を宜しくお願い致します)

 それでは、今週のメニューを始めましょう。
 (目で字を追うだけでなく、できれば一緒に手を動かしながら
  〜訳しながら〜お読みくださいね)

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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【インフルエンザ(3)】

◇本日の課題

Los brotes de gripe aparecen en invierno, y los virus cambian de
un an~o a otro por mutacion genetica. Como en ciertos an~os la cepa
es mas virulenta que en otros, el numero de enfermos varia entre
el cinco y el 15 por ciento de la poblacion. Hay quienes mueren de
gripe, sobre todo ancianos y enfermos cronicos; el numero de muertes
oscila entre 250,000 y 500,000 en el mundo, segun la virulencia de
la cepa. Esta gripe estacional no representa peligro para la gente
sana; como es una ligera variante de la que ya nos ha enfermado,
gozamos de cierta inmunidad contra ella.

※単純な構造ですので、いつもの構造図は省略します。

【語注】
brotes  :出現
gripe  :インフルエンザ、流行性感冒
mutacion genetica:遺伝子変異
cepa   :株
virulenta:悪性な、辛辣な
cronicos :慢性的な
oscila<oscilar:〜の幅で変動する
virulenta:悪性(度)、辛辣さ
variante :変形、変種
inmunidad:免疫

【直訳】
インフルエンザの出現は冬に現れ、そのウイルスは遺伝子変異によって毎年変
わる。ある年にはその株は他の年よりも悪性であるため、病人の数は人口の
5〜15%のあいだを変動する。インフルエンザで死ぬ人がいる。とくに老人と
慢性的病人である。死者の数は、その株の悪性度によって、世界中で25万人か
ら50万人の幅で変動する。この季節性の流行性感冒は健康な人々にとっては危
険を意味しない。というのは、すでにわれわれが罹患したことのある感冒の軽
い変形であるため、われわれはそれに対する一定の免疫を享受しているからで
ある。

※最後の文章には ;(セミコロン)が入っています。通常、セミコロンはカ
 ンマとほぼ同じ役割を持つのですが、ここでは明らかにセミコロン以下が前
 の部分の理由説明になっており、 :(コロン)と同じ役目を果たしていま
 す。単にこの文章の筆者がタイプし間違えたのかもしれませんね。ちなみに
 3文目(Hay quienes mueren〜)にあるセミコロンは、2つの文章を区切る
 という本来の役割で使われています。

【練り訳案1】
インフルエンザは冬に発生し、ウイルスは毎年のように遺伝子変異する。例年
より悪性のウイルス株が発生する年には、人口の5〜15%が発症する。とくに老
人や慢性疾患患者ではインフルエンザで死亡する人もおり、その数はウイルス
株の悪性度によって変わるが、世界で25万〜50万人に達する。季節性の流行性
感冒であるインフルエンザは、健康な人にとって危険なものではない。自分が
以前かかったことのあるウイルスがわずかに変異しただけのものならば、一定
の免疫力を持っているからである。

【練り訳案2】
インフルエンザは冬に発生し、ウイルス遺伝子は年々変異を見せている。ウイ
ルス株が例年に比べて悪性である年には、罹患者数は人口の5〜15%に上る。イ
ンフルエンザによって命を落とす人もいる。主な犠牲者は高齢者と慢性疾患患
者だ。死者数は世界中で25〜50万人を数えるが、その数はウイルス株の悪性度
によって決まる。とはいえ、この季節性の流行性感冒(インフルエンザ)は、
健康な人にとっては恐れるに足りない。罹患経験のあるウイルスがわずかに変
異したものであれば、一定の免疫が体に備わっているためだ。

※最後の como 以下の直訳では、「私たち全員がかつて罹患したことのあるウ
 イルスの軽い変種なので、私たち全員が一定の免疫を持っている」ようにも
 読めてしまいますが、実際には「全員が罹患したことのあるウイルス」など
 存在しないのではないかと思います。したがってここは注意して訳す必要が
 あります。上記の練り訳では、調査したうえで「罹患したことのある人なら
 ば一定の免疫力がある」という意味でとりました。

 なお、余談ですが、この文章のように、「事実関係を調べずにただ原文を日
 本語に置き換えてしまうと、誤訳につながる可能性が生じそう」なものにつ
 いては、しっかり調査しましょう。つまり、「このスペイン語はいく通りか
 に解釈できそうだが、正しくはどういうことなんだろう?」と思った場合は
 「迷わず調査!」です。調べても解決しない場合もあるでしょうが、その場
 合は原文になるべく忠実かつ文脈に照らして無理のない「落とし所の訳」を
 探るしかありません(このあたりの感覚は訓練で培えますのでご安心を)。

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◆編集後記◆
アースです。
長年ほしかった「ホームベーカリー」を買いました。
さっそく、ベーシックな食パンコースで焼いてみたところ・・
おわわわ〜いいにおいだ〜シアワセだす。
きゃ〜ちゃんと膨らんでますわ!(あたりまえだっ)
味は、気絶しそうなほどではありませんが、
もちろんおいしかったです。
次はライ麦パンに挑戦だ!

|

 スペイン語翻訳者になろう vol.108

 おはようございます、アースです。
 先日、我が家の車の走行距離がついに13万5000キロを超えました。
 地球3周以上です。これまでに故障はただの一回もなく、ほんと
 よく走ってくれます。さすが日本車、世界のトヨタ。
 で、そのトヨタのディーラーさんから見計らったように
 電話がありました。
 「そろそろプリウスはいかがですか?」
 ははあ、ホンダもハイブリッドを出すし、宣伝攻勢ですね。
 でもうちのカローラの実燃費、プリウス並だし〜。
 買い替える理由がないの。
 ごめんね、生産台数増加に貢献できなくて。
 このご時世、営業さんもたいへんですね。

 さて、きょうはインフルエンザ・ちょくねりの第2回です。
 少し長いですが、がんばって読んでくださいね。
 セミナーの開催時期に関するアンケートも再掲しておりますので、
 よろしければご協力くださいね。「いつでもばっちりOKだっ」
 という方にもお答えいただければ幸いです(その場合はすべての
 選択肢にチェックを入れてください)。

 それでは始めましょう。

 ==<もくじ>===========================
   1) 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
   2) セミナー開催時期に関するアンケート
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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【インフルエンザ(2)】

◇本日の課題
?Que es la gripe? Es una infeccion respiratoria muy contagiosa,
transmitida por las gotitas que se arrojan al aire al estornudar o
toser. Los virus de la gripe se clasifican en tres tipos principales:
A, B y C. Los del tipo A, que infectan no solo al ser humano, sino a
patos, gallinas, cerdos y ballenas, son los mas peligrosos. Se
subdividen en los grupos H y N segun el contenido de dos proteinas,
hemaglutinina (HA) y neuraminidasa (NA), que erizan su superficie.

Los investigadores han identificado 16 subtipos del grupo H y nueve
del N. Asi, hay 144 combinaciones posibles de los virus gripales A.

【構造図】(複雑と思われるもののみ)
Es una infeccion respiratoria muy contagiosa,
                      transmitida por las gotitas
                            que se arrojan al aire
                               al (1) estornudar o
                                  (2) toser.

Los del tipo A,
     que infectan no solo al ser humano,
                  sino    a (3) patos,
                            (4) gallinas,
                            (5) cerdos y
                            (6) ballenas,
                                  son los mas peligrosos.

Se subdividen en los grupos (7) H y
                            (8) N
       segun el contenido de (9) dos proteinas,
                               (10) hemaglutinina (HA) y
                               (11) neuraminidasa (NA),
                                      que erizan su superficie.

※(1)(2) / (3)(4)(5)(6) / (7)(8) / (10)(11)がそれぞれ並列です。
 また(9)と(10)(11)が同格になっています。

【語注】
gripe    :インフルエンザ
infeccion respiratoria:呼吸器感染症
se clasifican:分類される
infectan   :感染させる
Se subdividen:下位区分される
hemaglutinina:ヘマグルチニン
neuraminidasa:ノイラミニダーゼ
erizan    :逆立てる
subtipos   :亜型

※ contagioso(a) は辞書には「伝染性の」とありますが、実際には「伝染力
 (感染力)の高い」の意味でも使われることも多いようです。

※ gotita は gota(しずく)に縮小辞(-ita)がついたものです。ここでは
 明らかに「唾液」、つまり「飛沫感染」の「飛沫」のことを言っています。

【直訳】
インフルエンザとは何か。くしゃみあるいは咳をしたときに空気中に吐き出さ
れる飛沫によって感染する、非常に感染力の高い呼吸器感染症である。インフ
ルエンザ・ウイルスは、3つの主要な種類に分類される。A、B、Cである。
A型ウイルスは、人間のみならずアヒル、ニワトリ、ブタ、クジラにも感染
し、最も危険なものである。A型ウイルスは、ウイルス表面に出っ張っている
ヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という、2つのタンパク質の
内容によって、HとNのグループに下位区分される。

研究者たちはHグループの16の亜型、Nの9つの亜型を特定した。このよう
に、A型インフルエンザ・ウイルスの、可能な144種類の組み合わせがある。

※ erizan は上記語注にもありますとおり、「逆立てる」が原義です。これを
 そのまま使えば、直訳は「その表面を逆立てている2つのタンパク質の内容
 によって(HとNに下位区分される)」になりますね。これですと、su を
 「タンパク質の」ととるか「ウイルスの」ととるかで、

  1) 自らの表面を逆立てているタンパク質
  2) ウイルスの表面を逆立てているタンパク質

 のどちらかの意味になりそうです。でも調査してみると、これらのタンパク
 質は「ウイルスの表面に存在するもので、その形状が突起(スパイク)状」
 であるということですから、1)はもちろんのこと、2)ともちょっと異な
 ります。実際には「タンパク質がウイルスの表面にトゲ状に出ている」わけ
 です。したがって直訳といえども少し工夫する必要があります。

 こういった小さな調査を繰り返し行うことで翻訳文の信頼度は格段に上がり
 ますから、骨惜しみをせずに調査したいものです。とくに自分になじみのな
 い分野の場合は「調査をしなければ正確な訳ができない」ことに気がつかな
 い可能性もありますので、上記のような(字面だけ捉えた)独りよがりの解
 釈をしてはいないか、常に注意を怠らないようにしましょう。

【練り訳案1】
インフルエンザとは極めて伝染力の強い呼吸器感染症のことで、くしゃみや咳
で空気中に飛び出した飛沫から感染する。そのウイルスは主にA、B、Cの3
種類に分類され、なかでもA型は人間だけでなくアヒルやニワトリ、ブタ、ク
ジラなどにも感染する最も危険なウイルスである。A型はさらに、ウイルス表
面に並ぶヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という突起状の2つ
のタンパク質の内容によって、HとNのグループに下位区分される。

これまでの研究によって、Hグループについては16の亜型、Nグループについ
て9の亜型が特定された。したがってA型インフルエンザ・ウイルスには144
の組み合わせがありえるということである。

【練り訳案2】
インフルエンザとは? 伝染力の非常に強い呼吸器感染症のこと。くしゃみや
咳により飛沫が空気中に飛び出すことによって感染する。インフルエンザ・ウ
イルスには主としてA、B、Cの3つのタイプがある。このうち最も危険なの
がA型ウイルスで、人間のみならずアヒル、ニワトリ、ブタ、クジラにも感染
する。A型はさらにHとNという下位グループに区分される。その区分は、ウ
イルス表面にトゲのように突き出ているヘマグルチニン(HA)とノイラミニ
ダーゼ(NA)という2つのタンパク質の中身によって決まってくる。

また研究者たちは、Hグループには16の亜型が、Nグループには9の亜型があ
ることを突き止めた。つまり、A型インフルエンザ・ウイルスとして144の組
み合わせが考えられるということになる。

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┃2│ セミナー開催時期に関するアンケート
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんにちは、アース&ピーチです。

わたしたちはこれまで、のべ5回のスペイン語翻訳セミナーを行い、
いずれも大好評をいただいて参りました。昨年秋頃から「次回の
セミナーはまだですか?」という声がちらほら聞かれるようになり
ましたので、場所や内容に関するアンケートを行ったところ、多くの
皆さんからご回答をいただきました(ありがとうございました)。

その結果を検討したところ、次回の開催場所はやはり希望者の多い
東京・・ということになりました(関東以外の皆様、ごめんなさい!)。

あとは開催時期なのですが、これまた皆さんのご要望を探るべく、
アンケートさせていただきます。

ご協力いただける方は以下のアドレスにアクセスしていただき、ご記入を
よろしくお願い致します(「まぐまぐ!」サイト内に入ります)。

http://form.mag2.com/uaphoujaiv

なおアンケートには、「都合がつけば参加したい」という意思を少しでも
お持ちの方のみお答えください(「全く参加する気はない」「参加は
完全に不可能」という方はご遠慮ください)。

回答したからと言って、セミナーに参加しなければならないということは
一切ございませんので、気軽にお答えいただければ幸いです(匿名可、
メールアドレスの入力は任意です)。

◆編集後記◆
ピーチです。
前号の前書きで紹介した「Happy Freelancers」の水野麻子さんが
メールマガジン発行を開始しました。
「辞書を上手に使いこなしたい翻訳者や、辞書そのものに
興味のある人に贈る、専門辞書を楽しむメルマガ」だそうです。
辞書好きの方、ぜひ購読してみてくださいね。
http://archive.mag2.com/0000282812/index.html
5~7号目あたりでスペイン語がばーーんと登場する予定!!との
ことですので、いま登録すれば十分間に合います。
また、「やるかもしれないアースとピーチのセミナー」の時期に関する
アンケートのほうも、参加に関心をお持ちの方はぜひご協力ください。
回答者のご希望が実際に反映されるはず・・ですので。



 

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 スペイン語翻訳者になろう vol.107

 おはようございます、ピーチです。
 このたび、私の尊敬する友人にして偉大なる特許翻訳者の水野麻子さんが
 「85,000人の心に灯を 〜Happy Freelancers〜」というプロジェクト
 サイトを立ち上げました。
 http://www.happyfreelancers.jp/
 ここに行ってみればお分かり頂けるものと思いますが、
 翻訳者(志望者)にとってもまさに「宝の山!」です。
 これだけの貴重な情報を惜しげなく分け与えてくださることに、
 紋切り型の表現で恐縮ですが、驚愕と感謝を禁じえません。
 (しかも、「まだ出そうとおもっているコンテンツの10分の1くらい」
  だそうで・・ これからいったいどういうプロジェクトに進化していく
  のか、ひじょうに楽しみです)

 水野さんからのメッセージは以下のとおりです。
 読者の皆さまも、ぜひ応援を宜しくお願い致します。

 85,000人の心に灯を 〜Happy Freelancers〜
 -----------------------------------------
 昨年末、「3月までに職を失う非正規従業員は85,000人」と
 報道されました。この状況を少しでも改善できればと願い、
 プロジェクトを立ち上げています。
 このプロジェクトを機能させるには、たくさんの人々の
 「参加」が必要です。
 みなさま、応援よろしくお願いいたします。
 -----------------------------------------

 さて、世間ではインフルエンザが大流行中のようですが、皆さんの
 周囲ではいかがですか?
 今週から数回にわたり、インフルエンザ関連の記事を「ちょくねり」して
 いきます。マフラーをしっかり巻きマスクを装着したら、さあ第一回目を
 始めましょう。

 ==<もくじ>===========================
   1) 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
   2) セミナー開催時期に関するアンケート
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【インフルエンザ(1)】

◇本日の課題
La posibilidad de una pandemia de gripe aviar acapara los titulares
y pone nerviosos a los funcionarios de salud publica. Ya han
ocurrido pandemias parecidas, con graves consecuencias. Esta vez
el temor lo inspira una cepa del virus de la gripe aviar, el H5N1,
que existe en Asia desde hace mas de ocho anos y ha resultado letal
en los pocos casos en que se ha transmitido al ser humano.

【構造図】
La posibilidad de una pandemia de gripe aviar
        (1) acapara los titulares y
        (2) pone nerviosos a los funcionarios de salud publica.

Ya han ocurrido pandemias parecidas, con graves consecuencias.

Esta vez el temor lo inspira
        (3) una cepa del virus de la gripe aviar,
        (4) el H5N1, que
              (5) existe en Asia desde hace mas de ocho an~os y
              (6) ha resultado letal en los pocos casos
               en que se ha transmitido al ser humano.

※(1)と(2)、(5)と(6)がそれぞれ並列。(3)と(4)は同格です。

【語注】
gripe aviar:鳥インフルエンザ
acapara titulares:(メディアの)見出しを独占する
salud publica:公共医療、公衆衛生
cepa:株
letal:致死の
se ha transmitido<transmitirse:伝染する

※pandemia は辞書には「(世界的な)流行病、汎流行病」と載っています
 が、実際には「(世界的な)大流行、パンデミック」の意味で定着している
 ようです。

【直訳】
鳥インフルエンザのパンデミックの可能性が見出しを独占し、公共医療の役人
たちを神経質にする。すでに、重大な結果を伴う類似の世界的な大流行が起き
た。今回は、8年以上前からアジアに存在し、人間へと感染したごくわずかな
ケースにおいて致死の結果となったH5N1鳥インフルエンザ・ウイルス株が
恐怖を抱かせている。

※原文を読むとH5N1型のウイルスは8年ほど前に突然現れたように読めま
 すが、実際には昔から存在していたもので、1997年に初めて人に感染した
 (感染するように変異した株が出現した)ということのようです。つまり原
 文と事実が微妙にずれているわけですが、今回は直訳も練り訳も原文のまま
 としました。

※ el temor lo inspira una cepa の主語は una cepa で目的語は el temor
 です。このように目的語が文頭に来る場合、もう一度 lo や la でそれを受
 けることがあります。

【練り訳案1】
鳥インフルエンザのパンデミック(大流行)の発生の可能性が大々的に報道さ
れ、公共医療に携わる役人は神経を尖らせている。これまでにも類似のパンデ
ミックは発生しており、深刻な被害をもたらした。現在、恐怖を引き起こして
いるのは、8年以上前からアジアに存在し、ごくわずかだが人間への感染・死
亡例もある鳥インフルエンザ・ウイルスH5N1型である。

【練り訳案2】
「鳥インフルエンザの大流行(パンデミック)があるのでは」とマスコミが
大々的に報じ、保健省はピリピリしている。過去にも似たようなパンデミック
の例は一度ならずあり、深刻な事態に至った。今回恐れられているのは、鳥イ
ンフルエンザ・ウイルスH5N1型だ。これはアジアでは8年以上前から存在
が確認されているもので、人間に感染した若干数の症例では死者が出ている。

※ los funcionarios de salud publicaについて。「公共医療の役人たち」と
 は言うまでもなく、その国の公共医療関連の省庁(今回の記事はメキシコ発
 のようですので「保健省」)で働く役人たちのことですが、この場合役人の
 集合体である省自体を指していると考えても不自然ではありませんので、練
 り訳案2では、この部分の訳を「保健省」としました。

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2│ セミナー開催時期に関するアンケート
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんにちは、アース&ピーチです。

わたしたちはこれまで、のべ5回のスペイン語翻訳セミナーを行い、
いずれも大好評をいただいて参りました。昨年秋頃から「次回の
セミナーはまだですか?」という声がちらほら聞かれるようになり
ましたので、場所や内容に関するアンケートを行ったところ、多くの
皆さんからご回答をいただきました(ありがとうございました)。

その結果を検討したところ、次回の開催場所はやはり希望者の多い
東京・・ということになりました(関東以外の皆様、ごめんなさい!)。

あとは開催時期なのですが、これまた皆さんのご要望を探るべく、
アンケートさせていただきます。

ご協力いただける方は以下のアドレスにアクセスしていただき、ご記入を
よろしくお願い致します(「まぐまぐ!」サイト内に入ります)。

http://form.mag2.com/uaphoujaiv

なおアンケートには、「都合がつけば参加したい」という意思を少しでも
お持ちの方のみお答えください(「全く参加する気はない」「参加は
完全に不可能」という方はご遠慮ください)。

回答したからと言って、セミナーに参加しなければならないということは
一切ございませんので、気軽にお答えいただければ幸いです(匿名可、
メールアドレスの入力は任意です)。

◆編集後記◆
アースです。
きょうは立春ですね。でも当地ではいちばん雪が降りやすい頃
でもあります。先日降った大雪では、我が家の庭に設置してある
バードテーブル(ヒャッキンで買ったプラスチックのお皿)に
30センチ以上も雪が積み上がり、ついに割れてしまいました。
あ〜あ。
でも二十四節気では、立春の次は雪が雨に変わる頃とされる
雨水。そして次は虫さんたちが這い出してくるはずの啓蟄。
春は着実に近づいています(と思い込もう)。

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