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2008年9月3日

 スペイン語翻訳者になろう vol.087

 おはようございます。ピーチです。
 あっという間に9月!
 北京オリンピックもすでに遠い過去の出来事のようですが、
 パラリンピックはまだまだこれからですし、
 本メルマガでもしつこく「スポーツ特集」を続けさせていただきます。
 此度は前回の続きで、「フェンシング・後篇」。
 今回の課題文も、なかなかの曲者ですよ。
 心してとりかかってくださいね。
 では、いざ出陣!

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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◇本日の課題(フェンシング・後篇)
Jose Luis Abajo ha hecho historia con su bronce en espada
en un encuentro lleno de infarto y nervios. El hungaro Gabor Boczko,
rival del madrileno, ha sido un digno contendiente que ha luchado
hasta el final por el preciado metal, pero las ganas del espanol
por hacer historia han podido con el.

【構造図】
Jose Luis Abajo ha hecho historia con su bronce en espada
       en un encuentro lleno de (1) infarto y
                    (2) nervios.
※(1)と(2)は並列

(3) El hungaro Gabor Boczko, (4) rival del madrileno,
    ha sido un digno contendiente
         que ha luchado hasta el final por el preciado metal,
pero las ganas del espanol por hacer historia
     han podido con el.
※(3)と(4)は同格(同じものを指す)

【語注】
ha hecho historia:hacer historia で「歴史を作る」。
bronce   :ブロンズ、青銅。しかし西和辞典には「銅メダル」の語義も
       しっかり載っています。
espada   :(フェンシングの)エペ競技
encuentro  :試合、対戦
infarto   :梗塞(症)、心筋梗塞
contendiente:競争相手
ha luchado :luchar por...で「〜のために戦う」
preciado  :価値ある(形容詞)
poder con...:に〜立ち向かえる、扱える

【直訳】
ホセ・ルイス・アバホは心筋梗塞と神経過敏にあふれた試合において、エペで
の銅メダルで歴史を作った。そのマドリードっ子のライバルであるハンガリー
人ガボル・ボツコは、その価値ある金属をかけて最後まで戦った威厳ある競争
相手であったが、歴史を作ることに対するそのスペイン人の意欲は彼に立ち向
かえたのだ。

※ganas (del espanol) por hacer historia の por は、ganas の向かう「対
 象」を表しています。「〜に対する意欲、〜に関する意欲」ということです
 ね。

※han podido con el の el は対戦相手であるハンガリー人のガボル・ボツコ
 をさしています。

【練り訳】
だが、ホセ・ルイス・アバホは、極度の緊張感に包まれたエペの試合で銅メダ
ルを獲得し、歴史を作ったのだ。アバホの対戦相手のハンガリー人ガボル・ボ
ツコも銅メダルをかけて最後まで立派に戦い抜いたものの、マドリードっ子の
「歴史を作るのだ」という意気込みがライバルを抑えた形となった。

※en espada は「(フェンシング競技のうち)エペの試合で」ということです
 が、日本の報道文ではほとんどの場合、男女や団体・個人の別を明確にして
 いますので、調査した上で「男子エペ個人の試合で」などとしてもいいで
 しょう。

※lleno de infarto y nervios は直訳にあるとおり「心筋梗塞と神経過敏に
 あふれた」ということですけれども、このままではあまりにも変。でも何と
 なく、言いたいことは伝わってきますよね。それを素直に日本語にすれば良
 さそうです。皆さんもどうぞ考えてみてください。

※2文目ではアバホとボツコのことを様々に言い換えており、訳すにも困って
 しまいますよね。原文に出てくる通りにご丁寧に訳していたのでは、日本語
 としては到底通用しません(そのことは、直訳の分かりづらさで一目瞭然か
 と思います)。アバホとボツコに関してここに出てくる表現を整理すると、
  hungaro Gabor Boczko=rival=contendiente=el
  madrileno=espanol
 という関係になりますので、同じ意味のもの(例:rival=contendiente)
 をひとつの訳語でまとめてしまったり、語順を入れ替えたりして、日本語の
 文章にしたときに自然に頭に入るように工夫を加えたほうがいいと思いま
 す。上記の練り訳はあくまでも試訳ですので、皆さんもオリジナル訳を考え
 てみてくださいね。

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◆編集後記◆
アースです。
夏も終わりですね〜。今年の夏休みは、両親と姉一家が避暑を兼ねて
我が家にやってきました。久しぶりに会う甥や姪の成長ぶりに
びっくりし、いつのまにか漢字をじゃんじゃん読んでいることに
びっくりし、「アースちゃん(「おばさん」なんて呼ばせない)は
英語もスペイン語もぺ〜らぺら」というめっちゃ誤解をそのままにし、
大騒動の一週間が過ぎていきました。お別れの時、甥に、
「今度会うのは10年後くらいかなぁ〜」と言ったわたしに、甥は
「ことしは2008年だから、んとえーと、10年後は3008年!」
・・・。あれだけ漢字が読めていてその計算かい(^^;)。
でもいいんです。ぜひ3008年に会おうじゃないか。
(この未来へのすっ飛び方、やっぱり血筋だろうか・・)

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