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2008年8月

 スペイン語翻訳者になろう vol.086

 おはようございます。peach です。
 昨日友人Kから、ちびまる子ちゃんの絵の「残暑見舞いハガキ」が
 届きました。締めの言葉が
 「冷たいものを食べ過ぎて、おなかをこわさないようにね。」
 でした。
 おや?この言葉、どこかで聞いたぞ・・・と思ったら、そう、まさに
 数号前のメルマガでわたしがかいた「小学生の暑中見舞いの常套句」
 ではありませんか!
 友人Kは artesana でして、スペイン語翻訳とは関係ない世界で活躍中
 なのですが、長年の amistad の証しとして(なのかな?)このメルマガを
 購読してくれています。
 そしてこんなシャレたイタズラ(?)まで・・・
 Una sorpresa muy agradable!でありました。
 ありがとう、K! 

 さて、オリンピックは終わってしまいましたが、メルマガ上は
 ムリヤリ、まだまだオリンピック一色で行かせていただきます。
 実は、今日の記事を選んだのはずいぶん前のことで、
  「フェンシングは日本ではマイナーなスポーツだから
   メルマガ読者の皆さんにとって新鮮でいいよね」
 とアースと話して決めたのです。でもそのあと、「あの快挙」があって、
 一気に知名度を上げてしまいました。
 ワレワレ、先見の明があったのでしょうか?

 それではさっそくいってみましょう!

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇本日の課題(フェンシング・前篇)
Quie'n lo iba a decir antes de que dieran inicio los Juegos.
Poca gente se atrevia a predecir que Espana iba a lograr su primera
medalla en esgrima en la historia de las Olimpiadas y que esta
seria la numero 100 en el medallero historico espanol.

【構造図】
Quie'n lo iba a decir antes de que dieran inicio los Juegos.

Poca gente se atrevia a predecir
  (1) que Espana iba a lograr su primera medalla en esgrima
                en la historia de las Olimpiadas y
  (2) que esta seria la numero 100 en el medallero historico espanol.

【語注】
dar inicio:「始まる」。
los Juegos:当然、los Juegos Olimpicos の略で、「オリンピック」の意味。
      後に出てくる las Olimpiadas と同じです。
atreverse a+不定詞:思い切って〜する、大胆にも〜する
medalla  :メダル
esgrima  :フェンシング
medallero :メダル獲得数

【直訳】
オリンピックが始まる前、誰がそれを言わんとしていたか?スペインがオリン
ピックの歴史の中でフェンシングにおける同国初のメダルを獲得することにな
り、それがスペインの歴史上のメダル獲得数における100番目となるだろうと
大胆に予言した人はほとんどいなかった。

※esta seria la numero 100...の esta は medalla を指しています。

※直訳では、構造を正確に把握するために、できれば文章の構造をそのまま
 そっくり日本語に移し替えたほうが良いのですが、Poca gente...を「大変
 少ない人が〜した」とすると「ほとんどの人が〜でない」というニュアンス
 がいまひとつ出ません。よってやや「練り」の域に入った訳としましたが、
 Poca gente の訳し方にすでに習熟していて、反射的に「ほとんどの人が
 〜しない」と訳せてしまう人は、直訳の段階からそうしてしまっても構いま
 せん。

【練り訳】
オリンピックの開幕前には誰がこんなことを予想しただろうか?スペインがオ
リンピック史上初めてフェンシング競技でメダルを獲得し、それが同国にとり
史上通算100個目のメダルとなるなどという大胆な予想を口にしたものはほと
んどいなかった。

※lo は通常、前に出てきた文章や語句を受けますが、ここは次の Poca gente..
 の文章の内容を指しています。よって「そのこと」ではなく「このこと
 (こんなこと)」としました。

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◆編集後記◆
アースです。
先週の体操用語の記事で、「あん馬=caballo con arcos」であると
書いたところ、一読者の方から、ある辞書に potro con aros と載って
いたとのご指摘をいただきました(Mさま、ご意見どうもありがとう
ございました!)。
いろいろと調べてみたのですが、potro con aros も確かに使用実績が
ありました。ただ、caballo con arcos のほうがはるかに多く使われて
いるのは確かなようです。potro は、どちらかというと単独で「跳馬」の
意味で使われています。確かに昔の跳馬競技は、あん馬の取っ手をとった
ような器具で行われていましたが、最近はちょっと形が変わっています
よね。
いろいろと調べていく過程で、potro con arcos という、両者を混ぜた
ような言い方も見つけました。むしろ potro con aros よりはこちら
のほうが多く使われているようです。
ともあれ、これら3つは実際に使用実績があるものですので、どれも
正しい、と言えます。
読者Mさんは、「自分の辞書は古いのか」とお書きでしたが、そうでは
なく、これは「辞書は数ある(訳)語の中のほんのごく一部を載せている
に過ぎない」ことの好例である、と思います。辞書に載ってないからと
いって間違いとは言えないし、辞書に載っているからといってそれだけが
使われているとは限らない、ということなんですね。
(ここで8月6日号、13日号の記事を読むと、実感がわきそうです。
お時間のある方は、ぜひ再読してみてくださいね)

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 スペイン語翻訳者になろう vol.085

 おはようございます、アースです。
 先週号では、雑記がありますと前書で言っているのに載ってないじゃん!
 と思った方がいたようです。あれは実はあぶり出しだったのですが、
 気がつかれましたか?
 ・・・なんて往生際の悪いことを言っていないで、はい、認めます。
 前書を前週のものと入れ替えるのを忘れました。失礼しました。

 さて、気分を変えて。オリンピックもそろそろ終盤に入ってきましたね。
 仕事を挟みつつも朝から晩までついつい見てしまいます。
 いろいろと悪い面を指摘されつつも、やはりオリンピックには他の大会
 とは違う魅力があるなぁと感じます。変に感動物語にしたり、日本ばかり
 やたらと応援するような報道にはちょっと閉口ですが。
 このメルマガも、今週から数回にわたり、オリンピックにちなんで
 スポーツ特集をお送りします。

 ==<もくじ>===========================
   1) 時事ワードをスペイン語で学ぼう【体操】
   2) 実例を見てみよう
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1│時事ワードをスペイン語で学ぼう【体操】
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

きょうは「体操」をとりあげます。カタカナ語の多いスポーツの世界で、
なぜか体操の種目名だけは日本語そのままですよね。それだけに、
スペイン語でなんというのか、見当がつかないものも多そうです。

まず、「体操」そのものは gimnasia artistica といい、「新体操」の
gimnasia ritmica と区別しています。新体操のほうがどちらかというと
芸術的なような気がしますが、まあそこは追究しないでおきましょう。

ちなみに「トランポリン」は gimnasia trampolin です。gimnasia は
西和辞典には「体操」としか載っていませんので、つい鉄棒やあん馬などを
使ういわゆる体操競技のことか、そうでなければラジオ体操のようなものかと
思ってしまいますけれども、要するに素手かあるいは器具を用いて室内で
技術を競うスポーツのことを広く指しているのでしょう。(もちろん、
gimnasia にはラジオ体操のような普通の人もできる(?)体操の意味も
あります)

さて、それでは個々の種目名を見ていきましょう。

鉄棒  barra fija(単に barra とも)
平行棒 barras paralelas
段違い平行棒 barras asimetricas
跳馬  salto(あるいは potro)
つり輪 anillas
あん馬 caballo con arcos
床運動 suelo
平均台 barra de equilibrio

おもしろい!段違い平行棒なんて、なんというかさっぱり見当が
つかなかったのですが、asimetrico つまり「アシンメトリーの、非対称の」
を使うわけですね。正確には barras paralelas asimetricas となるの
でしょうけれど、長すぎるので「段違い棒」とだけ呼んでいるのでしょう。

あん馬の「あん」は漢字では「鞍(くら)」ですから、日本ではあの
持ち手?を鞍の一部分にたとえているわけですが、スペイン語では
「アーチつきの馬」・・なるほど。

気をつけたいのは、「2つあるものは複数形」にすべきであるということ
ですね。たとえば barra paralela では意味をなしませんので、必ず複数に
する必要があります。

※見やすくするため、上記ではすべてアクセントを除いてあります。意外な
ところにアクセントがつくものもありますので、気になる方は辞書で
確認しておいてくださいね。

さて、それではいくつか実際の使用例を見てみましょう。

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2│実例を見てみよう
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇El equipo chino se ha puesto al frente de la ronda de clasificacion
de la gimnasia artistica masculina en Pekin.
北京オリンピックの体操男子団体総合予選で中国チームがトップに立った。

◇Barra: Muy correcto, pero con poca dificultad. Nota: 14,150.
Vigesima tercera posicion al termino de la cuarta rotacion.
鉄棒:非常に正確な演技を見せたが技の難易度は低かった。14.150点。第4
ローテーション終了時点で第23位。

◇Jiang saco' una nota de 14,775 en su salto de la ronda de
clasificacion, la peor nota del equipo chino.
予選で江の跳馬は中国チーム最低の14.775点だった。

◇El colombiano Jorge Hugo Giraldo, unico representante de su pais
en la competicion masculina de gimnasia obtuvo en la clasificacion
de hoy un 14,200 en suelo, un 13,350 en caballo con arcos, un 13,950
en anillas, un 15,150 en salto, un 14,025 en paralelas y un 13,975
en barra.
きょう行われた体操男子個人総合予選で、ただひとりのコロンビア代表ホルヘ
・ウゴ・ヒラルドの得点は、床14.200、あん馬13.350、つり輪13.950、跳馬
15.150、平行棒14.025、鉄棒13.975だった。

◆編集後記◆
ピーチです。
皆さんは文庫本を読む時、本編を読んでから解説を読みますか?
それともまず解説を読んでから本編に移りますか?
あくまで私見ではありますが、世にある8割の解説は
「なくてもいい」ような代物です(言いきった・・・)。
しかしごく稀に、読後、本を抱きしめて天を仰ぎ、
「この解説を読めただけで仕合せ・・」
と嘆息するくらい素晴らしいものに出会えることもあります。
わたしにとっての近年のベストは、
「雪沼とその周辺(堀江敏幸著)」
に池澤夏樹氏が寄せた解説だったのですが、ついにそれを
凌駕するものが現われました。それはハヤカワ文庫の
「小指の先の天使(神林長三著)」
の解説文です。
巻末8ページに広がる解説という名の小宇宙のなかで大笑いし、感涙し、
共感し…。1人の著者とその作品をここまでひたむきに愛せる解説者と、
これほどまでに純粋な思慕の詰まった「恋文」(あれはすでに「解説」では
ありません)を捧げてもらえる著者、そしてその両者の幸福な出会い…。
これこそこの世の奇跡なのではないでしょうか。
(奇跡はオリンピックの中にだけ生まれるのではないのです!
…と、時事ネタ?に持ち込んでみましたが、かなり強引?)

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スペイン語翻訳者になろう アンコール第4回

  7月23日から1ヶ月にわたり、本メルマガのバックナンバーから
  記事を厳選してお届けしています。既読の方も新たな気持ちで
  読んでくださいね。また今週は「アースの気が散る話」があります。
  こちらは最新です。
                      アース&ピーチ

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1│ 西和辞典は「万能選手」にあらず その2
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さて、前回は director gerente を例に挙げ、辞書に「常務取締役」
「専務取締役」と載っているからといって、すべてそう訳せるわけ
ではないことをお話ししました。

 「でもさ〜。じゃあ辞書にはウソが書いてあるわけ?」

の答えはイエスでありノーでもあると、禅問答のようなことを言いました。
ここでまた別の例を見て、その答えの真意を探ってみましょう。

英語では wear の一言で済むところ、日本語では着る、かぶる、はめる、
つける、はく・・・と体の場所によってすべて言い分けるので、外国人が
覚えるときに大変だという話は有名ですね。役職名もそれと似たところが
あります。

先日出てきた presidente ひとつ取っても、大統領制の国なら「大統領」、
議院内閣制の国なら「首相」、会議なら「議長」、商工会議所なら「会頭」、
銀行なら「頭取」「総裁」などなど、勘弁してくれろ。と言いたくなります。

ここで言いたいのは、presidente や director gerente の訳語として
これまでに挙げた日本語を覚えろということではなく、スペイン語(外国語)
と日本語の単語は、一対一で対応しているのでは決してない、ということ。
これを常に頭に入れておいてほしいのです。

そんなこと分かってるわよ、という人がいるかもしれません。が、私自身も
含め、これを案外忘れがち。その文章の文脈や背景をいっさい考えず、
辞書に載っている語義にすぐに飛びつき、あとで読み返すとトンチンカンな
訳になっていた…ということが一再ならずあります。

ではどうするか。

理想としては、まずはその単語の持つそもそもの意味(エッセンス)を
しっかりと把握すること。それには西西辞典がお勧めです。

例えばさきほどの presidente を Real Academia Espanola で引いて
みましょう。名詞としては、以下が載っていました。

 1)Persona que preside.
 2)Cabeza o superior de un gobierno, consejo, tribunal, junta,
   sociedad, etc.
 3)En los regimenes republicanos, jefe del Estado normalmente
   elegido por un plazo fijo.

3つありますが、まさに presidente の原義と言えるのは、1番の
Persona que preside(取り仕切る人)だけだと思います。2番は
「gobierno, consejo, tribunal, junta, sociedad の長もしくは上位の人」、
3番は「共和制下で、通常はある一定期間について選ばれた国家の長」で、
いずれも要するに「取り仕切る人」ということですよね。

ここで気がつかれた人もいるでしょう。どの西和辞典にも「取り仕切る人」
というそもそもの「原義」は載っていません。そう、西和辞典には
「訳の候補」が載せてあるだけなのです。しかもほんの一部だけ。

例えば presidente の日本語訳として使える言葉は、上で挙げた語義も
含め、おそらく膨大な数になるでしょう。

それに、この話は役職名に限ったことではありません。名詞だけとも
限りません。動詞でも副詞でも形容詞でも、すべて同じこと。それらを
いちいち載せていたら、辞書の重さだけで床に穴が開いてしまいます。

私たちが実際に辞書を書く中で強く感じたことは、
 「とても全部は載せきれない!」
という苛立ちでした。経済用語という、ほぼ「一対一」の対応が
実現できそうな分野でさえ、山のようにある語義の候補の中から、
泣く泣く2つ3つを選び出さざるをえず、少なからず残念に思った
ものです。

ここまできて、ようやく今回のタイトルの意味を悟っていただけた
でしょうか。西和辞典は骨惜しみせず引くべきですし、隅から隅まで
目を通すべきではあるけれども、だからといって「万能」ではない、
ということです。

西和辞典(「○和辞典」すべてですね)の長所と短所を知って、
うまく使いこなしましょう!

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◆編集後記◆
ピーチです。子どもたちの夏休みも後半戦ですね。
今の小学生たちも「暑中見舞いはがき」って出し合うんでしょうか?それとも
メールで済ませるんでしょうかね。
自分の子ども時代、暑中見舞いの締めの文句は
「冷たいものの食べすぎ・飲みすぎでおなかこわさないでね」
できまりだった気がします(ちなみに年賀状の決まり文句は、「お餅をのどに
詰まらせないようにね」。まったく、子どもってやつは・・・ヽ(´〜`;)
ところで皆さんは、暑さに負けて冷たいものをとりすぎてはいませんか?
わたしは冷え防止のためにアイスドリンクはめったにいただきませんが、
たま〜に頼む時は「氷なしで」とお願いしています。
しかし、先日、某Dコーヒーでこう頼み、半分弱しか満たされていないグラス
を渡されたときはかなりショックでした。
「たったこれだけの量に二百数十円払うの?」
というショックではなく、僅かしか入っていないグラスの姿があまりに
哀しかったのです。
グラスとは、なみなみと満たされてこそ美しいのですね。
その点、先日入った某Mスバーガーは太っ腹で、「氷なし」のオーダーでも、
グラスの縁までたっぷり注いでくれていました。素敵〜。
こころなしかグラスもうれしそうで、傲然屹立していましたよ(一番喜んで
いたのはこのわたしですけど)。

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 スペイン語翻訳者になろう(アンコール第3回)

  7月23日から1ヶ月にわたり、本メルマガのバックナンバーから
  記事を厳選してお届けしています。既読の方も新たな気持ちで
  読んでくださいね。また今週は「アースの気が散る話」があります。
  こちらは最新です。
                      アース&ピーチ

  ==<もくじ=======================
    1) 西和辞典は「万能選手」にあらず その1
    2) アースの気が散る話
  ==============================

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1│ 西和辞典は「万能選手」にあらず その1
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

辞書をとにかく引きなさい!
知っている単語でも何度でも引いて!
辞書を引く時間と労力を惜しむな!

……はい、耳にタコができてますよね。確かにこれらのことを
実践しなければ、立派な翻訳者さんにはなれません。また、立派な
翻訳者さんは、必ずこれらを実践しています(耳いたい)。

しかし、西文和訳のレベルを過ぎ、仕事として(人に見せるため)の
翻訳が視野に入ってきたとき、「西和辞典に頼り過ぎる」のも
良くないことがあります。

具体的な文章を例に出して実際に翻訳してみないと、なかなか説明
しにくいのですが、ここでは紙面の都合上、「企業の役職名」を例として
使うことにします。(あくまでも「例」であって、企業の役職名はこう訳し
ましょうという話ではありません。念のため)

例えば、director gerente を西和辞典で見ると、「常務取締役」や
「専務取締役」と載っていることがあります。

企業の役職名というと、ふつう頭に浮かぶのは

  会長 社長 (代表)取締役 常務(取締役) 専務(取締役)…

ですから、辞書を引いて、「あった。やったね!」・・・と思うかも
しれません。でもそこで止まってしまうと、「翻訳」ではなくて
「西文和訳」になってしまいます。

ここで認識しておきたいことは、これらの日本語はあくまでも日本の
会社組織における役職名であるということ。

例えば上記のうち、日本の「会社法」で設置が義務づけられているのは
「(代表)取締役」だけであるということをご存知でしょうか。その他は、
その会社の定款などで独自に(好きに)決めている地位であるわけです。
「社長」でさえも。

「専務」が社長を補佐し、「常務」は会社の常務を執行する者、などと
いうことは、日本の会社ならばほぼ同じ「常識」と言ってもいいでしょう。
つまり日本国内で「常務」と言えば、法律で定められているわけではない
けれど、だいたい同じ内容の職務を遂行する人であるということですね。

しかしそれらと完全に同一の職務内容を持つ役職が、スペイン語圏の会社
にも存在するのでしょうか?日本の会社の常識が、世界の会社の常識
なのでしょうか?

director gerente と出てきたら、なんでもいいから「常務」や「専務」
としてしまっていいのでしょうか? その director gerente さんは、
本当に株式会社の常務や専務の役目を果たしているでしょうか?

極端な例ですが、

director gerente del Fondo Monetario Internacional, Rodrigo Rato

とあったらどうしましょうか。
 「国際通貨基金のロドリゴ・ラト常務取締役」
でいいのでしょうか。まさか!

"ロドリゴ・ラト" IMF

で Google 検索してみてください。すぐに、日本語では「専務理事」と
訳されていることがわかるはずです。
(2008年8月注記:現在のIMF専務理事は Dominique Strauss-Kahn)

IMFは国際機関ですから、おかしいことにすぐ気がつきます。
しかし会社の役職名ならば何も考えずにうっかり「常務取締役」などと
してしまいそうです。

実際、そのように訳しても良い場合もあるでしょう。その会社の director
gerente の地位が、日本の「常務取締役」と同等の職務内容であるなら、
そう訳しても問題ないかもしれません。

でも、これが例えば工場の director gerente だったら?NPOの director
gerente だったら?どれも「専務取締役」「常務取締役」ではおかしいのは
明らかですよね。

 「でもさ〜。じゃあ辞書にはウソが書いてあるわけ?」

そうですね、答えはイエスでありノーでもあります。

その謎解きは…次回にさせていただきます。お楽しみに!

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┃2│アースの気が散る話
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海洋哺乳類に対する興味の尽きないきょうこのごろ。

興味が高じて、ついに先日、バンドウイルカさんと泳いできました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、バンドウイルカやオキゴンドウ
クジラと一緒に泳げるプログラムをやっている水族館があり、それに
参加したのです。ほんとのとこ、海でできれば最高なのですが、なかなか
その機会もないので、とりあえずは水族館へ。

プログラムは、トレーナーのように陸上から指示を出したり餌をやったり
するものと、ウェットスーツを着て深さ4メートルのプールに入り、
一緒に泳ぐものの2つ。

実はわたしは、歩いたり走ったりするよりも泳ぐ方が楽なのでして
(いやほんと)、当然ながら泳ぐプログラムに参加しました。

でもウェットスーツを着るのは初めてで・・く、首が苦しい。でも水温は
20度だというし、着ないとたいへんよね(屋外プールでは水温が22度
くらいにならないとふつうは入りません)。それにその日は気温がうなぎ
登りでしたので、気持ち良いくらいでした。

さて、いよいよバンドウイルカさんとご対面。わ〜い。
近くで見ると身体の大きいこと!

顔を触られるのは嫌いだとのことなので、背中やお腹をなでなで。手触りは、
先日、別の水族館で触らせてもらったカマイルカのほうがずっといい感じ
でしたが、その暖かさやなめらかさはやはり感動的でした。

なでると気持ち良いのか、目をうっとりと閉じるんですよ。やっぱり哺乳類
だなあ。それに息継ぎの音がけっこう人間に似てたりして。ぶは!って。
もっとも、人間と違って口ではなく、頭の上にある鼻孔で息をしている
のですが。

「プールの中央で待っていれば、イルカが迎えに行きますので、背びれに
つかまって戻ってきてください」というトレーナーさんの指示に従い、
プール中央でプカプカ立ち泳ぎしながら待ちます。

イルカさん、こちらにやってきます。手を伸ばすけど〜届かない!
Otra vez!

ん〜こんどは周りをくるくる回るだけだぁ〜。ふざけてるな、こいつ。
Otra vez!

うむう、こんどはこっちに来たけど、浮いてるだけで戻ってくれない・・。
Basta ya!

「その子、ちょっと飽きっぽいので、こちらの子でいきます!」
あ、そうですか(^^;)。

もう一頭のイルカさんはすぐにやってきてくれ、背びれがうまくわたしの
手に当たるようにしてくれました。それにつかまって、びゅい〜ん!と
プールの端まで戻ります。うおー速い!やったね。

イルカといっても、性格がいろいろなんだなぁ〜ということが
よくわかる事件(?)でした。

あとで聞いた話では、集中力が続くのは20分くらいで、それを過ぎると
「エサ」でつらないとなかなか動いてくれないとのことでした。

エサは、アジやサバやホッケ。ううむ、見るからにうまそうだ(?)。

「海のトリトン」みたいに背びれの先につかまって乗ることは
できないのかと考える人がいるかもしれませんが、近くによってみると、
現実には無理、ということがわかります。

背びれが案外と小さいこともありますし、背びれの上のほうはぐにゃぐにゃで、
下手に触ると痛いのだそうです。だから乗るならクジラ!(オキゴンドウも
バンドウイルカもカマイルカも、すべて同じマイルカ科で、大きさが違う
だけなんですけどね)

ということで、こんどはオキゴンドウと泳ぐプログラムに
参加することにします。

マイルカ科程度がマイブームのうちはいいけど、シロナガスクジラに興味が
向かったらどうしよう。同時並行でここ何年も恐竜がマイブームだけれど、
あれは骨しか残ってないから・・。シロナガスクジラと一緒に泳ぐのは、
たいへんだろうなあ。困ったなあ。(あほ)

◆編集後記◆
アースです。
ここ半年ほど、頭について離れないメロディーがあります。音階は、
ミ〜レラレミ〜レラレミ〜レラレミ〜レラ〜ソラ〜
ラ♭ソ〜ファドファソ〜・・・
(キーはめちゃめちゃです)
という感じで、「レラ〜ソラ〜」の部分に Too soon, too soon かなにかの
歌詞が重なります。たぶんアメリカのオールディーズだと思うのですが、
このサビの部分しか思い出せないのです。うきーっ!
歌っていたのは女性です。
どなたか、ピンときたら110番。じゃなくてぜひともアースまで
ご連絡を!!(粗品さしあげません)

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