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2008年7月9日

 スペイン語翻訳者になろう vol.083

 おはようございます、アースです。
 先週はアース・ピーチが同時に体調を崩し、やむなく休刊とさせて
 頂きました。楽しみにして下さっていた方、ごめんなさい。
 御蔭さまで2人とも今は元気ですので、ご安心ください。
 すでに酷暑となっている地域もあるようですので、みなさんも
 どうぞご自愛下さいね。
 冷房なしの我が家では、今年もコンピュータが発する熱との戦いの
 日々がやってまいりました。自分だけじゃなくて、PCの体調(?)も
 気にしながら仕事しなくちゃ・・。

 さて、今週も引き続いてG8と環境関連の話題を取り上げます。
 サミットはもう始まってますが、記事が間に合わなかったので
 今週は開催前の記事を使います。それでは始めましょう。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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◇本日の課題
Los lideres del G8 acordaran tomar sus propias iniciativas para
reducir o abolir los aranceles a las importaciones de bienes
industriales que reducen las emisiones de gases que producen
el efecto invernadero, dijo el viernes el periodico japones Asahi.

【構造図】
Los lideres del G8 acordaran tomar sus propias iniciativas
  para reducir o abolir
        los aranceles a las importaciones de bienes industriales
                                  que reducen las emisiones de gases
                                    que producen el efecto invernadero,
dijo el viernes el periodico japones Asahi.

【語注】
lideres del G8   :主要8ヶ国(G8)首脳
abolir       :撤廃する
aranceles a las importaciones:輸入関税(率)
bienes industriales:経済の文脈では通常、bienes(複数形)を「財」と訳
           しますが、「工業財」は聞きなれないので、ここは
          「工業製品」などとしたほうがいいでしょう。
emisiones de gases :「ガス排出(量)」。ここでいう gases はもちろん
           gases de efecto invernadero(温室効果ガス)のこ
           とです。「二酸化炭素排出(量)」は emisiones de
           CO2。
efecto invernadero :温室効果

【直訳】
主要8ヶ国(G8)のリーダーたちは、温室効果をもたらすガスの排出量を減
らす工業製品の輸入関税率を引き下げるかあるいは撤廃するために、彼ら固有
のイニシアティブをとることで合意したと、日本の朝日新聞が金曜日に語った。

※iniciativas はそのまま「イニシアティブ」でいいでしょう。西和辞典には
 「発意、主唱、主導権、率先」などとあり、確かに iniciativa 単独で見る
 と、これらの語義に最も近いニュアンスであることは確かです(小学館には
 「イニシアティブ」も載っています)。

 が、普通に文章の中で使われている場合、これらの語義をそのまま当てはめ
 られることはまずありません。今回のように、日本語の「イニシアティブ」
 そのままでいいこともありますし、何かのプロジェクトの話なら「計画」に
 することもあります。法律の話であれば、「法案」を意味することもありま
 す。文脈によって様々に工夫が必要な語ですね。

【練り訳案1】
日本の朝日新聞が金曜に伝えたところによると、主要8ヶ国(G8)首脳は、
温室効果ガス排出量を削減する工業製品への輸入関税を引き下げるか撤廃する
ため、独自のイニシアティブをとることで合意した。

【練り訳案2】
日本の朝日新聞の金曜日の記事によれば、主要8ヶ国(G8)首脳は、温室効
果ガスを削減する工業製品の輸入関税削減・撤廃に向け、独自のイニシアティ
ブをとることで合意したということだ。

※bienes industriales 以下は que 節が2つ重なっていて、いかにも重たい
 ですね。「〜している○○を〜できる○○を〜する」のような日本語は、何
 がどこにかかるのかわかりにくいですから、漢語でまとめてしまうのも手で
 す。練り訳では producen を訳出しませんでしたが、「温室効果ガス」とい
 う語の社会的認知度を考えても、これで十分でしょう。

※reducir o abolir も「引き下げるか撤廃する」とするより、「削減・撤廃」
 としたほうがさっぱりします。

◆編集後記◆
ピーチです。
先月のことになりますが、現代文芸論研究室主催の「世界の文学とラテンアメ
リカ」というシンポジウムに行ってまいりました。
事情により、会の前半(ラ米文学研究の第一人者・野谷文昭先生&今年度直木
賞を受賞しラ米文学通でもある作家・桜庭一樹さんの対談)
しか聞けなかったのですが、
「一日話しつづけてくれてもよろしくってよ」
と思ったくらい面白かったです。
誌幅の関係で詳細はお伝えできませんが、興味深かったエピソードのうち1つ
紹介すると、
「ラテンアメリカでは、なんでも『神話』になるのが早い」
ということ。
「ものすごい神格化されている話でも、よく読むとほんの数十年前のこと
だったりする。そういえば、ガルシア・マルケスだってまだ生きているんです
よね」
というお2人の言葉には笑いました。
確かに、例えば数年前のことでも、
「太古から伝わっている話だ」
とか言いきってしまいそうなところがありますよね。そのアバウトさ(?)が
また魅力なんですが。
ちなみに桜庭氏の「赤朽葉家の伝説」という作品は、イサベル・アジェンデの
「精霊たちの家」にインスパイアされ、章によっては少女マンガや青春小説の
要素を取り込んで書かれたものだそうです。
この本、わたしも既読でしたが、まさにそんな感じだなあと思いながら楽しく
拝聴していました。
(余談ですが、当日野谷先生が持参していらした「赤朽葉家」には
 夥し〜い数の付箋が貼られていました。
 あの本を見て、桜庭さんはさぞや嬉しかったことでしょう!)

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