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2008年5月28日

 スペイン語翻訳者になろう vol.078

 おはようございます。
 今週末の名古屋セミナーに向けて鋭意準備中のアースです。
 ふと名古屋の最高気温を見ると、さ、さんじゅうど〜??
 当地との温度差は7,8度はありそうです。
 例によって内容ぎっちりの講義になりそうだし(参加者は覚悟されたし)、
 気を引き締めていかなくちゃ・・

 さて、アース&ピーチ共著による翻訳の学習教材を発売してから
 はや2週間が過ぎました。予想を超えるご注文をいただいて、2人とも
 感激しております。先日は、これまた満面の笑みが広がってしまって
 ニコニコが止まらない感想を、ある読者の方からいただきました。
 このメルマガの最後のほうに、その感想とともに教材の詳細について
 掲載致しましたので、ぜひご覧下さいね。まだ購入を迷っている方には、
 最後の一押しになるかも・・?(希望)

 さて、きょうはレプソルの名前の由来、2回目です。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃  Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜
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【企業名の由来(その2)】

さて、先週はスペインの大手石油企業である Repsol-YPF のホームページを
調べただけで終わってしまいました。そこには Repsol の語源は載って
いませんでしたので、今週は Google を使って調べていくことに
しましょう。

こういった調査の場合は、どんな検索キーワードを設定するかが
とても重要になります。

検索の際、疑問文をそのまま入れている人をよく見かけます。例えば
「スペイン語で社長は」みたいな感じです(「社長」ならば和西辞典を
引けば解決しますが、ここは単なる例ということで考えてください)。

これですと確かに「スペイン語」と「社長」という2つの言葉が含まれた
ページがヒットしますけれども、

 「うちの社長なんかさ〜スペイン語が話せるとかいってぇ〜」

・・・などと書かれた日本語の個人ブログまでもヒットしてしまいますよね。

Google などでは半角カッコで囲むとそのかたまりのままで
検索してくれますが、

 "スペイン語で社長は"

で調べてみても、1件もヒットしませんでした。当然といえば当然です。

Google 検索では、文章よりも短い単語をどんどん入れて情報を絞り込んだ
ほうが、効率良く目的の情報に行き着けることが多いようです。上の場合
ですと、

 スペイン語 社長

のような感じです。が、これではやはり日本語だけのブログも拾って
しまいますから、何かスペイン語の単語を入れると、日本語とスペイン語
が併記されたページに行き当たる確率が上がります。例えば

 スペイン語 社長 empresa

と入れてみたら、けっこうヒットしました。すぐに presidente とか
director などの答えが出てきます(ただ、こういう調査法では個人
ページも多くヒットしますので、信頼できるかどうかは慎重に判断する
必要があります)。

本筋に戻ります。いまは Repsol の語源を調べたいわけですから、
「レプソルの語源は」などと入れるのではなく、単に Repsol と、
「語源」にあたるスペイン語を入れてやると良さそうです。

「語源」を和西辞典で引くと、etimologia とか origen de una palabra
とか載っていますけれども、etimologia はどうも言語学的な響きも感じて
しまうので、ここは単純に origen だけにしてみましょう。

Repsol origen

で Google 検索したら、まず目に付いたのは

http://www.clarin.com/suplementos/economico/1999/06/13/o-00402e.htm

でした。これはアルゼンチンのクラリン紙ですから信用しても
良さそうです。ゴンサレス政権が民営化時に新しい企業につける
良い名前を探していたところ、

Aparecio' entonces el nombre de un lubricante fabricado por una
empresa llamada REPESA, filial de otra llamada EMPESA (Empresa
Nacional del Petroleo), Repsol, la denominacion del lubricante,
que no significa nada, pero suena bien.

ということでした。つまり国営石油会社の EMPESA の子会社である
REPESA という会社の製品のひとつに Repsol という潤滑油があって、
それが「何の意味もないけど響きが良い」ので、採用したということ
ですね。

でも、この前の文章では、

 la futura gran petrolera espanola(将来のスペインの大石油会社)

にふさわしい名前を探していたとあるのに、そんな決め方でいいの・・?
ほんとなのそれ?

と、いささか不安になってきましたので裏をとってみましょう。
とりあえず、国営石油会社の EMPESA やら、REPESA やら、lubricante
(潤滑油)やらが関係しているかもしれないことだけはわかりましたので、

 Repsol REPESA EMPESA
 Repsol EMPESA lubricante
 Repsol REPESA lubricante

などと入れて Google 検索してみます。

origen と入れなくてもいいの?と思うかもしれませんが、さきほどの
クラリン紙の記事で、REPESA や EMPESA は Repsol の語源と関係あると
いうことがすでにわかっているわけですから、origen はなくても構いません。

こういうときは、逆にヒットの可能性を減らすかもしれない単語は
極力入れず、関連が高いと思われるものだけを並べます。語源の話をして
いても、origen という言葉を使っているとは限らないからです。実際、
下で発見したページには、origen という言葉は入っていませんでした。

さて、上記3通りのうち、どの場合も

http://www.elmundo.es/sudinero/noticias/edit-73.html

がヒットしました。これはスペインの新聞エル・ムンド紙のページですから、
ますます信用しても良さそうです。

しかし!これによると、「レプソル」は潤滑油企業の REPESA の最初の
Rep と、スペインを象徴づける天体(つまり太陽=sol)を合わせたもの
であると説明されています。

どっちがほんとなの!? しかもしかも、今度は

 Repsol etimologia

で検索してみたところ、

 Refineria de Petroleo de escombreras Oil

の頭文字をとったという説明のものもありました。ただどうもそれは
個人ブログだったようなので、やはりクラリン紙かエル・ムンド紙のほうが
信用できるかもしれません。そのほうが説明としてはおもしろいですし
(そういう問題じゃない?)。

実際、日々調査する中で「答えが複数ある」ことはよくあります。それらの
答えの中でどれが信憑性が高いのかを見極める目も必要ということですね。
レプソルの場合も、もう少し時間をかけて調べれば、おそらくひとつに
絞れるのではないかと思います。ですが今回はここらにしておきましょう。

もしどうしても気になって、ネット調査でも判明しなかったら、レプソルに
メールを出して聞いてみれば案外答えてくれるかもしれません。
実行した方はぜひ答えを教えてくださいね(笑)。

※さて、先週の問題の答えを以下に載せておきます。

Pemex   = Petroleos Mexicanos       = メキシコ石油公社
PDVSA   = Petroleos de Venezuela, S.A.  = ベネズエラ石油公社
Petrobras = Petroleo Brasileiro S.A.    = ブラジル石油公社
ENAP    = Empresa Nacional del Petroleo = チリ石油公社

というわけで、すべて石油会社の名前でした。

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☆★☆読者の方から早速ご感想をいただきました☆★☆

 感想を一言お伝えしたく、ご連絡いたしました。

 まず、本当に感謝しております!!
 最高の教材を届けてくださり、ありがとうございます。

 講座に参加できなかったので、今回の教材をとても楽しみにしていました。
 早速開いてみたら・・・!!
 内容の濃さ・挑戦のしがい、すべてが期待通りで、ワクワクしています。
 「ここまで教材で公開してしまっていいの?!」というほどの濃密さ。

 読み進むにつれて、今まで学習してきた中で生じた疑問やモヤモヤが
 晴れてくる。そしてまたその先が見えてくる。
 という手応えが確かになってきています。

 その手応えを得られる教材を、待っていました。
 熟読して、学習に役立てさせていただきます。
 どこまで成長できるか、モチベーションを高く持って挑戦していこうと
 思います。

 ボリュームのある教材ですが、データ化されていることによって
 「とっつきやすさポイント」もかなり高いと感じました。
 日ごとに学習範囲を決めてプリントし、
 通勤時やカフェでさっと取り出すも良し、
 書き込みをしても、何度でもまっさらの状態でプリントし直せるし、
 PCでどこにでも連れていけるし、
 とイイことづくめです。

 どうもありがとうございました。
                (A・Tさん)

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◆編集後記◆
ピーチです。
上掲のA・Tさんのご感想、著者ですら気がつかなかったような点まで指摘
(称賛)していただいて、本当にうれしかったです。
今回はスイートなお褒めのお言葉でしたが、辛口のご意見であってもありがた
く拝聴致しますので、是非ご感想をお寄せ下さいね。
それはそうと、これまでスペイン語翻訳の解説書は(恐らく)存在していな
かったわけですので、たぶん隠れた需要はあるのではと思っております。
「自分は必要ないけれど、必要としていそうな人たち(もしくは学校などの組
織)を知っている」という方がいらしたら、紹介チラシをお送りしたいと存じ
ますので、是非info@pie.vcまで、送り先の御住所と御名前、チラシの希望枚
数をお知らせください。楽しみにお待ちしております。

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