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2008年4月

 スペイン語翻訳者になろう vol.074

 おはようございます。アースです。
 さわやかなお天気が続いていますね。最近のわたしの興味は
 うちの庭にモグラさんが何匹いるか。我が家は毎年、チューリップを
 100球以上植えるのですが、そのうち、昨年秋に新たに買った球根
 からまったく芽が出ず、すべてモグラさんに食べられたもよう。
 チューリップの球根は甘くておいしいらしいので、ちょっと
 くやしいです(くやしがるとこはそこ?)。

 さて、先週の1周年記念号で、私たちアース&ピーチ共著の翻訳解説書
 発売についてお知らせしたところ、メルマガ配信直後から注文が殺到!
 ・・・はしませんでしたが、予想以上の反応をいただいております。
 お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます!
 まだ迷っているそこのあなた、セミナーと違って申込み締切は
 ありませんし、紙の本と違って絶版もありませんので、
 どうぞゆっくりご検討下さいね。

 それではさっそく本題に入っていきましょう。

     ☆          ☆         ☆

今週号と来週号はいつもの「ちょくねりメソッドで翻訳に挑戦しよう」を
お届けいたします。すぐ、いつもとちょっと違うぞ?ということに気づいて
いただけると思います。進め方も違いますし、解説が通常に比べて「かなり」
詳しくなっております。

じつは今回のちょくねりコーナー、上述の

   『スペイン語実務翻訳講座
     〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力をつけよう』

の構成に沿って作ってみました。

それにより、この教材の雰囲気や特長をより具体的にわかっていただける
のではないかと考えたのです。もちろんこの「ちょくねりコーナー」に
くらべて、教材のほうが課題文も長いですし、課題の難易度も高めなので、
解説はより充実しています。

が、「大体こんな感じです」ということが分かっていただければと思います。
いかがでしょうか?

ちょっとでも『スペイン語実務翻訳講座』に興味を持たれた方は、

 →http://pie.vc/textbook/index.html

へどうぞ!!!

今週と来週は、同じ課題文を使用します。今週は「直訳」、来週は
「練り訳」です。直訳・練り訳ともに、解説を見る前にまずご自分で
訳してみることをお勧めします。

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃   「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう 
┃       〜教材発売記念バージョン〜
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【課題文】
La llama olimpica fue escoltada en todo momento por la policia
australiana, mientras tres guardas chinos que habitualmente
la acompan~an se quedaron en la retaguardia y no tuvieron que
intervenir en ningun momento para garantizar el desarrollo pacifico
de los relevos. (EFE)

原文→http://www.terra.com/deportes/articulo/html/fox575319.htm
     (課題文は3段落目)

【構造図】
 La llama olimpica fue escoltada
          en todo momento
          por la policia australiana,
mientras
 tres guardas chinos que habitualmente la acompan~an
     (1) se quedaron en la retaguardia y
     (2) no tuvieron que intervenir
        en ningun momento
        para garantizar el desarrollo pacifico de los relevos.

 ※(1)と(2)が並列

【直訳例】
聖火は、いかなるときにもオーストラリアの警察によって護衛された。その
間、いつも聖火に同行している3人の中国人警備員は背後にとどまり、リレー
の平和な進展を保証するために介入する必要はいかなるときにもなかった。

【解説】
●この記事の全文は以下のサイトに載っていますので、できればこの前の部分
 を読んでから課題文の直訳にとりかかることをお勧めします。
 (http://www.terra.com/deportes/articulo/html/fox575319.htm

●記事を最初から読めばわかるのですが、La llama olimpica は antorcha
 olimpica を受けていますので、直訳段階でも「オリンピックの火」ではな
 く「聖火」としてしまって良いでしょう。もし前に antorcha olimpica が
 なくても、ここでは明らかに「聖火」のことですから、直訳であっても
 「オリンピックの炎」としないほうがよいでしょう。

●この文章は mientras を挟んで大きく2つに分かれており、内容が前後で対
 照的になっていることがわかります。もっとも分かりやすいのが en todo
 momento と en ningun momento の対比ですね。少なくとも直訳段階で
 は、その対比がわかるように訳すとおもしろいと思います。

●la policia は女性形なので、「(組織としての)警察」と「女性警察官」
 の2つの可能性があります。が、聖火を警護する警察官がひとりだったはず
 はありませんから、ここでは明らかに「(オーストラリア)警察」のこと。
 もし「男性警察官」ならば el policia になります。

●tres guardas chinos que habitualmente la acompan~an の acompan~an
 が現在形であることに気がついたでしょうか。他の動詞はすべて点過去なの
 に、ここだけ現在形ですね。その理由を解明するカギは habitualmente に
 あります。

 habitualmente=「習慣的」という意味ですから、「聖火リレーが行われる
 ときは常に(警備員が)それにつきそう」というニュアンスです。
 habitualmente はたとえば

   En 2000 la mitad de los internautas usaban habitualmente
   la banca por Internet.
   2000年時点では、ネットユーザーの半数がネットバンキングを
   常用していた。

 のように、その時点に習慣となっていることを言う場合に使われますよね。
 この例の場合は2000年時点のことなので線過去ですが、今回の聖火リレーの
 場合は、まさに「現在」の話。

 すなわち、聖火がギリシャを出てからこの時点(オーストラリアでの聖火リ
 レー時)まで guardas chinos が常時同行してきていたし、今後も、聖火が
 北京に到達するまで同行し続けるため(つまりまさに「今の習慣」)、現在
 形をつかうのが最適ということです。

●tres guardas chinos que habitualmente la acompan~an にはもうひとつ
 問題があります。la が何を受けているかということです。これより前に出
 てくる女性名詞は La llama olimpica と la policia australiana なの
 で、そのどちらか。文法的にはどちらの可能性もありますが、文脈から考え
 れば当然、前者ですよね。

 ここの場合はほぼ問題なく正解に行き着けると思いますが、もっと複雑な文
 章の場合は、文脈をしっかり把握していないと簡単に間違えてしまいますの
 で気をつけましょう。

●se quedaron en la retaguardia の quedarse は「〜の状態になる」の意味
 でよく使われますので、うっかりそちらにしてしまいそうですが、ここでは
 原義ともいえる「〜にとどまる、居残る」の意味。

 また retaguardia を辞書で引きますと「《軍事》後衛、銃後」(白水社
 『現代スペイン語辞典』)などといかにも大げさですが、要するに、「とく
 に混乱が起きなかったので出番がなく、オーストラリア警察に護衛を任せて
 いた」ということでしょう。

●para garantizar el desarrollo pacifico de los relevos を、直訳だから
 といってうっかり「リレーの平和な発展を保証するために」と訳してしまわ
 ないように注意しましょう。「リレーの発展」では意味をなしませんよね。
 desarrollo には「進展」「展開」などの意味があり、ここではその意味で
 使われています。

  desarrollo=「発展」と覚えている人は多いと思いますし、確かに辞書の第
 一義もそうなっているのですが、desarrollo は他にも様々な意味で使われ
 ます。このケースに限らず、少しでも「合わないな」「何となくおかしいな」
 などと感じたら、ためらわずに辞書を引きましょう。

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    『スペイン語実務翻訳講座
       〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力をつけよう』

       ・A4サイズ・約120ページ
       ・定価4,000円(税込)
       ・2008年5月14日販売開始
       ・当面はPDFファイルでのダウンロード発売

   ■予約特典■
    5月13日までに予約していただいた方に限り、定価4,000円(税込)
    のところ3,500円にてご提供致します。

   ご予約・お申込みはこちらから
       →http://pie.vc/textbook/index.html
       ◆内容のサンプルが上記アドレスでご覧になれます◆


★本教材に関し、わたしたちが尊敬する、フリーランスのスペイン語通訳者
 (兼翻訳者)である吉田理加さんから推薦のことばをいただいています。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++
+                                 +
+  経済辞書が出来上がり、少しはのんびりされるのかと思っていま  +
+  したが、メルマガ発行、ちょくねりメソッドのテキスト作成と、  +
+  勢いがとまらない元気なお2人ですね。             +
+                                 +
+  このテキストの最大の特徴は、「翻訳者の思考の流れが可視化さ  +
+  れている」という点にあると思います。皆さんもご存知の通り、  +
+  翻訳とは、起点言語のテクストの意味を正確に理解し、目標言語  +
+  でそれを忠実に表現しなおす作業です。             +
+                                 +
+  「ちょくねりメソッド」は、直訳という作業を通して、起点言語  +
+  の原文としっかり向き合い、原文の意味を正確に理解したうえで、 +
+  それを訳出言語で忠実に表現するために「練る」作業を行なうと  +
+  いうものです。                        +
+                                 +
+  このテキストでは、このような作業を実際にどのように行なえば  +
+  いいのかについて、手取り足取り詳細に、かつ具体的に説明がな  +
+  されています。また、取り上げられている文章はしっかりとした  +
+  厚みのあるものですので、スペイン語の学習教材としても利用価  +
+  値が高いものです。                      +
+                                 +
+  このテキストを通して、翻訳とは単に言語変換作業ではなく、言  +
+  語が用いられている社会・環境・人間関係などのコンテクストを  +
+  考慮に入れた社会的再生産のプロセスであるということを体験な  +
+  さってみてください。スペイン語の読解力と日本語表現力を向上  +
+  させるヒントが満載の一冊です。(吉田理加)          +
+                                 +

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◆編集後記◆
ピーチです。
GWですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
わたしは昨日、「炎神戦隊ゴーオンジャー」のショーを見て参りました。
出演者たちの、鍛え抜かれ研ぎ澄まされた運動能力に、口をあんぐり開けて
見入ってしまいました。
あれだけの動きが確実にできるようになるには、日々の鍛練と節制が不可欠
なのだろうなあ。
だからといって、この後記のオチとして、
「スペイン語翻訳も同じです。毎日すこしずつでも勉強しましょう」
などと書く気は毛頭ございません。
それを言うべき相手は、誰よりまず自分自身なのですから。
(達人への道は険しいなあ。嗚呼・・・)

|

 スペイン語翻訳者になろう vol.073

 おはようございます、アース&ピーチです。
 きょうは4月23日。なんと、本メルマガ発行開始からちょうど
 1年が経過いたしました。

   *。・゜*。・゜* おめでとう〜!!! *。・゜・*。・゜

 と自ら言うのも変ですが、ここまで続けてこられたのも、読者の
 皆様が暖かく支えてくださったおかげです。ありがとうございます!!
 これからも地道にしかし発想豊かに、そして苦しみつつも楽しめる
 メルマガ作りを目指して参ります。よろしくお願い致します。

 そういうわけで、今号は特別号!

 実はこのたび、私たちのこの1年間の活動の集大成とも言える
 (かもしれない)「翻訳解説書」を発売することが決定しましたので、
 記念号の場を使って、皆様に詳しくお知らせしたいと思います。
 この教材は、これまで本メルマガを読んできてくださった皆様に
 必ずや満足していただけるものとなっていることを、アースも
 ピーチも確信しています。

 以下の文章は、一義的には教材の紹介(宣伝)ではありますが、
 同時に「翻訳」というものに対する私たちの「基本的スタンス」も
 示したものです。つまり、本メルマガの「魂」がこめられているとも
 言えるかと思いますので、少々長文ではありますが、最後まで
 お目通しいただければ幸いです。

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┯━┓
┃☆│ スペイン語界初!本格的な「翻訳解説書」発売のお知らせ │☆┃
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┷━┛

先日のメルマガでお知らせしましたとおり、このたび、私たち
アース&ピーチの共同執筆による翻訳解説書を発売することと
なりました。

    『スペイン語実務翻訳講座
       〜ちょくねりメソッドで確かな翻訳力をつけよう』

       ・A4サイズ・約120ページ
       ・定価4,000円(税込)
       ・2008年5月14日販売開始
       ・当面はPDFファイルでのダウンロード発売

   ■予約特典■
    5月13日までに予約していただいた方に限り、定価4,000円(税込)
    のところ3,500円にてご提供致します。

   ご予約・お申込みはこちらから
       →http://pie.vc/textbook/index.html
       ◆内容のサンプルが上記アドレスでご覧になれます◆

ご存知の通り、日本で出ているスペイン語教材の数と種類は英語と比べると極
端に少なく、学習者や実務者は相当な苦労をしています。ましてや「スペイン
語翻訳」に関するまとまった解説書となると、これまでほとんど存在しません
でした。ですから今回私たちが作り上げたこの教材は、おそらく「本邦初」の
ものになると思います。また、単にスペイン語界で初めてというだけでなく、
「翻訳解説書」としても、従来の常識を打ち破る斬新な構成・内容のものであ
ると自負しています。

本教材は、さまざまな目的でスペイン語を学習している方々に幅広く対応でき
るものとなることを考えて制作致しました。その結果、スペイン語実務翻訳者
を目指す方のみならず、スペイン語検定(筆記試験)の合格を目指す方、スペ
イン語の解釈力や日本語の訳文作成力を上げたい方、本格的に翻訳をやったこ
とがないがチャレンジしてみたいというような方まで、幅広く活用していただ
けるものになっていると思います。

「いったいどんな教材なんだろう?」と興味が湧いた方のために、

   ・翻訳のグレーゾーンに焦点を当てた詳細な解説
   ・ちょくねりメソッドを採用
   ・「プロの思考プロセス」を開示

について、1つずつ詳しくご紹介します。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 翻訳のグレーゾーンに焦点を当てた詳細な解説
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

言語を問わず、翻訳学習のための教材は、

 ・原文
 ・訳例(正解)
 ・文法の解説

だけで構成されているものが多いようです。しかし翻訳学習者が往々にして悩
むのは、

 ・自分がどこでつまずいたのかわからない
 ・自分の訳がどうしてだめなのかわからない
 ・自分の訳は「正解」とは異なるが、まったくの間違いなのか、
  あるいはちょっと惜しいだけなのかわからない

といった部分ではないでしょうか。

教材に「訳例(正解)」だけが提示されていると、その訳でなければだめであ
るかのように思い込み、「いつまで経っても力がつかない」と感じてやる気を
なくしたり、逆に「正解」が出せれば「これでもう完璧!」などと早合点して
しまう・・・そのようなことが起こりがちですが、実際の翻訳というのはそん
なに単純に優劣を決められるものではありません。

そもそも、「正解の翻訳(※)」と「だめな翻訳」の2つにきっぱりと分ける
ことなどできないのです。そして、ほとんどの訳文は、「正解の翻訳」と「だ
めな翻訳」のあいだ(いわばグレーゾーン)に存在していると考えて間違いあ
りません。

  ※そもそも、この世に「万人が最上と考える翻訳」など存在しません。
   文章解釈だけを見ても必ずひとつに絞れるとは限りませんし、まっ
   たく同じ文章だったとしても、その背景や訳すタイミング、読み手
   は誰か、どこに掲載されるのか等々、ありとあらゆる状況を勘案し
   て少しずつ変えていく必要があります。その意味では、「正解の翻
   訳」という言い方そのものがおかしいとも言えます。

私たちの教材では、その「グレーゾーン」に焦点を当て、「別の解釈はあり得
ないのか」など、豊富な実例を交えながら紙幅をいっさい気にすることなく、
細部にわたって説明を尽くしました。

従って、本教材の課題文はわずか1000ワードにも満たない量なのですが、全体
で120ページ近い解説(A4)となっています。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ちょくねりメソッドを採用
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本教材では、私たちが開発した翻訳の学習方式である「ちょくねりメソッド」
を使用しています(本メルマガの「“ちょくねりメソッド”で翻訳に挑戦しよ
う」コーナーで実践中)。

これは、第一段階として正確に文意を汲み取った訳文(直訳)を作成し、第二
段階において、日本語として自然で読みやすい文章(練り訳)へと進化させる
という二段階を経ることで、商品価値のある訳文の完成を目指すものです。

従って本教材の解説は、前半の「直訳」と後半の「練り訳」の二部構成になっ
ています。すべての文章に分り易い構造分解図をつけたうえで、語彙の選び方
や解釈の仕方などについて、直訳と練り訳のそれぞれで非常に詳細な説明を
行っているため、翻訳者志望者のみならず、スペイン語検定の1〜3級をはじ
めとした各種試験を目指す方にも役に立つ内容となっています。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 「プロの思考プロセス」を開示
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本教材が力を入れているポイントのひとつに、「プロの翻訳者が無意識に行っ
ている思考プロセスの開示」があります。これは従来型の教材や講座ではなか
なかされることのなかった試みであると思います。

翻訳とは、単なる「スペイン語から日本語への移し替え」ではなく、文章構造
・単語・文脈・背景など無数の事柄をすべて頭にインプットし、十分に咀嚼し、
それぞれの重要度を測り、原文の言わんとするところをなるべく完璧な形で反
映し、しかも自然な日本語でアウトプットするという、極めて高度な思考プロ
セスであると言えます。

外国語→日本語の機械翻訳が、定型文以外では必ずといっていいほど不自然な
訳文になってしまうのも、少なくとも現在のコンピュータでは、こういった精
緻なプロセスをこなす能力がないからです。

実は一番大事とも言えるこのプロセスについて、従来の教材や講座では、ほと
んど説明されてきませんでした。しかし私たちの教材では、「最上の結果(成
果品)を示すことに主眼を置いた解説」ではなく、「最上の結果を探る思考の
プロセスが見える解説」になるよう心がけました。

本教材では、実際に仕事で翻訳を行う際に気をつけるべき点などについても随
所で触れており、とくに練り訳解説では、翻訳者同士の会話形式という気楽に
読める文体ながら、極めて実践的で有用性の高い内容が豊富に盛り込んであり
ます。

    ご予約・お申込みはこちらから
       →http://pie.vc/textbook/index.html
       ◆内容のサンプルが上記アドレスでご覧になれます◆

★本教材に関し、わたしたちが尊敬する、フリーランスのスペイン語通訳者
 (兼翻訳者)である吉田理加さんから推薦のことばをいただきました。

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+  経済辞書が出来上がり、少しはのんびりされるのかと思っていま  +
+  したが、メルマガ発行、ちょくねりメソッドのテキスト作成と、  +
+  勢いがとまらない元気なお2人ですね。             +
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+  このテキストの最大の特徴は、「翻訳者の思考の流れが可視化さ  +
+  れている」という点にあると思います。皆さんもご存知の通り、  +
+  翻訳とは、起点言語のテクストの意味を正確に理解し、目標言語  +
+  でそれを忠実に表現しなおす作業です。             +
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+  「ちょくねりメソッド」は、直訳という作業を通して、起点言語  +
+  の原文としっかり向き合い、原文の意味を正確に理解したうえで、 +
+  それを訳出言語で忠実に表現するために「練る」作業を行なうと  +
+  いうものです。                        +
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+  このテキストでは、このような作業を実際にどのように行なえば  +
+  いいのかについて、手取り足取り詳細に、かつ具体的に説明がな  +
+  されています。また、取り上げられている文章はしっかりとした  +
+  厚みのあるものですので、スペイン語の学習教材としても利用価  +
+  値が高いものです。                      +
+                                 +
+  このテキストを通して、翻訳とは単に言語変換作業ではなく、言  +
+  語が用いられている社会・環境・人間関係などのコンテクストを  +
+  考慮に入れた社会的再生産のプロセスであるということを体験な  +
+  さってみてください。スペイン語の読解力と日本語表現力を向上  +
+  させるヒントが満載の一冊です。(吉田理加)          +
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        ☆        ☆        ☆

この教材は、2007年9月〜12月の4ヶ月間にわたり私たちが実施した「スペイン
語翻訳者養成・ちょくねりマスターコース」の講座で使用した解説書に加筆・
修正したものです。

通常の翻訳講座は、受講生と講師の一対一のやり取りになってしまいがちです
が、この講座では、受講生が提出した訳文をネット上の掲示板に掲載し、受講
生同士で互いの訳文について詳細な分析・検討を行っていただきました。

この教材は、そのときの掲示板での議論を大いに参考にして作成していますの
で、多くの学習者の視点(疑問点や間違いやすい点)を十分に取り込むことが
できたのではないかと思います。

その意味でも、同講座の元受講生の皆様には心から感謝しています。この場を
借りてお礼申し上げます。

◆「スペイン語翻訳者養成・ちょくねりマスターコース」の受講生さんの感想

2人の先生の視点による訳文の解説というのが、ここまで詳しく議論されて作
られたものはないと思います。通常の講座では、一人の先生の解釈のみを読む
ことになります。そこに疑問を挟む余地などありません。問答無用の世界なの
です。

しかしこの教材は、受講者複数名の意見・解釈も取り上げているので、自分を
含め他の学習者の解釈の仕方を垣間見られるだけでなく、先生たちがそれに対
し、「そういう解釈もアリですよ」あるいは「それはナシです」というのを、
理由をつけて説明してくれています。

他の翻訳の講座では、「先生はどうやってこの訳にたどりついたんだろう」と
思うことがたびたびありました。この教材にはプロが最終訳にたどり着くまで
の思考のプロセスがしっかりと書かれていると思います。

一度自分で課題文を訳してみてから教材を読むことで、自分がひっかかった箇
所を他の学習者や先生はどう捉えていたのかが分かり、最終の訳にたどり着く
までの議論が理解できると思います。

    ご予約・お申込みはこちらから
       →http://pie.vc/textbook/index.html
       ◆内容のサンプルが上記アドレスでご覧になれます◆


◆編集後記◆
アースです。
もう1年経ったのですね!この1年はわたしにとってエポックメイキングな年
となりました。このメルマガのおかげで新しい出会いが多数あり、またこれま
で何年もネット上でしか知らなかった人と初めて顔を合わせたということもあ
りました。セミナー講師を初めとして新しい事業にも参入(?)しましたし、も
ともと「毎日なんだかんだで楽しいわたし」ですが、この1年間はとくに楽し
かったです!ほんとうに。これもあれもどれもそれも皆さまのおかげ。その感
謝を心に秘めて、これからも楽しく役に立つメルマガをお届けしていこうと思
います。
下でピーチも書いていますが、こんな超ニッチな分野のメルマガを読む人がこ
んなにいるのだということに、とても勇気づけられます。絶対に日本全国、い
や世界中に、スペイン語翻訳を志している人がうじゃうじゃ(失礼!)いるは
ずだと思っていましたが、やっぱりそうでした。読者の皆さん同士の交流はか
ないませんが、同じ目的でつながっている人たちがいるということを、このメ
ルマガを通じて感じていただければ幸いです。

ピーチです。
私が申し上げたかったことは、ほぼすべてアースが書いてくれましたが、この
1年間(もしくは途中から)本メルマガをご購読くださった皆様に対しまして、
私ピーチからも心からの感謝を伝えたいと思います。Millones de gracias!!
「スペイン語の翻訳」という超ニッチ(マイナーともいう)分野ながら、1年
間右肩上がり(15度くらいの緩やかな傾斜度ではあれ)で読者数を増やし続け
てきたことに今更ながら驚いておりますし(口コミしてくださった皆さん、あ
りがとうございます!)、3回(のべ5回)行ったセミナーや昨秋のオンライ
ン講座を通じ、沢山の素晴らしいスペイン語仲間と知り合えたことにも大きな
喜びを感じています。
ときどきメルマガの感想などを寄せて下さるまだ見ぬ方々も含め、出会った
方々がことごとく良心的で気持のよい方ばかりで、「このメルマガが社会の縮
図だったら・・!」と願ってしまうこともしばしばでした(現実はそんなに甘
くはありませんがね)。
本メルマガがいつまで続くのかは発行人である私たちにもわかりませんが、続
ける限りはとにかく良質のものをお届けできるよう、毎回全力投球していくつ
もりですので、2年目もどうぞ宜しくお願い致します。
そして、今回ご紹介致しました教材も、最良のものを提供できるよう全力を尽
くして仕上げた作品です。きっとご満足いただけるものとなっていると思いま
すので、翻訳力向上にお役立ていただければ幸甚です。

|

 スペイン語翻訳者になろう vol.072

 おはようございます、ピーチです。
 前々回と前回の2回にわたって掲載した「調査力を磨こう〜会話 de
 調査〜」はいかがだったでしょうか?
 ひとつもリアクションをいただいておりませんので、皆さんの
 「気に入り度」を推測しようもないのですが、多分何らかの参考には
 なったのではないか・・・と勝手に思っております(楽天家)。
 しかし、かなり骨太でしたので、しっかり読んで一緒に調査を試して
 くださった方は、かなり頭が疲れてしまったかもしれませんね。
 そんな皆さんのために、今回は軽めのエンタメ・トピックで
 ちょくねりの勉強をしてみましょう。
 それにしても、以前とりあげたPちゃんもそうでしたが、今回の
 Bちゃんもこの手のネタ提供には事欠かないですね。
 華やかな舞台に立っていても、彼女たちの人生は大変そうで
 (苦悩も深そうで)、正負の法則について考えずにはいられません。

 おっと、このままだと話があらぬ方向に発展していきそうなので、
 早速本題に入ってしまいましょう。

 ==<もくじ>===========================
   1) 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
   2) 名古屋開催セミナーのご案内(締切間近です!)
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1│ 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇本日の課題
Britney Spears estuvo involucrada en un accidente menor de
transito sin lesionados ni dan~os, informaron las autoridades.
Spears se encontraba en un embotellamiento cuando su auto le pego'
a un vehiculo Nissan que se encontraba frente a ella, el cual
se habia detenido. Bajo la tutela de su padre y un abogado desde
febrero, ella ha mantenido una actitud discreta a ultimas fechas.
(AP)

【語注】
estar involucrado(a) en... :〜に巻き込まれる
accidente menor de transito:小規模の交通事故
lesionados :負傷者
dan~os   :損害
autoridades:当局、権力機関。この場合は交通事故を扱う機関ということで、
       警察と考えるのが自然でしょう(ただし訳は「当局」でOK)。
se encontraba...:〜(の場所・状態)にあった
embotellamiento:(交通)渋滞
pego'   :殴った、一撃を加えた
bajo la tutela de ...:〜の保護下に、〜の観察下に
actitud discreta:慎しみ深い態度、控え目な態度
a ultimas fechas:最近、このごろ

【直訳】
ブリトニー・スピアーズは、負傷者も損害もない小規模な交通事故に巻き込ま
れたと、当局は発表した。彼女の車が、彼女の前にあった日産の車に一撃を加
えたとき、スピアーズは交通渋滞の中にいた。その日産車は停車していた。2
月から父親と弁護士の保護観察下で、最近彼女は慎重な態度を維持していた。

※estuvo involucrada en un accidente とありますが、事実関係を調査する
 と、「巻き込まれた」のではなく、「引き起こした」が正解のようです。今
 回の課題文からもそれは読み取れますね。そこで、練り訳では実際の状況に
 即して訳すことにします。

※un accidente menor de transito sin lesionados ni dan~os とあります
 が、他の報道では「玉突き衝突」になっており、とすると dan~os がまった
 くゼロということはありえないはずです。そう思って別の記事を調べると
 accidente de trafico en el que no hubo heridos ni danos de
 importancia とありました。実際には「損害ゼロ」だったのではなく、
 「大した損害はなかった」ということでしょう。練り訳ではそのように訳す
 ことにします。

※el cual は un vehiculo Nissan を受けています。

※se habia detenido の時制にご注意ください。pego' より se habia
 detenido のほうが時制が前ですので、「衝突した時には日産車はすでに止
 まっていた」、つまり「止まっていた日産車に衝突した」ということです。
 この時制を正確に訳文に反映させないと、事故の状況説明がまるで変わって
 しまいますので気をつけましょう(「止まった(止まるという動作をしてい
 た)車に追突した」のと、「すでに止まっていた車に追突した」のとでは
 まったく違いますよね)。
 この状況を訳文に反映させるのは難しいですが、ちょっと大げさなくらい時
 制を強調した訳文にするのもいいかもしれません。たとえば、「彼女の車が
 彼女の前にあった日産の車に一撃を加えたとき、スピアーズは交通渋滞の中
 にいた。その時、その日産車はすでに停車した状態にあった」のように。

※que se encontraba frente a ella と el cual se habia detenido はとも
 に vehiculo Nissan を説明しているので、日本語ではまとめてしまっても
 いいでしょう。

【練り訳】
当局の発表によると、ブリトニー・スピアーズが軽度の交通事故を起こした。
負傷者はなく、大した損害も出なかった。交通渋滞にはまったブリトニーの車
が、すぐ前に停止していた日産車に衝突したという。ブリトニーは2月以来、
父親と弁護士の保護観察下に置かれ、最近は慎みある態度を保っていた。

【構造図】
今回は3文ともそれほど難しくはありませんが、いちおう構造図を載せておき
ます。

   Britney Spears estuvo involucrada
          en un accidente menor de transito
                       sin lesionados ni dan~os,
informaron las autoridades.

Spears se encontraba en un embotellamiento
cuando su auto le pego' a un vehiculo Nissan
                              que se encontraba frente a ella,
                              el cual se habia detenido.

   Bajo la tutela de    (1)su padre y     desde febrero,
                        (2)un abogado
ella ha mantenido una actitud discreta
                          a ultimas fechas.

※(1)と(2)は並列

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┃2│ 名古屋開催セミナーのご案内(締切間近です!!)
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先日からお知らせしております名古屋開催の翻訳セミナーの
締切が20日に迫っております。講師は現在、インターネット調査と
翻訳問題からなる事前課題をちゃくちゃくと準備中です。

次回は東海地方でいつ開催できるかわかりませんので、この機会に
ぜひご参加下さいね!

 ※詳細はこちら
     →http://www.pie.vc/course/index.html

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   『 ス ペ イ ン 語 翻 訳 力 UP セ ミ ナ ー in Nagoya 』

  実務翻訳では必要不可欠な「インターネット調査術」と、正確で読み
  やすい「商品としての訳文」を作るための翻訳術を学ぶセミナーです。
  実際にネットに接続しての「検索実演」や、事前課題を用いた訳文の
  細かい検討など、生の講義ならではの体験を存分にしてください。

  これまでのアース&ピーチ企画のセミナーに出席していただいた方か
  らは、「こんなに充実した講座は初めて」「実践的で非常に役に立っ
  た」から、「時間が短すぎる」との苦情(?)まで、大好評をいただい
  ています。「現場で通用する翻訳力」を鍛えるというただその一点に
  注力した私たちの講座に、あなたも参加してみませんか?

   開催日時: 2008年5月31日(土) 13:30 〜 16:30
   場所  : 名古屋国際センター(名古屋駅から徒歩約7分・
         地下鉄桜通線「国際センター」駅すぐ)
   申込締切: 2008年4月20日
   対象者 : 実務翻訳者を目指している方、インターネットを用いた
         翻訳調査スキルを極めたい方、自然な訳文が作れるよう
         になりたい方など。

     ◆当日のセミナーに加え、事前提出課題があります。
     ◆定員を超える場合は、先着順とさせていただきます。

   詳細・お申し込みはこちら→http://www.pie.vc/course/index.html

   ※これまでのセミナーの様子はこちらでご覧になれます。
     →http://www.pie.vc/report/course_report01.html(7月)
     →http://www.pie.vc/report/course_report02.html(11月)

◆編集後記◆
アースです。
ブリちゃんと言えば、少し前に、子どもを膝の上に乗せて運転していた
というので騒がれていましたね。子どもを抱いて運転するということは、
子どもをエアバッグ代わりにしているということ。
そんなのはまったくもって問題外ですが、シートベルトも、まだまだ
していない人が多いように思います。
それになんと、日本はまだ後部座席のシートベルトがまだ義務化されていない
という恐ろしい国です。後部座席だから安全だなんてことは、これぽっちも
なくて、むしろ後ろの座席のほうが危ないこともあるのに、実に不思議な
法規です。
わたしはふだんから、後部座席を含め、シートベルトを拒否する人は
絶対に乗せないようにしています。だって自分のせいで1人だってケガ
したり死んだりしてほしくないですもん。
この6月から日本でもようやく後部座席のシートベルト着用が義務化される
ようですが、周知はいまいち・・でも、そんな法規を待たずとも、そして
どの席に座っていようとも、シートベルトは必ずしたい(させたい)
ものですよね。

|

 スペイン語翻訳者になろう vol.071

 おはようございます、ピーチです。
 後述しますが、「いまのところ愛知県在住参加者のほとんどいない
 名古屋セミナー」、引き続き参加者募集中・・・だそうです。
 愛知県の皆さん、参加すれば地の利を生かしてセミナーの
 イニシアチブをとれるかもしれませんよ。
 と、意味不明な戯言はさっさとゴミ箱に捨てるとして、名古屋って、
 個性豊かな美味しいものがあれこれありそうでいいなあ〜〜。
 参加者にはもれなく、「アースと行く、名古屋食い倒れナイト」が
 ついてくる・・らしいです。未確認情報ですけど。
 ぜひいらしてくださいね。

 さて、今回のメインは前回の続き、「会話 de 調査(後編)」です。
 アースとピーチの力作(たんに肩に力が入っているだけ?)を
 ご堪能ください。

 ==<もくじ>===========================
   1) Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜会話 de 調査(後編)〜
   2) 名古屋開催セミナーのご案内(まだまだ募集中です)
 ==================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1│ Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜会話 de 調査(後編)〜
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

A:さて、先週は regeneracion asistida という正体不明のスペイン語の
  調査を行ったわけですが、

   1)まず、“regeneracion asistida”を検索してみる
   2)ヒット結果をざっと見てみる。
   3)すると、「大体こんなかんじの意味かな?」というイメージが
     つかめる。(regeneracion asistida の場合、「人の手を借りた
     再生」というニュアンス)
   4)英語では assisted regeneration ではないかとあたりをつけて
     検索してみる。
   5)出てきたページをざっとみると、ほぼスペイン語の regeneracion
     asistida とおなじ意味であると判断できる(決定打はFAOの
     ホームページ)

  ここまでで終わっていました。今週はいよいよ、どのような日本語を
  当てはめるかを考えていきましょう。「人の手を借りた再生」を
  日本語でどのように「それらしく」表現するか?もしかしたら、
  専門用語として存在するのかもしれませんが、少なくともネット検索
  では、assisted regeneration が日本語で何と呼ばれているのかまでは
  わかりませんでした。いろいろな日本語をいれて試してはみた
  のですけれど。
B:そうなると、訳者が「造語」するしかないわけですね。難しいなあ・・。
  たとえば、「人為的再生」とか?または、asistida を活かすなら、
  「援助再生」とか「補助再生」などの可能性もあるかもしれませんね。
  確立された表現としては存在しない言葉だとしても、文脈の中で
  読み手に意味が伝わるのであれば、この場合は及第点なのでは
  ないでしょうか?林業分野のプロではない私たち翻訳者にできることは
  それ以上ないわけですから。
A:そう思います。「専門用語としての日本語表現はなさそうだ」「造語
  するしかない」ということも立派な調査結果であると考えられます
  からね。
  あと、「漢語にしない」という選択肢もありますね。つまり「人為的
  再生」のような専門用語(定型の言い回し)っぽい表現をあてはめる
  のではなく、文章に埋め込む形でなんとなく表現する。
B:いいたいことは大体わかるのですが、具体的にはどんなふうにですか?
A:英語の、しかもあまり良い例でなくてすみませんが、例えば
  ハリケーンによって破壊された森林を復活させましょうという
  文脈のなかに出てきた以下の文章を、

    We may have to opt for assisted regeneration in some areas
    and natural regeneration in others.

    ある地域では人の手を加えることによって(森林を)再生し、
    別の地域では自然に再生させるというように、私たちが選択する
    必要があるかもしれません。

  のようにするとかですね。
B:なるほど、そういう手もありますね。ともあれ、それらしい漢語表現を
  造語するにしても、文章に埋め込むにしても、一番大事なのは、
  「その文脈に最も適した言葉を使っているか?」という点ですね。
  今回の表現のように定型の訳語が見つからないものの場合は、文脈に
  よって訳語を変えるしかないわけですから。
A:そうですね。たとえば、

   Una plantacion de enriquecimiento es la tecnica o practica
   de regeneracion asistida, consistente en plantar especies
   forestales, en bosques primarios o secundarios con el fin de
   mejorar la produccion y el valor futuro del bosque.

  だったら「人為的再生」でよさそうだけれど、他の文脈だったら
  それは合わないかもしれない。その辺は手抜きせずにきちんと
  検討しなくてはなりません。
B:最後に、今回の調査手順をまとめてみますと、

   1)まず、“regeneracion asistida”を検索してみる
   2)めぼしいものをざっと見てみる。
   3)すると、「大体こんなかんじの意味かな?」というイメージが
     つかめる
   4)英語ではassisted regenerationではないかとあたりをつけて
     検索してみる
   5)出てきたページをざっとみると、ほぼスペイン語の regeneracion
     asistida とおなじ意味であると判断できる(決定打はFAOの
     ホームページ)
   6)日本語で何と表現するか、個々のケースで判断する

A:はい、そんなところでしょう。
B:これらのプロセスを全部踏むのは本当に大変ですが、どれも必要な
  ステップですので、省略しないようにしたいですね。
A:そうですね。それに、そういった過程でたくさんのスペイン語を読む
  (読まされる)ことになりますから、その意味でも勉強になりますね。
B:「調査は楽しいけれど、たくさん読むのはいやだ」という人も
  結構いそうですが。
A:う〜む、その気持ち、大変よくわかります(笑)。が、それをしなくては
  ただの「趣味的調査」の域を出ないことになりますね。
B:「たくさん読まねばならない」とはいっても、「すべて精読せよ」
  というのではなく、ポイントだけ抑えればいいわけですから、
  慣れればそれほど苦痛ではなくなると思います。
A:そうですね。慣れるためにも、ぜひ今回の調査を復習してみてくださいね。

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2│ 名古屋開催セミナーのご案内(まだまだ募集中です)
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

先日からお知らせしております名古屋開催の翻訳セミナーは
引き続き募集中です。まだお悩みの方も、そろそろ決心して
お申し込みをしてくださいね。締切は4月20日です。

「セミナーに出たことがないので不安」との声をちらほら
聞くのですが、誰しも「最初」はあります。やる気さえあれば
大丈夫です!なにより、同じ「スペイン語翻訳を学ぶ仲間」に
出会うチャンスですよ〜。

ところで。

名古屋での開催ですのに、なんと、これまでにお申し込みを
いただいた方の中に、名古屋市民・愛知県民がほとんど
いらっしゃらないというオドロキの展開になっております。

それでいいのか愛知県!
どなたか、ぜひ名乗りをあげてください(ってちがう?)。

もちろん愛知県外の方も大歓迎です(^^)。セミナーで頭を
使い尽くしたあとは、ひつまぶしと小倉トーストとみそ煮込み
うどんを食べて帰りましょう〜。(ちがうってば)

 ※詳細はこちら
     →http://www.pie.vc/course/index.html

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  細かい検討など、生の講義ならではの体験を存分にしてください。

  これまでのアース&ピーチ企画のセミナーに出席していただいた方か
  らは、「こんなに充実した講座は初めて」「実践的で非常に役に立っ
  た」から、「時間が短すぎる」との苦情(?)まで、大好評をいただい
  ています。「現場で通用する翻訳力」を鍛えるというただその一点に
  注力した私たちの講座に、あなたも参加してみませんか?

   開催日時: 2008年5月31日(土) 13:30 〜 16:30
   場所  : 名古屋国際センター(名古屋駅から徒歩約7分・
         地下鉄桜通線「国際センター」駅すぐ)
   申込締切: 2008年4月20日
   対象者 : 実務翻訳者を目指している方、インターネットを用いた
         翻訳調査スキルを極めたい方、自然な訳文が作れるよう
         になりたい方など。

     ◆当日のセミナーに加え、事前提出課題があります。
     ◆定員を超える場合は、先着順とさせていただきます。

   詳細・お申し込みはこちら→http://www.pie.vc/course/index.html

   ※これまでのセミナーの様子はこちらでご覧になれます。
     →http://www.pie.vc/report/course_report01.html(7月)
     →http://www.pie.vc/report/course_report02.html(11月)

◆編集後記◆
「名古屋食い倒れナイト」案内人のアースです。
暖かくなってきて、我が家の周辺では、久しく見なかった(?)人間が
わらわら出てきて、田おこしの作業が始まりました。田植えは
ゴールデンウィークの頃だから、もうすぐだなあ。
でも家の近くの桜は、ようやくほんのりとピンク色になったところ。
春はこれからです。フキノトウもそこらじゅうでボコボコと顔を
出しています。つくしもポコポコと。そして・・
除草剤を絶対に使わない我が家では、スギナとの戦いが
今年も始まるのでした。

|

 スペイン語翻訳者になろう vol.070

 おはようございます、アースです。
 またわたしに何の断りもなく4月に!(ちがうって)
 はるか昔に勤め人を辞めたわたしには、4月だからといって
 何の関係もないのですが、それでもなんとなく何か新しいことを
 始めたくなります。
 でもえーと、なにをやろう?えーとえーと。
 ・・・何を始めるかはあとでゆっくり考えるとして、
 本日もさっそく本論に入っていきましょう。
 と思ったら、今号でしっかり新しいことをやってました♪。
 引き続き名古屋セミナーの参加募集も行っておりますので、
 興味のある方はぜひご覧下さいね。
 では第70号です。

 ==<もくじ>=========================
  1) Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜会話de調査(前編)〜
  2) 名古屋開催セミナーのご案内(引き続き募集中です)
 ================================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1│ Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜会話de調査(前編)〜
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

翻訳者A(以下、A):今回は、会話形式で「調査」をお見せするという、
  新たな試みをするそうですね。
翻訳者B(以下、B):・・・するそうですね、って、そんなあなた、
  他人事みたいに・・・。そうです!するんです!
A:よし、がんばるぞ!・・・って、切り替えの早さだけが私の取り柄ですが。
  さて、今回のお題は?
B:regeneracion asistida です。
A:聞いただけじゃなんのことやら、まったく想像つきませんね。
B:だから調べるんですよ(笑)。
A:これはどういう状況でみつけた言葉でしょうか?
B:林業関係の資料を読んでいて、何度か出てきた用語なんです。今回は
  翻訳する必要のない資料だったのでとくに訳語を考えなかったのですが、
  もし訳さなくてはならない状況だったら困るな、と思って。
A:それは困りますね。Bさんだったら、調査の口火をどう切りますか?
B:と、私がどう取りかかるかを話す前に、読者の皆さんにはまずご自分で
  調査してみることをお勧めします。
A:そうですね。ご自分の調査プロセス・結果と、このあとに書く私たちの
  ものとを見比べて、どこが異なっていたか、どの方法がより効果的かなど
  を検証していただくわけですね。ではしばらく時間をとりますので、各自
  調査をどうぞ。

       ☆         ☆         ☆

B:さて、一生懸命調べた方もそうでない方も(笑)、ここからは私たちの
  調査プロセスをご覧ください。
  私ならまず、スペイン語で検索をかけますね。すでに皆さんご存知と
  思いますが、regeneracion asistida 全体を“ ”でくくって(つまり、
  “regeneracion asistida”の形で)検索をかければ、この表現が
  ひとかたまりとなって使用されている例がでてきます。
A:Google検索の結果、ヒット数はわずか145件でした。
B:ということは、専門用語ではないのかもしれません。定型の訳語が
  見つからない可能性も高いですね。
A:つまり、「定訳」がないってことですよね。たとえば bateria solar
  ならば、「太陽のバッテリー」ではなく、「太陽電池」という、日本で
  一般的に通用する言い回し(一種の定訳)があるけれども、regeneracion
  asistida にはそういう定訳がない可能性が高い、と。
B:はい。とくに asistida なんて訳しにくそうなものがついていますから、
  その可能性はかなり高そうです。
A:そういう見通しを立てることも重要ですね。「日本語の定訳、しかも
  漢語の状態の定訳が必ずあるはずだ」という先入観で調査すると、途方も
  なく時間がかかるうえに何も見つからないか、あるいはとんでもない
  答えに行き着いてしまう可能性があるので、注意したいものです。
B:ともかく、めげずに検索結果を概観してみましょうか。

A:数が少ないので、めぼしいものをざっと見るのはそんなに大変ではない
  ですね。ええと、まずは林業ということですから、regeneracion は
  なんとなく「(森林などの)再生」のことかなというイメージがわきます。
  で、asistidaだから、「助けられた再生」?・・・う〜ん、これでは
  わけがわかりませんね。
  とはいえ、ひとまず「再生」というキーワードを頭に入れて検索結果を
  見たところでは、いわゆる植生の「自然再生」ではなく、「人の手を
  少しだけ借りた再生」ということのような気がしました。
  代表的なものとして、

  La regeneracion asistida consiste basicamente en habilitar
  la regeneracion natural del bosque en las tierras denudadas.

  という説明がありまして、これを見ただけでも、なんとなく「人の手を
  借りた再生」という印象が強いです。
B:そうですね。スペイン語で調べるとだいたい皆、似たような説明に
  なっていますので、裏を取る意味で、今度は英語で調べてみましょうか。
  regeneracion asistida を英語にそのまま置き換えると assisted
  regenerationになるだろうとあたりをつけて、検索。
A:おお、さすが英語だ!3000件近くヒットしました。でも、これらすべてに
  「assisted regenerationとはなんぞや」という説明がされているわけ
  ではないですから、この状態のまま検索結果を見ていくのは時間の
  無駄ですね。
B:そうですね。そこで、てっとりばやく説明を登場させるテクが・・・?
A:glossary!
B:その通りです。glossary とは「用語解説」「用語辞典」などの意味で、
  glossary という言葉と調べたい語を一緒に検索することで、その語の
  意味を何らかの形で解説してくれているページに行きあたるという
  わけです。
A:私たち、『スペイン語経済ビジネス用語辞典』を執筆する中で、
  このテクを使いまくりましたよね。もちろん、検索にひっかかる
  すべてのページの説明が正しいわけではないので、信頼できるものを
  見極める目を持つことも大事です。
B:dictionary などと一緒に検索するのも効果的ですね。もちろん、
  スペイン語での説明が欲しければ、diccionario や glosario とともに
  検索します。

A:ということで、

  “assisted regeneration” glossary (glossaryの前に必ずスペース)

  で検索してみると、

  Bush regeneration means the rehabilitation of bushland from a
  weed-infested or otherwise degraded plant community to a healthy
  community composed of native species. Natural regeneration relies
  on natural germination and resprouting of plants, and focuses on
  weed removal, management of disturbance and the maintenance of
  natural processes. It does not normally include replanting of
  vegetation. Assisted regeneration uses natural regeneration,
  but also includes intervention actions such as site replanting
  with locally indigenous seed or plant material derived from the
  locality (or other similar plant communities to that occurring
  on the site), or controlled management of disturbance.
  http://incp.environment.act.gov.au/planningframework/Part8.pdf
  (PDFです)

  とか、

  Vegetation replacement methods may include hand sowing, direct
  seeding, tube planting, hand or machine assisted planting of
  seedlings, planting of divisions, transplanting, assisted
  regeneration and natural regeneration.
  http://tinyurl.com/3x6lan

  とかがありましたので、私たちの仮説(植生の「自然再生」ではなく、
  「人の手を少しだけ借りた再生」)がほぼ正しいようだということが
  わかります。
B:ただ、ここでよしとしてしまうのはちょっと危険ですね。なぜなら、
  regeneracion asistida=assisted regeneration と確実にいえるのか、
  まだわからないわけですから。
A:そうです。どんなにスペイン語と英語が似ていても、それだけの
  根拠では両者が対応しているとは断言できないわけですから、必ず
  裏をとらなければなりません。Googleの検索結果の最初の方に、
  FAO(国連食糧農業機関)のHP

   

http://www.fao.org/docrep/x3989s/x3989s05.htm

  が出てきます。こういった国際機関のHPには必ずといっていいほど
  英語ページがありますので、対応するページを探してみると、
  果たしてありました!

  

http://www.fao.org/docrep/x3989e/x3989e05.htm

  スペイン語ページと英語ページがちゃんと対応しているようなので、
  regeneracion asistida=assisted regeneration だと考えて
  間違いないでしょう。
B:ああ、よかった。FAOがそう言っているなら安心ですよね。
A:安心するのはまだ早い(笑)。最大の難関はここからですよ〜。
B:でも、すでにずいぶん長くなってしまったので、今回はここまでに
  しましょう。ここまででも、ぜひご自分で実際に検索してみて
  くださいね。人がやった調査の結果をただ見るのと、実際にやるのと
  ではまったく違いますので。
A:そうですね。ではまた来週!

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2│ 名古屋開催セミナーのご案内(引き続き募集中です)
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

先日からお知らせしております名古屋開催の翻訳セミナーのご案内です。

今年5月31日(土)、名古屋市にて、「スペイン語翻訳力UPセミナー」を
開催いたします。今回は自身も地方出身・地方在住の翻訳者である
アースが、これまで東京で行ってきたものと同レベルの高品質な講座を
お届け致します。

すでに名古屋や愛知県内のみならず、他府県からのお申し込みも
いただいております。これまでセミナーの類いを経験したことがない
けど大丈夫?とご心配の方でも、安心して参加していただける雰囲気に
したいと思っています。この機会にぜひご参加下さいね。

 ※詳細はこちら
     →http://www.pie.vc/course/index.html

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  注力した私たちの講座に、あなたも参加してみませんか?

   開催日時: 2008年5月31日(土) 13:30 〜 16:30
   場所  : 名古屋国際センター(名古屋駅から徒歩約7分・
         地下鉄桜通線「国際センター」駅すぐ)
   申込締切: 2008年4月20日
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         翻訳調査スキルを極めたい方、自然な訳文が作れるよう
         になりたい方など。

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     ◆定員を超える場合は、先着順とさせていただきます。

   詳細・お申し込みはこちら→http://www.pie.vc/course/index.html

   ※前回までのセミナーの様子はこちらでご覧になれます。
     →http://www.pie.vc/report/course_report01.html(7月)
     →http://www.pie.vc/report/course_report02.html(11月)

◆編集後記◆
ピーチです。
遊んでくれくれくれ〜と執拗に迫ってくる生き物の猛撃をかわしながら、
これを書いております。
ちょっと静かになったかと思うと、食卓の椅子の背に上って、椅子もろとも
ひっくり返り、大泣き。泣きたいのはこちらで諏訪よ、ほんとに。
ということで、今回はこれにて失礼させていただきます。
花粉症の皆さま、何とかこの季節をお元気で乗り切ってくださいね
(わたしは花粉症ではありませんが)。

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