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2008年2月13日

 スペイン語翻訳者になろう vol.063

 おはようございます。アースです。
 ただいま、3月8日開催の「ネット調査術」および「スペイン語
 経済翻訳セミナー」の準備を進めています。
 受講生の皆さんはいまごろ、頭から湯気を出して事前課題に
 取り組んでくださっているものと思います。
 その湯気、ぜったいにムダにはなりません(ムダにはさせません)。
 がんばってくださいね!

 それでは第63号です。

  ==<もくじ>=======================
    1) Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜
    2) アースの気が散る話
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┃1│ Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜
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【調査に使用できるサイト(その3)】

今回ご紹介するのは「地図サイト」です。
が、使えるサイトをご紹介する前に、きょうは「なぜ翻訳するのに
地図を使った調査が必要なのか」についてお話ししておきましょう。
地図に限らず、他の調査にも通じる話になると思います。

西文和訳のレベルから「翻訳」のレベルに達するにはいろいろなハードルを
越える必要がありますけれど、なかでも大事なのが「文脈を勘案しながら訳す」
ということ。以前ご紹介したように、例えば

presidente del Estado, Hu Jintao

とあったら、胡錦涛さんは中国の人ですから、presidente del Estado は
「国家主席」と訳すべきだし、

presidente del Estado, Jose Luis Rodriguez Zapatero

だったら、サパテロさんはスペインの人ですから、「首相」になりますよね。

この場合は名前を見ただけでどう訳し分けるか決めることができましたが、
あるひとつの単語の訳を決めるために、文章全体を考慮する必要があることも
少なくありません。あるいは、その文章に2つ以上の解釈があって、どちらの
解釈にするのか文脈から決めなきゃならない、ということもあります。

例えばまったく同じ「きょうは雨が降りそうだ」という文章であっても、長い
あいだ干ばつに苦しんでいた地域と、長雨にうんざりしていた日本とでは
話がまったく違ってきますよね。その文自体の訳し方は同じになっても、
文章全体から立ち上るニュアンスを変える必要が出てくるかもしれません。

「文脈を勘案する」とはそういうことです。
しかし、それと地図とどんな関係があるのか?

例えば vuelo de Rio de Janiero a Buenos Aires というスペイン語が
あったとします。誰でも「あ、ブラジルのリオデジャネイロから
アルゼンチンのブエノスアイレスへの航空路線のことね」と思い込んで
しまうでしょう。ところがそのつもりで訳し進めていくと、どうも
話がおかしい。カリブ海がどうのこうのと言っている。リオから
ブエノスアイレスなら、海に出るとしても大西洋でしょ??

そこでハタと気がつくわけです。ひょっとすると、「違う国の」リオであり
ブエノスアイレスなのではないかと。

ここで、原文にひとこと「○○国のブエノスアイレス」という言葉があれば、
悩むことはありません。でも書いているのは現地の人だったりしますから、
そんなことはいちいち言ってくれない。

たぶん違う国なんだろうなあと思いつつ、でも原文だけでは
はっきりしないし、どうも自信が持てない。それに、アルゼンチンの
ブエノスアイレスでないとすると、原文は同じでも解釈が変わり、
日本語の言い回しが変わってくるかもしれない・・。

この世界には他にも Buenos Aires があるのではないか?
あるとすればどこの国のどこの州にあるのか?
そういった疑問を解決してくれるのが、地図サイトです。

航空関係や鉄道関係だけでなく、たとえばA社がどこそこに工場を作ったと
書いてあるが、それがどの州やらさっぱりわからないとか、この河は
どの都市を経由して流れているのかとか、首都から国境までの距離は
どれくらいあるのかとか、そういった疑問が地図ひとつで解決することも
しばしば。

あるお店への行き方を言葉で説明してもらってもよくわからないが、
地図で見れば簡単だった!ということがよくありますよね。地図を
ちらっと見るだけで、言葉だけでは捉えきれない情報が一発で
つかめるわけです。

翻訳者ってそこまで調べなきゃならないの?と思った人もいるでしょう。
確かにそこまで調べる必要がないこともあります。字面だけ訳して
つじつまがあっていれば、それでOKとされることもあるでしょう。

ただ、このように一歩踏み込んで調査をしておけば翻訳にも厚みが出ますし、
何より自分自身が自信を持って訳し進めることができます。(もっとも
どこまで調べられるかは、いつも時間との戦いですが・・)

また学習段階の人にとっては、調査結果と照らし合わせることで、それまで
理解できなかったスペイン語がクリアに見えてくる!というおまけも
ついてきます。もちろん、これは地図に限った話ではありません。
筋を知っている小説を原文で読むと、知らない単語や言い回しでも
なんとなくわかるものですが、これと同じ効果ですね。

地図サイトの紹介のはずが、ずいぶん脱線してしまいました。
次回は実際に使えるサイトを見ていきましょう。

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┃2│アースの気が散る話
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ウン十年前。中学校だか小学校だかの社会の授業中です(記憶不鮮明)。

先生 「GATT(ガット)とはなんのことですか?
    誰かわかる人?
    いない?アースさん、どうですか?」
アース「ええ〜わたしですかぁ〜?
    えーと、がっとがっとがっと。
    がっとと言えば?
    かんぜいとぼうえきにかんするいっぱんきょうてい」

そのときは皆が「アースちゃん、ど、どうしちゃったのっ」という
面持ちをしていましたが、実は本人が一番びっくりしていました。
「自分が知っているということを知らなかった」からです。

実際、自分で言ってみて、「かんぜい」と「ぼうえき」に関する協定
であるということくらいはわかりましたが、貿易はともかく、「関税」
のなんたるかなど、ほとんど理解していなかったと思います。

そのときの感覚をよく覚えているのですが、たとえば「うみ」ときたら
必ず次は「やま」と来るように、「音」だけが思い浮かびました。
でも内容も漢字も思い浮かばない、だから平仮名。

なぜ知っていたのか、そのときはわからなかったのですが、何十年も
経って「ニュース好きの父のせい」であることに思い当たりました。

わたしの父はとにかくニュース好き。新聞ではなく、テレビニュース。
テレビをつければニュース。やることがなければニュース。朝から
ニュース。寝る前もニュース。それもゴロゴロころがって、見ている
のかいないのかはっきりしない。感想を言うでもない。

わたしが子どものころは、聞いても理解できないそんなものに興味を持つ
はずもなく、単なる「BGM」として育ちました。ところがこれが非常に
役に立っている、ということに大人になって気がつきました。

英語のリスニング訓練法として「聞き流し」が流行っているようですが、
まさにこれ。

ある音を聞くと、それに続くべき音、関連する音が、ぱ〜っと頭の中に
再生されるのです。テレビニュースでは当時、必ず「ガット、関税と貿易に
関する一般協定に関する交渉で…」などと言っていたように思うので、
それがそのまま頭の中に残ったのでしょう。

この「聞き流しの効用」に気がついてからは、まじめに見るつもりは
なくても、できるだけニュースを「BGMとして」流すようにしています
(もちろん、仕事以外のときですが)。

すると、翻訳で調査が必要なとき、まるで取っ掛かりがないように
見える事柄でも、その時に最適な「検索キーワード」がなんとなく
浮かぶわけです。なんでこんな言葉を知っているのだ?と首をひねり
ながらキーワードを入力することも稀にあります(しかも意味を
理解していないという…)。

もちろんこれができるのは、わたしが経済・産業の翻訳を中心にやって
いるからで、これがニュースにはまったく出てこない分野だったり、
ごく専門的な分野だったりしたら、役には立たないかもしれませんが。

ひとつキーワードを覚えると、次にその言葉が出てきたときに、
なんとなくそのニュースを聞こう(読もう)と思うものでして、それを
繰り返していると、だんだんと相乗効果(sinergia)でいろんなことに
興味がわき、いろんなことを知りたくなります。

わたしのこの気が散る性格は、その繰り返しのなれの果てなのかも…。
だから逆に、自分の「底の浅さ」に絶望的な気分になることもあります。

翻訳者としては便利な性格かなと思いつつ、調査を始めるとあっちこっち
寄り道しちゃって、ぜんぜん進まない・・・。

◆編集後記◆
ピーチです。
駅で駆け込み乗車をするイギリス人(たぶん)の紳士を見かけました。
毎日3時にはスコーンをつまみながらアフタヌーンティーを楽しんで
いそうな雰囲気のひとだったのでちょっと違和感がありましたが、
完全に日本人化した走りっぷりとあわてぶりがほほえましくもあり、
マスクの下でクスッと笑ってしまいました。
ーー東京は、今日もあちこちに神秘と興が転がっているようです。

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