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2007年9月21日

 スペイン語翻訳者になろう vol.038

 おはようございます。
 私たちが主催する新講座が始まって10日がたちました。
 すでに受講者のみなさんには第一回の課題を提出していただき(全員提出!
 拍手〜)、現在ネット上の掲示板で、原文の解釈の仕方や訳し方について自
 由に議論していただいています。
 まだ掲示板開始から2日ですが、かなり盛り上がっているようです。
 他の受講生の訳文も自由に参照できる環境で、気になった語や表現や訳し方
 について、受講生仲間と徹底的に議論する(それも、ネット上なので時間を
 選ばず、自分にできる範囲で)・・・そんな機会はなかなか得られない、非
 常に貴重なものだと思います。

 ということで、メルマガも負けてはいられません(!?)
 今日の内容も大変重要なポイントを含んでいます。
 「編集後記」とあわせてよく読んでくださいね。

  ==<もくじ>=======================
    1) きょうのキーワード 【concepto】
    2) 実際に訳してみよう
  ==============================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

┏━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1│きょうのキーワード 【concepto】
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

受験英語で concept=「概念」としっかり覚えてしまった人は、ちょっと
だけそのネジを緩めてください。もちろん「概念」の意味で使われることも
多いですけれど、それと同じくらい多いのが、

   en concepto de...=「〜として」

en concepto de...が実際に使われているところを見ると、白水社の
西和辞典の「《商業》細目、品目」のイメージのほうがより近いような気が
します。「〜という項目において」のような感じです。

まずは「概念」という大仰なイメージを頭から払拭してから、
実際の使用例を見てみましょう。

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┃2│実際に訳してみよう
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇本日の課題

Un tribunal del estado de California ordeno' hoy a la empresa de
limpieza Carpet Cleaning, el pago de 4,5 millones de dolares a 385
trabajadores en concepto de salarios y prestaciones atrasados.

【語注】
tribunal del estado de California:不定冠詞がついていることに注意。こ
           こでは単に「カリフォルニア州のとある裁判所」と言っ
           ているだけなので、うっかり「カリフォルニア州立裁判
           所」などとしないようにしましょう。
empresa de limpieza:清掃企業
prestaciones    :(複数形で)給付(金)、手当
atrasados     :遅れた(形容詞)

【直訳】
カリフォルニア州のある裁判所はきょう、清掃企業カーペット・クリーニング
に対し、遅れた給与と手当てとして、385人の労働者達に450万ドルの支払いを
命じた。

【練り訳】
カリフォルニア州の裁判所がきょう、清掃企業のカーペット・クリーニング社
に対し、未払給与・手当として、385人の従業員に450万ドルを支払うよう命じ
た。

※現在の練り訳でも十分ですが、いまのままですと「従業員1人あたり450万
 ドルを支払う」ように取られる可能性があります。それを避けるために、原
 文にはありませんが、「総額450万ドル」とする方法もあります。

 ただし!こういった付け加えは、この450万ドルが「本当に総額であった」
 という確信が持てるときのみにしましょう。今回の場合、清掃会社の従業員
 1人あたりの未払給与が約5億円であるということは考えられませんので、
 「総額」としても大丈夫でしょう。自信がない場合は調査するか、あるいは
 原文通り(何も足さず、何も引かず)にしておきます。


◆編集後記◆
アースです。
今回の「実際に訳してみよう」にあるように、数字を訳すときには
ほんとうに神経を使います。大きな数字を間違えずに訳すのは当然
のことですが、できあがった訳文を見たら「あれ50とこれ20を足して
100」みたいになっていることがあって、あわてて原文を見直したり。
だいたいは自分の読み間違いなのですが、原文を穴の空くほど見つめても
「あれ50とこれ20を足して100」になっているときには、仕方ないので
ため息をつきつつ、調査に入ります。残念ながら、スペイン語圏の
記者さんたちはあまり数字に敏感ではないようで、こういったことが
しばしば起こります。頼むから、一回でもいいから見直してよ〜。
そうすればわたしも早く終われるのに〜!(「95億ドルを投資」の
ときに、平気で「100億ドルを投資」にしちゃうのもやめてほしい…)

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