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2007年7月30日

 スペイン語翻訳者になろう vol.026

 おはようございます。
 きのうは選挙に行かれましたか?
 これを皆さんが読むころには、結果も確定していることでしょう。
 きのう、投票所には出口調査の人が何人かいたので、わたしも
 声をかけられるものと思ってちょっと構えて出ていったら、
 無視されました・・・がーん。
 いいのよ、出口調査なんて、何時間かの意味しかないんだから。
 フン。

 さて、ひねくれていないで、とっとと本日の話題に進みましょう。
 第26号です。

  ==<もくじ>=======================
    1) トライアルの話(番外編)
    2) アースの気が散る話
  ==============================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃1│ トライアルの話(番外編)
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ピーチです。
前にメインコラムで「トライアルを受けてみよう」という記事を書いたとこ
ろ、かなりの反響をいただきました(ありがとうございます)。
続編、続々編・・と書いていこうと思いながら、なんとなく書かぬまま今日ま
できております。

「書かない(書けない)理由を挙げよ」と問われれば、
「書きたいことはたくさんあるんだけれど、どうまとめればよりわかりやすく
皆さんにお伝えできるのか、いまも考え続けているから」
のような美しい理由から、
「ずばり、さぼっていました!」
のような自虐的理由まで、いろいろ挙げられます。

しかし・・・絶対、必ずや、きっと、多分、おそらく、「トライアルシリーズ
第2弾」を書きますので、このテーマに関心のある方は気長にお待ちください
ませ。

それはそれとして、今回は番外編で、トライアルに関する本音トーク(?)
を・・・。

上述のコラムで私は、翻訳者志望の皆さんに対して「トライアルを受けてみま
しょう!」と提案しました。
それは本心です。
トライアルで得るものはあっても失うものはないからです。

ただですね、他方ではトライアルを神聖視しすぎないこともまた重要です。
その意味で心にとめておいて頂くといいのではと思うことを、今回1つだけお
伝えします。

それは、「トライアル合格者」が必ずしも「有用な翻訳者」とはいえない、と
いうことです。

私はときどき翻訳のチェックも行うのですが、優れた成績でトライアルを突破
した(はずの)方々による、実際の仕事の訳文をチェックしながら、頭の上に
無数の疑問符が浮かんでくる瞬間があります。

「もしかしてトライアルでは学習としての翻訳力は測れても、実務としての翻
訳力は測れないのかもしれない・・。」
そんなことを考えていた折、一冊の本に出会いました。

伝説の産業翻訳者にして翻訳コンサルタントの水野麻子さんの名著『産業翻訳
に英検はいらない』がそれです。
そこには「トライアルの成績は抜群に良いのに実務ではボロボロという話をよ
く聞きます」という一節が出てきており、そのあとに説明されている「実務ボ
ロボロ」の理由も、私には大変納得のいくものでした(関心のある方はぜひご
一読を・・)。

トライアル以外でも、その本ではほとんどのページで私の「これだ!アンテ
ナ」がピコピコ点滅しっぱなしでしたので、著者の水野先生に連絡をとり、無
理を承知で面会をお願いしたところ、寛大な先生はご快諾下さいました(私に
はこの上なく有意義で楽しい時間となったことは言うまでもありません)。

で、肝心のトライアルと実務の壁についてですが、
「トライアルでは翻訳者の実務能力は正確に測れない」
というのが水野先生と私の共通見解でした。
一言で言ってしまえば「実際に訳さねばならない分量が違いすぎる」のです。
水野先生の御本には「ボロボロになるのは分量に圧倒された結果。つまり、気
持ちの問題」とあります。
たしかに、トライアルの課題はせいぜいA4で1〜2枚程度(しかも多くの場
合、提出日は自分で決められる)のに対し、実際の仕事では何十枚という分量
をごく短期間のうちに出さねばならないのです。

ずっと勉強を積み重ねてきて、ある意味完ぺき主義になっているトライアル合
格者は、実戦での「分量の多さ」と「納期の短さ」と「訳文の完成度」のバラ
ンスがとれずにガタガタと崩れてしまうのでしょう。

(余談ですが、自分の観察では、そのような方は根が真面目なので、改善の余
地じゅうぶんにあり。本当に厄介なのは、ろくに推敲していない訳文を平気で
出せてしまうタイプです。
「納期までに出せれば、今回の仕事は一丁あがり!」とでも考えているのかも
しれませんが、そのあと校閲者がどれだけ苦労するかという想像力が完全に
欠如しているのです。「翻訳はサービス業だ〜!」「見直しが嫌いな人は翻訳
者になる資格な〜し!」と、自戒の意味も込めて大声で叫びたい・・)

あら、話題が微妙にそれてきました。
書きたいことはまだまだこんこんと湧き出してくるのですが、もうすでに
相当な長文になっていますので、続きはまた別の機会に。

最後に1つだけ予告をかねてお伝えしますと、現在私たちは、トライアルに
合格できるレベルの方が、「トライアル時の品質を維持しながら大量にアウト
プットできるようになる訓練方法」を研究中です。
また、その前の段階(プロへ「あと数歩」)の方々が、プロになり、そしてプ
ロになったあとに磐石のよりどころとできる真の翻訳力をつけるためのコース
も検討しております。
そのうちご案内しますので、興味のある方は見逃さないようにしてください
ね。

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┃2│アースの気が散る話
┗━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

メルマガの創刊やセミナーやなんやかやで相当忙しかった
この数ヶ月。ここはひとつ、一日ちゃんと休もう!と決心し、
先日、ここ数ヶ月で初めて「休みかな?」と言える日を
設けることができました。(それでもクエスチョンマークが
つくのが悲しい…)

何をしようかと考えて、掃除ではそれこそ悲しいので、少し手を
つけたまま、ずっとほったらかしてあったRPG(ロールプレイング
ゲーム)をやることに。

アクションゲームではないので、ゴロゴロしながらコントローラー
片手に進めることができます。

話は楽しい。しかし。

「おおアースくん、君の戦いぶり、見させてもらいましたよ」
(「見させて」じゃなくて「見せて」だろう・・・)

「なんとっ!王がそう申されていましたのか!?」
(「申す(謙譲語)+「される(尊敬語)」って変じゃない?古典では
二方面の敬語というのもあったし、この言い方、許す方向に向かってる
みたいだけど・・・)

「ふぉっふぉっふぉ。おぬしではまだまだ役不足じゃ」
(この使い方、完全に定着しちゃったなあ・・・)

読み流せば別にどうということのない日本語の端々がどうにも
気になって、ストーリーに入り込めないこの悲しい性。
翻訳者の宿命とも言えましょうか。

言葉は移り変わるものとは言うけれど、だから上記の日本語が「間違い」
とは言えないのかもしれないけれど、子どもたちが遊ぶものなのだから、
もう少し気を配ってもらいたいなあといつも感じます。

「役不足」などは、「この仕事は私には役不足だ(簡単すぎる)」
という従来の意味だけでなく、上記の意味でも辞書に載せる段階かなあ
と思いますけれども…。

最近の特にRPGゲームは昔に比べると話が複雑で、日本語も
漢字も難しく、しかもフリガナさえつけていないものもあります。

もちろんターゲットとなる購買層は大人なのでしょうが、子どもたちも
わからないなりに遊んでしまうのでしょう。わたしの世代が、漫画で
けっこうな知識を得たように、いまの子どもたちはゲームで日本語の
言い回しや漢字を覚えていくのかも。

それだけに、ゲームメーカーの責任も重い!と思うのでした。

(わたしが「大陸棚」「マリンスノー」という言葉を覚えたのは、
『ドラえもん』でした。のび太が「深海クリーム」を塗って、太平洋の
海底を歩いてアメリカに渡る…という話。なつかし〜!)

---[訂正]------------------------------------------------------
 第25号の目次
    「西和辞典は「万能選手」にあらず その2」 は
    「Web時代の翻訳術 〜調査力を磨こう〜」   の
 間違いでした。おわびして訂正いたします。
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◆編集後記◆
ピーチです。
7月最後のメルマガです。ということは・・・・もう8月なんですね!
あまりのはやさにだまされているような思いがしますが、降り注ぐ蝉しぐれを
きいていると「たしかに真夏だな」と納得はします。
蝉といえば、最近「八日目の蝉」というすばらしい小説を読みました。まさに
蝉の声をBGMにしながら。
多分わたしの後半生、夏が来て蝉の声をきくたびに、この小説のことを思い出
すのだろうと思います(といいつつ、記憶力がそうとう悪いんで、来夏にはも
う忘れているかもしれませんが)。

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