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2007年6月8日

 スペイン語翻訳者になろう vol.011

     ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

       スペイン語翻訳者になるのに何が必要?
         才能?コネ?学歴?留学経験?
               いいえ。
         「絶対になる!」という信念と
            的を射た努力だけ。

         現役の実務翻訳者である私たちが
        あなたの夢の実現のお手伝いをします。

     ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 なんと知らない間にもう11号!

 この10号のあいだに様々な話題を皆様にお届けしましたが、
 いかがでしたでしょうか。私たちとしてはお話ししたい内容が
 たくさんあり、つい話があっちこっち飛んでしまいますけれど、
 このメルマガさえ根気よく読んでいれば
   「実務翻訳者いっちょあがり!」
 という段取りになるはずですので。

 ・・・というのはもちろん冗談!
 さて、本号もまじめに努力してまいりましょ〜。

  ==<もくじ>=======================
    1) ちょくねり・・・?
    2) 「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
  ==============================

  ※スペイン語の表記:このマガジンは比較的上級者を対象としている
   ことから、基本的にアクセントおよびティルデを入れていません。
   ただし動詞など重要な部分については入れることがあります。
   例)bajo → bajo'(動詞、三人称点過去の場合)

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┃1│ちょくねり・・・?
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きょうは新コーナーについての説明です。

 「ちょくねりってなによ。練り物?」

あ、いや、違います。「直訳&練り訳」のことなんです。
まあ聞いて下さい。

ふつう「直訳」というと嫌われ者で、日本語が「こなれて」なくて、
外国語から訳したことがバレバレ…なんて言われちゃいます。だから
どうしても、最初からスバラシイ日本語になるようにがんばって
しまう人が多いようです。

それで一級品の日本語になるのならOK!このメルマガを読む必要なし!
なのですが…最初からそんな芸当ができる人はほとんどいないでしょう。

いつかこのメルマガでも話したように、相手は外国語。わからなくて、
訳せなくて当たり前です。しかしそれを認めずに、一足飛びに
「こなれた日本語」を求めようとすると、どうなるでしょうか。

そう、原文の大事なところを読み落とし、自分に都合の良いように
自分が考えた文脈に合うように語義を当てはめ、あるいは創作し
曲解しもうめちゃくちゃ…という事態に陥ります。
(自分で耳がいた〜い!!!)

そこで私たちは、直訳の良さを見直してみることにしました。

ひとつの文章を、まずはじっくり「直訳」してみるのです。
そう、誰はばかることなく!(そんなこと、今まで誰が許して
くれたでしょうか!?)

 Tengo hambre.=私は空腹を持っている。

まあこんな感じです。この程度の短さなら、ひとめ見ただけで
「“おなかすいた”でしょっ」とわかるけれども、これが5行、
10行に及ぶ長い文章だとしたら、果たしてそううまくいく
でしょうか…?

これまでも「実際に訳してみよう」のコーナーで、ひとつの訳文に
対して【直訳】と【練り訳】を提示していました。たったあれだけの
文章でも、「直訳するとわかりやすいかも?」と思った方が
多いのではないでしょうか。

実際、数人の方にこの方法で翻訳を試みてもらい、感想をきいて
みたところ、

「以前は、直訳を飛び越えて、一気に練り訳をする傾向があった。
 直訳してみることで、構文、単複、時制を見落として、原文と
 大きくずれた訳をする可能性が、自分が思っているよりも高い
 ということに気付いた」

「これまでは一息にこなれた文章にしなければと、心理的圧迫感
 があったが、原文に沿い、文章を短く切りながら訳してみたとこ
 ろ、心理的な負担が非常に軽減した」

などの意見が出ました。

新コーナーは、これを実践してみよう!というものです。そして、
そう、「ちょくねり」はおでんの新しいネタではなくて、

 「直訳&練り訳を使った翻訳プロセス」

のことなのでした(もちろん私たちの造語です)。

さてそれでは、さっそく第一回の「ちょくねり」、やってみましょう。

※原文と直訳&練り訳がどうしても画面上で離れてしまいますので、
じっくり見たい方は、別のところに原文をコピー&ペーストし、3つを
並べて見ることをお勧めします。

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┃2│「ちょくねりメソッド」で翻訳に挑戦しよう
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◇本日の課題

La Union Europea (UE) cree que "no es realista" pensar que Estados
Unidos aceptara' en la proxima cumbre del G8 compromisos vinculantes
para reducir sus emisiones de CO2, aunque considera que la postura
de Washington ha evolucionado notablemente en los ultimos anos.
                     --Bruselas, 31 mayo (EFE)

【語注】
cumbre del G8:G8サミット(主要国首脳会議)。ドイツのハイリゲンダム
        で6日から始まったG8のこと。
vinculantes:拘束する(形容詞)
emisiones:排出
Washington:「ワシントン」ですが、ここでは「米国政府」のことを
      指しています。
evolucionado < evolucionar:進歩する

【直訳】
欧州連合(EU)は、次のG8サミットで米国がその二酸化炭素排出を削減
するために拘束された約束を受け入れるだろうと考えることは「現実的でな
い」と信じている。EUは、ワシントンの姿勢は最近数年間に目立って進歩
してきたと見なしているけれども。

※cree que "no es realista" pensar que Estados Unidos aceptara'...の
あたりが複雑ですけれども、es の主語が pensar que...以下であることに
気がつけば、もう大丈夫。

※creer, pensar, considerar など、同じような語義の言葉が並んでいて、
困った!さて、どのように練りましょうか…。

【練り訳】
欧州連合(EU)は、最近数年で(環境問題に対する)米国政府の姿勢が著
しく進歩したとの考えを示しながらも、次回のG8サミット(主要国首脳会
議)において、米国が二酸化炭素排出量削減に関して拘束力のある取り決め
を受け入れるものと考えるのは「現実的でない」としている。

※ aunque 以下を先に訳そうとすると、どうしても(環境問題に対する)の
部分を補足せざるを得ません。そうしないと、日本語だけ読んだ人には、米
国の「何に関する」姿勢なのかわからないからです。そこで補足したわけで
すが、ここでは環境問題に対する米国の姿勢について言っていることは明ら
かなので、カッコを取ってしまってもいいと思います。

      ◆    ◇    ◆    ◇    ◆

第一回の「ちょくねり」いかがでしたか?
今回の翻訳例を見て

 「うん、たしかに、一回直訳するとこなれた日本語にしやすいんだろうな、
  ということは分かった。でも、直訳から練り訳へジャンプするのが
  むずかしいのだよ〜」

と思われた方もいらっしゃるのでは?

まさにその通りです。
私たちが考案した本当の「ちょくねりメソッド」は、今回紹介したような
「一気呵成の練り訳飛び型」ではなく、直訳段階を何度も繰り返し、徐々に
練り訳に近づいていく・・という方法をとります(上でご意見を紹介した
「ちょくねり経験者さん」たちにも、その方法で試していただきました)。

しかし、メルマガでは紙面の限界もあり、簡略型でお送りしているわけです。
今後、「本来型のちょくねりメソッド」を紹介していく場も考えたいと
思いますので、ご関心がおありの方は楽しみに待っていてください。

※なお、この「ちょくねりメソッド」は7月7日・8日のセミナーで
 実践していただくことになっております。

 同セミナー(対面式)は定員に達しましたが、添削コースでも同じ課題を
 扱いますので、「ちょくねり」の魅力の一端に触れていただけると思います。
 あと数名様でしたら、お受けできますので、
  「ちょくねり、試してみたいな」
 と思われた方はぜひどうぞ。アースとピーチが赤ペン片手に
 お待ちしています(いえ、実際の添削は紙面ではなく、PC上で
 おこなうので、「赤ペン」はものの例えですけれども)。

 詳細はこちらから→→http://www.pie.vc/course.html

◆編集後記◆
アースです。先日、ホストファミリーをやるという話を
しましたよね。「特段何の準備もせずに迎える」はずでしたが、
ふと気がついてみれば…枕がひとつ足りない!!

「日本には PILLOW というものはないのだ」と言い張ろうとも
思いましたが、さすがに無理か…。さっきあわてて買いに
行きました。ああ小市民。(ちがうって)

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